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第5章~神々の国へ~

第105話

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 ――過激すぎだろ、それ……!

 どういう遊びなんだ、とアクセルは内心呆れ果てた。北欧の神々は好戦的な者が多いせいか、遊び自体もやや血生臭いようだ。

「く……これじゃバルドル様に近づけない……」

 周囲を固めているのは、アクセルより遥かにたくましい巨躯を持った神々ばかり。「ちょっとすみません!」と声をかけても歓声に掻き消され、アクセルの声は届かない。

 どうしよう……どうすれば……。

「これはもう、先にロキ様を見つけた方が早いね」

 と、兄が助言を与えてくれる。

「ロキ様の姿はわかる?」
「わ、わからない……。俺が会った時は兄上に変身していたから……」
「じゃあ知ってる人に聞くしかない。話を聞いてくれそうな人は?」
「バルドル様以外だと、ホズ様くらいしか……」
「わかった、ホズ様ね。じゃあホズ様を捜そうか。ほら、行くよ」

 テキパキと指示を出し、こちらを引っ張ってくれる兄。本当に頼もしく、心強かった。一緒にいてくれて心底よかったと思った。

 だがその一方で、一抹の不安も感じていた。

「兄上……」

 こんな時に口にすることではないかもしれない。が、どうしても聞かずにはいられなかった。

 アクセルは歩きながら尋ねた。

「あなたは、本当に兄上だよな……?」
「えっ?」
「誰かが化けているんじゃないよな……? 本当に、正真正銘、俺の兄上だよな……?」
「何言ってるの。当たり前じゃないか。何で?」
「それは、その……兄上、いつももっとのんびりしてるだろ……? こんなにテキパキしているのは初めてで……」
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