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第6章~ラグナロクの始まり~
第1話
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奇妙な夢を見た。アクセルの記憶にはない昔の夢だった。
――ここは……?
地平線まで見渡せるようなただ広い平野。大勢の人間に踏み固められた地面のせいで、草木はほとんど生えていない。ところどころ土が掘り返されたような跡があるが、人為的に掘り返したというよりは巨大な石や岩がぶつかって土塊が剥き出しになった感じだ。
――ここって、かつての戦場か……?
アクセルはぐるりと周囲を見渡した。
特徴のない荒野だが、何となく見覚えがある。生前に何度もここで戦ったせいか、土の匂いが懐かしかった。
――兄上が亡くなってからは、戦に出ることしか考えてなかったな……。
生前の兄がどんな風に戦っていたのか、少し知りたくなった。今でもぞくぞくするほど強くて美しいが、生前はまた違った戦い方をしていたのかもしれない。傷がすぐに治るヴァルハラとは違い、生前はなるべく怪我をしない方が有利だったからだ。
「……!」
遠くから戦場の音が聞こえてきた。戦士たちの雄叫びと武器を叩き合わせる音、投石の重い音等が混じり合って、耳まで届いてくる。
何の戦なんだろうと思い、アクセルはそちらまで足を運んだ。どうせ夢だと開き直っていたから、見るべきことは全部見ておこうと思ったのだ。
戦場を覗きに行ったら、覚えのある人たちがたくさん戦っていた。
かつて自分の上司だった小隊長もいたし、隣の家のガチムチお兄さんもいた。皆、生前にお世話になった懐かしいメンツだった。
その中で、一際目を引く人物がいた。
――ここは……?
地平線まで見渡せるようなただ広い平野。大勢の人間に踏み固められた地面のせいで、草木はほとんど生えていない。ところどころ土が掘り返されたような跡があるが、人為的に掘り返したというよりは巨大な石や岩がぶつかって土塊が剥き出しになった感じだ。
――ここって、かつての戦場か……?
アクセルはぐるりと周囲を見渡した。
特徴のない荒野だが、何となく見覚えがある。生前に何度もここで戦ったせいか、土の匂いが懐かしかった。
――兄上が亡くなってからは、戦に出ることしか考えてなかったな……。
生前の兄がどんな風に戦っていたのか、少し知りたくなった。今でもぞくぞくするほど強くて美しいが、生前はまた違った戦い方をしていたのかもしれない。傷がすぐに治るヴァルハラとは違い、生前はなるべく怪我をしない方が有利だったからだ。
「……!」
遠くから戦場の音が聞こえてきた。戦士たちの雄叫びと武器を叩き合わせる音、投石の重い音等が混じり合って、耳まで届いてくる。
何の戦なんだろうと思い、アクセルはそちらまで足を運んだ。どうせ夢だと開き直っていたから、見るべきことは全部見ておこうと思ったのだ。
戦場を覗きに行ったら、覚えのある人たちがたくさん戦っていた。
かつて自分の上司だった小隊長もいたし、隣の家のガチムチお兄さんもいた。皆、生前にお世話になった懐かしいメンツだった。
その中で、一際目を引く人物がいた。
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