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第5章~神々の国へ~

第22話

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 朝食の準備をするなら、彼が起きる時間に合わせなきゃ……と思ったのだが、バルドルは少し首をかしげて言った。

「きみはいつも何時に起きてるの? こっちに来たばかりで疲れてるだろうから、好きなだけ寝てていいよ」
「……え。いや、そういうわけには……」
「いいんだって。慣れるまでは無理しないで。それとも、きみはいつも早起きしてランニングでもしに行くタイプ?」
「あ、ええと……ヴァルハラにいた時はそういうこともしていましたが」
「そうなのか。じゃあ好きにするといいよ。屋敷の周りを走るなり、ポストまで行って帰って来るなり、好きなコースをランニングして来て。ちなみに、私は七時くらいには起きて朝食の準備を始めるから、よろしく」
「七時ですか……わかりました」

 じゃあ、六時前には起きて軽くランニングして、帰って来て汗を流して、一緒に朝食の支度をすればいいということか。

 ――ポストまでランニングするついでに、兄上にまた手紙を出しに行くかな。

 それで、朝食の後はバルドルに言われた仕事をして、可能ならばポストを作り直し、暇になったらルールブックを読んだりすればいい。他のことはこれから考えよう。

 夕食を平らげ、食器等を片付けて、アクセルは自室に戻った。そこで寝間着に着替え、ルールブックの続きを読んでいたら、不意に部屋をノックされた。

 ドアを開けたら、ラフな格好をしたバルドルが立っていた。彼の隣には小さなワゴンがあり、酒とグラス、簡単なつまみが用意されている。

「きみはお酒飲める? よかったら少しどう?」

 よかったら……も何も、最初から飲む気満々で用意してるじゃないか、とこっそり笑ってしまった。
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