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第3章~新たなる試練~
第246話
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「そうだねぇ……。私もお前とまた死合いたいけど、こればかりは完全ランダムだから、どうにも」
「希望とか出せないんだろうか」
「出せても通らないと思うなぁ……。死合いは一応、ヴァルキリーたちが不公平にならないよう綿密にスケジュールを組んでいるらしいから」
「? ランダムじゃないのか?」
「正確には『法則がわからない』と言った方が正しいかなぁ」
と、兄がこちらの唇をなぞってくる。
「お前がこっちに来る前、ジークやユーベルと一緒に『何か法則があるんじゃないか』って死合いの組み合わせを調べてみたことがあるんだ。でも、何となくの傾向は読めてもハッキリした法則はわからなかった。死合いの組み合わせを正確に予想するのは不可能だった」
「そうなのか……。ちなみに、何となくの傾向とは?」
「んー……何というかな、『自分とあまりにもランクが離れている人とぶつかった時は、しばらくその周辺ランクとの死合いがなくなる』とか。今お前は三十……何位だっけ?」
「三十五位だよ、兄上」
「そうそう、三十五位。……で、つい最近当たったのは下位ランカーで……ええと、真ん中くらいだったっけ?」
「……非常にざっくりしているが、まあその辺りだな」
相変わらず、兄は細かいランクを全く覚えてくれない。覚えようと思えば覚えられるはずなのに、覚える気がないのだ。
他の戦士のランクはともかく、弟のランクくらい正確に覚えていて欲しいのだが……。
「希望とか出せないんだろうか」
「出せても通らないと思うなぁ……。死合いは一応、ヴァルキリーたちが不公平にならないよう綿密にスケジュールを組んでいるらしいから」
「? ランダムじゃないのか?」
「正確には『法則がわからない』と言った方が正しいかなぁ」
と、兄がこちらの唇をなぞってくる。
「お前がこっちに来る前、ジークやユーベルと一緒に『何か法則があるんじゃないか』って死合いの組み合わせを調べてみたことがあるんだ。でも、何となくの傾向は読めてもハッキリした法則はわからなかった。死合いの組み合わせを正確に予想するのは不可能だった」
「そうなのか……。ちなみに、何となくの傾向とは?」
「んー……何というかな、『自分とあまりにもランクが離れている人とぶつかった時は、しばらくその周辺ランクとの死合いがなくなる』とか。今お前は三十……何位だっけ?」
「三十五位だよ、兄上」
「そうそう、三十五位。……で、つい最近当たったのは下位ランカーで……ええと、真ん中くらいだったっけ?」
「……非常にざっくりしているが、まあその辺りだな」
相変わらず、兄は細かいランクを全く覚えてくれない。覚えようと思えば覚えられるはずなのに、覚える気がないのだ。
他の戦士のランクはともかく、弟のランクくらい正確に覚えていて欲しいのだが……。
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