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第6章~ラグナロクの始まり~
第82話
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おそらく何かしらの獣だろう。数は多くない。群れで行動するオオカミの可能性は低そうだ。とすれば、イノシシか鹿というところだが……。
「……!」
微かにザザザ……と地面を這うような音が聞こえる。気配は近付いているのに、足音らしいものは全く聞こえない。
足がない獣? 地面を這って移動する獣? 群れではなく、ほぼ単体で行動する獣?
それって、まさか……。
「っ……!」
殺気を感じ、ほとんど反射的に横に飛び退いた。
次の瞬間、今まで自分が立っていた場所に巨大な牙が突き刺さった。それはアクセルの背丈をゆうに超える大蛇の牙だった。
――やっぱりヘビか……!
できる限り距離をとるべく、アクセルは後ろ走りで逃げ出した。
このヘビ、全長何メートルあるかは見ただけではわからない。鎌首だけで三メートル以上はあるから、頭から尾までは数十メートルにも及んでいるかもしれない。
そこまで巨大だと、気付かないうちに足元に尻尾が伸びてくることがあるから非常に危険だ。この手のヘビは毒のあるなしに関わらず、獲物を締め上げて弱らせるのが狩りの基本である。そして意外とヘビの締め付けは強く、一度捕まったら自力ではなかなか振りほどけない。
だから絶対に捕まるわけにはいかないのだ。
――というか、なんでいつもこういうパターンになるんだよ!
闇雲な怒りが湧いてきて、アクセルは邪魔な枝を小太刀で切りつけた。
「……!」
微かにザザザ……と地面を這うような音が聞こえる。気配は近付いているのに、足音らしいものは全く聞こえない。
足がない獣? 地面を這って移動する獣? 群れではなく、ほぼ単体で行動する獣?
それって、まさか……。
「っ……!」
殺気を感じ、ほとんど反射的に横に飛び退いた。
次の瞬間、今まで自分が立っていた場所に巨大な牙が突き刺さった。それはアクセルの背丈をゆうに超える大蛇の牙だった。
――やっぱりヘビか……!
できる限り距離をとるべく、アクセルは後ろ走りで逃げ出した。
このヘビ、全長何メートルあるかは見ただけではわからない。鎌首だけで三メートル以上はあるから、頭から尾までは数十メートルにも及んでいるかもしれない。
そこまで巨大だと、気付かないうちに足元に尻尾が伸びてくることがあるから非常に危険だ。この手のヘビは毒のあるなしに関わらず、獲物を締め上げて弱らせるのが狩りの基本である。そして意外とヘビの締め付けは強く、一度捕まったら自力ではなかなか振りほどけない。
だから絶対に捕まるわけにはいかないのだ。
――というか、なんでいつもこういうパターンになるんだよ!
闇雲な怒りが湧いてきて、アクセルは邪魔な枝を小太刀で切りつけた。
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