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第4章~更なる力を求めて~

第88話*

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 欲しいか欲しくないかで言えば……当然のことながら、欲しい。兄に愛されることを想像しただけで下肢に熱が集まり、身体の奥がキュンキュン疼いてくる。

 とはいえ、それを正直に言うのは憚られた。赤くなった顔を見れば明らかなのだが、直接的な表現を口にするのは、未だにものすごく恥ずかしかった。

 アクセルは両手で顔を覆いながら、呟いた。

「……勘弁してくれ……」
「ふふ、可愛いなぁ。そういう初心な反応してくれるところ、大好きだよ。そのくせ抱いたらものすごくエッチなところも、たまらないよね」
「っ……!? そ、それは、兄上がそういう風に教育したから……!」
「うんうん、そうだよね。そういうことにしとこう」
「兄上っ……!」

 こちらをからかうように笑うと、兄はシャツの裾から手を突っ込んできた。服の下で素肌を撫で、鍛えられた腹筋の感覚を味わうと、更に手を伸ばして胸元を触って来る。

「っ……あ……」

 指先が突起に掠め、思わず甘い声が漏れた。掠めるだけでなく、くりくりと指先で捏ねられ、軽く引っ張られたりつねられたりした。

 そうされる度に身体がぴくぴく震えてしまい、はしたない声も抑えられなくなった。

「兄上……そこはいいって……」
「そう? でも触って欲しそうな色になってるよ」

 胸元までシャツを捲り上げられ、赤く腫れた乳首をまじまじと見られてしまう。

 さすがに恥ずかしくて、アクセルは捲れたシャツを掴んで元に戻そうとした。
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