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第5章~神々の国へ~
第99話
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「ああ、そうだ。さっきバルドル様に話をしたらヤドリギを持って行っていいって言ってくれたんだ。兄上、もしやることがないなら一緒に……」
次の瞬間、兄は素早く自分の背後に回り込み、愛刀を抜いて喉に当ててきた。冷たい切っ先が頸動脈に触れ、さすがに背筋がひやりとした。
「あ、兄上……一体何を……」
「今から私の質問に答えなさい。正直に答えないと首を刎ねるよ」
「は、はい……」
全くわけがわからなかったが、兄の迫力に圧されて頷くしかなかった。悪ふざけをしている様子はなかった。
淡々とした口調で、兄が尋ねてくる。
「お前はアクセルだよね?」
「そうだよ……それ以外の何に見えるんだ?」
「では何故ここにいる? お前は人質に出ていたはずだろう?」
「いや、今日はヴァルハラでパーティーが開かれるって言うから……ゲートが開いている間は自由に行き来していいってバルドル様が仰って……。兄上に会いたかったんで、俺も一緒にここまで来たんだ……」
「ふーん……? ところで、お前が飼っていたうさぎのピーちゃんは今どこにいる?」
「えっ……?」
うさぎのピーちゃんって、ピピのことを言っているのだろうか。唐突な話だ。しかも、また名前を間違って覚えている……。
アクセルはなるべく丁寧に答えた。
「……兄上、ピーちゃんじゃなくてピピだぞ。それに、飼っていたわけじゃないよ。山で偶然見つけて懐かれてしまったから便宜上名前をつけたけど、あれは特殊なうさぎだったから飼えないってわかって山に帰したんじゃないか。兄上も一緒にいただろう?」
「…………」
「というか、本当に何なんだ……。兄上、さっきからおかしいぞ」
次の瞬間、兄は素早く自分の背後に回り込み、愛刀を抜いて喉に当ててきた。冷たい切っ先が頸動脈に触れ、さすがに背筋がひやりとした。
「あ、兄上……一体何を……」
「今から私の質問に答えなさい。正直に答えないと首を刎ねるよ」
「は、はい……」
全くわけがわからなかったが、兄の迫力に圧されて頷くしかなかった。悪ふざけをしている様子はなかった。
淡々とした口調で、兄が尋ねてくる。
「お前はアクセルだよね?」
「そうだよ……それ以外の何に見えるんだ?」
「では何故ここにいる? お前は人質に出ていたはずだろう?」
「いや、今日はヴァルハラでパーティーが開かれるって言うから……ゲートが開いている間は自由に行き来していいってバルドル様が仰って……。兄上に会いたかったんで、俺も一緒にここまで来たんだ……」
「ふーん……? ところで、お前が飼っていたうさぎのピーちゃんは今どこにいる?」
「えっ……?」
うさぎのピーちゃんって、ピピのことを言っているのだろうか。唐突な話だ。しかも、また名前を間違って覚えている……。
アクセルはなるべく丁寧に答えた。
「……兄上、ピーちゃんじゃなくてピピだぞ。それに、飼っていたわけじゃないよ。山で偶然見つけて懐かれてしまったから便宜上名前をつけたけど、あれは特殊なうさぎだったから飼えないってわかって山に帰したんじゃないか。兄上も一緒にいただろう?」
「…………」
「というか、本当に何なんだ……。兄上、さっきからおかしいぞ」
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