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第5章~神々の国へ~

第55話

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 そういう意味でも、興味があった。

「楽しみですね、バルドル様」
「うん、とっても。早く来てくれないかなぁ」

 すぐにいらっしゃいますよ……と、アクセルは微笑んだ。

 頬を緩ませるバルドルが、少し兄に重なった。

***

 お昼頃になり、アクセルはバルドルに連れられて世界樹・ユグドラシルの元へ向かった。

「そろそろホズを迎えに行くよ。ついてきて」
「はあ、しかしお屋敷の掃除が全部済んでいないのですが……」
「そんなのいいよ。ホズを連れてくるのが先。さ、行こう行こう」

 背中を押され、仕方なく掃除用のエプロンを外す。そしてバルドルの後ろからついていくことにした。

 ホズが現れるゲートも、かつてアクセルがヴァルハラから来たのと同じように、世界樹ユグドラシルに出現するらしい。世界樹ユグドラシルはありとあらゆる世界に跨って生えている……という話はどうやら本当のようだ。

 どうせそこまで行くのなら……と、アクセルは兄への手紙を真新しいポストに投函した。

「そろそろかなぁ?」

 うずうずと世界樹ユグドラシルを眺めるバルドル。

 ――バルドル様、めっちゃはしゃいでる……。

 彼の喜びようにちょっと笑いそうになった。今の時点でこれでは、本物のホズが現れたらすっ飛んで行きそうだ。

 数分経って、世界樹ユグドラシルの根本が淡く光り始めた。光が伸び縮みして扉ほどの大きさになり、やがて中心が人型に輝く。

 ちょっと眩しい……と手を翳したら、すぐに明るさが収まって元の世界樹ユグドラシルに戻った。

 世界樹ユグドラシルの根本には、一人の青年が立っていた。

 次の瞬間、バルドルの顔が綻んだ。
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