転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第3章~新たなる試練~

第189話

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「その……助けてくれてありがとうございました。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「……ありゃ? 何でそんな他人行儀なの? 戦闘中に変なところに頭ぶつけた?」
「そっ……」

 あまりにいつも通りの口調で言われ、逆に拍子抜けしてしまった。なんだその言い草は。こっちはあなたの怒りを買わないよう、かなり気を遣ったつもりなのに。

 やや眉を顰め、アクセルは地面に投げ捨てるように言う。

「……兄上は、俺のこと怒ってるんだろう?」
「あー……あれか。えっと、何というかね、説明すると長くなるんだけど……」
「……? どういうことだ?」

 歯切れの悪い兄を訝しんでいると、ユーベルの他にジークとミューが、とある三人組を連れてやってきた。両手にお縄を頂戴しているのは、ウルフ、ビラク、それにロシェだった。

「おーい、フレイン。こいつらどうするよ?」
「許可してくれたら、今すぐ三人まとめて首落としてあげるよー」

 ジークが縄を持ち、ミューが嬉々として大鎌を構えている。

 ますますわけがわからなくなったアクセルに、兄は苦笑して答えた。

「あのロシェってやつが最近やたらとお前に近づいてくるから、どうもおかしいなと思っていろいろ様子を窺っていたんだ。ジークたちにも手伝ってもらってね」
「え……そうなのか?」

 兄とジークたちを交互に見たら、ミューが「うんうん」と頷いてくれた。

 再度兄を見返し、口を開く。

「様子を窺っていたって、一体どういう……?」
「要するに、一度お前と距離をとって隙を窺っていたんだよ」
「えっ……?」

 思わず目が丸くなる。兄は続けて言った。
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