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第6章~ラグナロクの始まり~

第107話(フレイン視点)

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 対してミューはいつものペロペロキャンディーを咥えながら、「相変わらず兄弟仲良しだなぁ」なんて言っている。

 とりあえず全員無事ではあるが、いつもの戦闘服が汚れたり千切れたりしていた。擦り傷や掠り傷も多く、満身創痍だということが窺える。ユーベル曰く「こき使われている」のは、大袈裟な表現でもないようだ。

 フレインは少し苦笑して答えた。

「やあみんな。お疲れ様だね」
「フレインもアクセルもお疲れさま~! とうっ!」

 言うやいなや、ミューがドボンと泉に飛び込んでくる。他の二人も続けて飛び込んできた。無駄に水飛沫が上がって少し迷惑した。

 ミューが頭だけ出してこちらに泳いでくる。

「そっちもいろいろあったみたいだねー。僕はてっきり、また二人でイチャイチャしているのかと思ったよ」
「そうだったらよかったんだけどね。残念ながらそんな暇はなかったんだ。正直、ロクにご飯も食べられていないんだよ」
「ふーん? それは大変だねー。飴でも食べる? 僕の食べかけだけど」
「……いや、さすがにいらないかな……」

 めぐんでくれるなら、せめて食べかけではなく新品が欲しいところだ。

「傷を癒したら食事をしに行けばいいでしょう。もっとも、薄暗い地下で食事をとるのは、個人的にはやや優雅さに欠けますけどね」

 そう言って、ユーベルが長い髪を解く。そして温泉のように水に身体を浸し始めた。

 ジークは豪快に衣装を全て脱ぎ、下着一枚になって遊泳している。

 それを横目で眺めつつ、フレインは聞いた。
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