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第4章~更なる力を求めて~
第33話
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「兄上、眠い……」
「そうだよね。早く帰ろうか。家まで送っていってあげるよ」
「……俺の家じゃなくていい……。兄上の家がいい……」
「おや、そうかい? じゃあ私の家に行こうか」
「ん……」
ふらふらしながら、アクセルは兄と一緒に山を下りた。足元が怪しかったので、見かねた兄が腕を貸してくれた。その気遣いもありがたかった。
「兄上……」
今思えば、疲れているからこそ、何も考えずに素直に聞けたのかもしれない。
アクセルは呟くように尋ねた。
「あなたは……俺の兄だよな……?」
「えっ?」
「俺たち、正真正銘の兄弟だよな……?」
「何言ってるの? 当たり前じゃないか」
「そうか……そうだよな……よかった……」
それを聞いて安心した。やはり幻聴は幻聴だったのだ。あれは全部嘘だったのだ。鵜呑みにして信じなくてよかった……。
「洞窟でそういう幻聴でも聞いたのかい?」
「ああ……とても嫌なことを言われた……。幻聴だとわかっていても不快だった……」
「そっか……。でも、ちゃんと耐えられたんだから偉いよ。またひとつ強くなったね」
「……だといいな……」
耐えられたというより、「開き直って逃げてきた」に近いかもしれないが。
――どのくらい強くなったか、後で兄上に試してもらいたいな……。
まずはゆっくり休んでから。アクセルはほとんど無心状態で、兄の家までついて行った。
「そうだよね。早く帰ろうか。家まで送っていってあげるよ」
「……俺の家じゃなくていい……。兄上の家がいい……」
「おや、そうかい? じゃあ私の家に行こうか」
「ん……」
ふらふらしながら、アクセルは兄と一緒に山を下りた。足元が怪しかったので、見かねた兄が腕を貸してくれた。その気遣いもありがたかった。
「兄上……」
今思えば、疲れているからこそ、何も考えずに素直に聞けたのかもしれない。
アクセルは呟くように尋ねた。
「あなたは……俺の兄だよな……?」
「えっ?」
「俺たち、正真正銘の兄弟だよな……?」
「何言ってるの? 当たり前じゃないか」
「そうか……そうだよな……よかった……」
それを聞いて安心した。やはり幻聴は幻聴だったのだ。あれは全部嘘だったのだ。鵜呑みにして信じなくてよかった……。
「洞窟でそういう幻聴でも聞いたのかい?」
「ああ……とても嫌なことを言われた……。幻聴だとわかっていても不快だった……」
「そっか……。でも、ちゃんと耐えられたんだから偉いよ。またひとつ強くなったね」
「……だといいな……」
耐えられたというより、「開き直って逃げてきた」に近いかもしれないが。
――どのくらい強くなったか、後で兄上に試してもらいたいな……。
まずはゆっくり休んでから。アクセルはほとんど無心状態で、兄の家までついて行った。
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