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第4章~更なる力を求めて~
第70話
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――もう、これ以上は本当にヤバい……!
訓練前なのに息切れしてしまう。それどころか、官能に火がついて止められなくなってしまう。
兄上、頼むから離してくれ……と強く肩を叩いたら、ようやく兄の唇が離れた。
アクセルは肩で荒っぽい息を吐き、よろよろと兄にもたれかかった。
「はあ……はあ……」
「ふふ、可愛い。やっぱりお前は最高だね、アクセル」
「もう、兄上ぇ……」
なんでこんなこと、と言外に非難したら、ジークが眉を顰めて言った。
「おいフレイン……。そんなラブラブっぷりを見せつけるんだったら俺は帰るぞ」
「ごめんね。この子が不安がるものだから」
「不安がるってなんだよ。お前さんたちの間には誰も入っていけないだろ」
「きみもそう思う? 私もそう思ってるんだけど、この子はちょっと心配性で。自分がいない間、きみと私が浮気するんじゃないかってずーっと心配してるんだ」
そんなこと本人を前に言っていいのか。内心ヒヤヒヤしていたら、ジークは呆れたように腕を組んだ。
「なんだそれ。弟くんは変なところ心配するんだな。それよか自分の心配した方がいいと思うぞ」
「ねー? 私もそう思うんだけど自分のことは無関心というか、すごく無防備なんだよね」
「だろうな。そんな能天気で大丈夫なのかね?」
「の、能天気って……」
そんな風に言われたのは初めてだ。自分では、どちらかというとしっかり者だと思っているので、「能天気」や「無防備」みたいな言葉とは縁遠いはずなのだが。
訓練前なのに息切れしてしまう。それどころか、官能に火がついて止められなくなってしまう。
兄上、頼むから離してくれ……と強く肩を叩いたら、ようやく兄の唇が離れた。
アクセルは肩で荒っぽい息を吐き、よろよろと兄にもたれかかった。
「はあ……はあ……」
「ふふ、可愛い。やっぱりお前は最高だね、アクセル」
「もう、兄上ぇ……」
なんでこんなこと、と言外に非難したら、ジークが眉を顰めて言った。
「おいフレイン……。そんなラブラブっぷりを見せつけるんだったら俺は帰るぞ」
「ごめんね。この子が不安がるものだから」
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「きみもそう思う? 私もそう思ってるんだけど、この子はちょっと心配性で。自分がいない間、きみと私が浮気するんじゃないかってずーっと心配してるんだ」
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「の、能天気って……」
そんな風に言われたのは初めてだ。自分では、どちらかというとしっかり者だと思っているので、「能天気」や「無防備」みたいな言葉とは縁遠いはずなのだが。
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