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第5章~神々の国へ~

第46話

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 ――まあこれだけ雑だと、掃除する気力も失せるよな……。

 しかもバルドルは一人暮らしだし。滅多にお客様も訪ねてこないから、「自分の生活スペースだけ綺麗ならいいや」と開き直ってしまう気持ちもわかる。

 アクセルはちょっと苦笑いをこぼし、ポスト制作用に集めておいた道具を示した。

「それと、ノコギリややすりですけど、ボロボロでこのままでは使い物にならない状態でした。これは処分して新しいものを購入しますか? それとも、根気よく研ぎますか?」
「あー……そうだなぁ。きみが『研ぎたい』って言うなら研いでもいいけど。処分して新しいのを用意した方が絶対早いよね」
「それはもちろん」
「じゃあ、いい機会だし、古いものを全部処分して新しいものを仕入れようか。他に必要なものはある?」
「……たくさんあると思います。掃除道具とか」
「そ、そっか……。じゃあ必要なものをまとめておいてくれるかな。注文しておくから」
「はい、わかりました」

 そう頷いたら、バルドルは微笑みながらアクセルの手を取った。そして話題を変えるように言った。

「それより、お昼ご飯できたよ。冷めないうちに食べよう。ほらほら」
「は、はい……。今行きます」

 バルドルに引っ張られ、アクセルは食堂に向かった。

 昼食に用意されていたのは、貝殻型のパスタだった。それがトマトソースに絡められており、上に粉チーズがふられている。かなり美味しそうだ。
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