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第6章~ラグナロクの始まり~
第38話
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「これはスキーズブラズニル、伸縮自在の魔法の船だよ」
「魔法の船……」
「……の、レプリカ」
「レプリカなのか。それって意味あるのか?」
「レプリカでも、本物と同じ効果はあるよ。でなきゃ私たちに与える意味がないからね。……でも、どうせなら戦える神器がよかったなぁ……」
よりにもよって、何でこれになっちゃったんだろう……と、ぼやいている兄。
――魔法の船なんて、戦闘においては何の使い道もなさそうだよな……。
というか、伸縮自在なんて言っているが、折り畳まれた状態ではただの紙にしか見えない。あれで本当に船になるのかは甚だ疑問だ。
それに、レプリカというところも気になる。自分はバルドルから本物のヤドリギ――ミストルティンをもらった身だから、神器選考会で渡される神器がまさかレプリカだとは思わなかった。
「どうせ与えられるなら、ミョルニルのレプリカがよかったなぁ……。あれなら一発で岩を破壊できるのに」
と、兄が更にぼやいてくるので、アクセルは重ねて尋ねた。
「兄上、俺たちに与えられる神器はレプリカが普通なのか?」
「そうだよ。オリジナルは神の持ち物だからね。ミョルニルはトール様の武器だし、この魔法の船はフレイ様のものだし」
「フレ……兄上みたいな名前の神様だな」
「それは私も紛らわしいと思った。まあ、『フレイ』はあくまで俗称らしいけどね」
「俗称……なのか」
「そう。本名はユン……ユン……何だっけ?」
「……いや、知らないけどな」
まあ、魔法の船――スキーズブラズニルの名前を正確に覚えていただけでも、兄にしてはかなり頑張った方ではなかろうか。
「魔法の船……」
「……の、レプリカ」
「レプリカなのか。それって意味あるのか?」
「レプリカでも、本物と同じ効果はあるよ。でなきゃ私たちに与える意味がないからね。……でも、どうせなら戦える神器がよかったなぁ……」
よりにもよって、何でこれになっちゃったんだろう……と、ぼやいている兄。
――魔法の船なんて、戦闘においては何の使い道もなさそうだよな……。
というか、伸縮自在なんて言っているが、折り畳まれた状態ではただの紙にしか見えない。あれで本当に船になるのかは甚だ疑問だ。
それに、レプリカというところも気になる。自分はバルドルから本物のヤドリギ――ミストルティンをもらった身だから、神器選考会で渡される神器がまさかレプリカだとは思わなかった。
「どうせ与えられるなら、ミョルニルのレプリカがよかったなぁ……。あれなら一発で岩を破壊できるのに」
と、兄が更にぼやいてくるので、アクセルは重ねて尋ねた。
「兄上、俺たちに与えられる神器はレプリカが普通なのか?」
「そうだよ。オリジナルは神の持ち物だからね。ミョルニルはトール様の武器だし、この魔法の船はフレイ様のものだし」
「フレ……兄上みたいな名前の神様だな」
「それは私も紛らわしいと思った。まあ、『フレイ』はあくまで俗称らしいけどね」
「俗称……なのか」
「そう。本名はユン……ユン……何だっけ?」
「……いや、知らないけどな」
まあ、魔法の船――スキーズブラズニルの名前を正確に覚えていただけでも、兄にしてはかなり頑張った方ではなかろうか。
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