522 / 2,690
第5章~神々の国へ~
第46話
しおりを挟む
――まあこれだけ雑だと、掃除する気力も失せるよな……。
しかもバルドルは一人暮らしだし。滅多にお客様も訪ねてこないから、「自分の生活スペースだけ綺麗ならいいや」と開き直ってしまう気持ちもわかる。
アクセルはちょっと苦笑いをこぼし、ポスト制作用に集めておいた道具を示した。
「それと、ノコギリややすりですけど、ボロボロでこのままでは使い物にならない状態でした。これは処分して新しいものを購入しますか? それとも、根気よく研ぎますか?」
「あー……そうだなぁ。きみが『研ぎたい』って言うなら研いでもいいけど。処分して新しいのを用意した方が絶対早いよね」
「それはもちろん」
「じゃあ、いい機会だし、古いものを全部処分して新しいものを仕入れようか。他に必要なものはある?」
「……たくさんあると思います。掃除道具とか」
「そ、そっか……。じゃあ必要なものをまとめておいてくれるかな。注文しておくから」
「はい、わかりました」
そう頷いたら、バルドルは微笑みながらアクセルの手を取った。そして話題を変えるように言った。
「それより、お昼ご飯できたよ。冷めないうちに食べよう。ほらほら」
「は、はい……。今行きます」
バルドルに引っ張られ、アクセルは食堂に向かった。
昼食に用意されていたのは、貝殻型のパスタだった。それがトマトソースに絡められており、上に粉チーズがふられている。かなり美味しそうだ。
しかもバルドルは一人暮らしだし。滅多にお客様も訪ねてこないから、「自分の生活スペースだけ綺麗ならいいや」と開き直ってしまう気持ちもわかる。
アクセルはちょっと苦笑いをこぼし、ポスト制作用に集めておいた道具を示した。
「それと、ノコギリややすりですけど、ボロボロでこのままでは使い物にならない状態でした。これは処分して新しいものを購入しますか? それとも、根気よく研ぎますか?」
「あー……そうだなぁ。きみが『研ぎたい』って言うなら研いでもいいけど。処分して新しいのを用意した方が絶対早いよね」
「それはもちろん」
「じゃあ、いい機会だし、古いものを全部処分して新しいものを仕入れようか。他に必要なものはある?」
「……たくさんあると思います。掃除道具とか」
「そ、そっか……。じゃあ必要なものをまとめておいてくれるかな。注文しておくから」
「はい、わかりました」
そう頷いたら、バルドルは微笑みながらアクセルの手を取った。そして話題を変えるように言った。
「それより、お昼ご飯できたよ。冷めないうちに食べよう。ほらほら」
「は、はい……。今行きます」
バルドルに引っ張られ、アクセルは食堂に向かった。
昼食に用意されていたのは、貝殻型のパスタだった。それがトマトソースに絡められており、上に粉チーズがふられている。かなり美味しそうだ。
0
お気に入りに追加
833
あなたにおすすめの小説
兄に嫌われてる弟ですが誤解が解けたら十数年分溺愛されました(完)
みかん畑
BL
王位継承権の関係で嫌われていた弟が兄を庇って女体化の呪いにかかった後のお話です。
ハッピーエンド保証。ジャンルは分かりません。甘々の溺愛系です。
微エロあり、ご注意を。
9/12 恋愛⇒BLに移しておきます。TSモノのBLなので苦手な方は回避お願いします。
9/18 本編完結済みですがたまにチマチマ更新します。
愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
つぎはぎのよる
伊達きよ
BL
同窓会の次の日、俺が目覚めたのはラブホテルだった。なんで、まさか、誰と、どうして。焦って部屋から脱出しようと試みた俺の目の前に現れたのは、思いがけない人物だった……。
同窓会の夜と次の日の朝に起こった、アレやソレやコレなお話。
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる