転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第4章~更なる力を求めて~

第40話(フレイン視点)

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 ――それで、一体どこに送られるんだろう?

 フレインは中に入っていた何枚かの手紙を取り出し、さっと目を通した。面倒くさい契約書よろしく細々こまごました説明が書かれており、見ただけで読むのが億劫になった。

 その中から、苦労して弟の行き先を探し出した結果……。

 ――おや、これは……?

 あまりに意外で二度見してしまった。弟の行き先は、アース神族を代表する神・バルドルのところだった。神々の中で最も賢明で美しく、光り輝く美貌を持ち、雄弁で優しいと言われている。

 ――ええ~……? これ本当?

 どうにも信じられず、フレインは顔を上げてチェイニーを見た。

「ねえ。この書類、名前が間違ってるってことある?」
「ないと思います。ヴァルキリーたちが検閲しているものですし、公的な文書に誤字脱字があったことは一度もなかったかと」
「だよねぇ……」

 フレインは再び手紙に目を落とした。何度見ても「光の神・バルドル」と書かれており、以後もずっと「バルドル」と表記されていた。誤字ではなさそうだった。

 ――ヴァン神族の誰かに送られるならわかるけど、何でアース神族に……?

 ヴァルハラはアース神族側にある。アース神族の主神・オーディンの眷属なのだから当然だ。つまり人質がアース神族の元に行くということは、身内同士で人質を交換しあっているのと同じである。

 人質はヴァン神族と交換するのではなかったのか。身内同士で人質交換なんて、そんなことをする意味があるのか。何のためにこんなことをしているのか。

 ――神々のことだから、何か裏があるんじゃないの?
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