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第3章~新たなる試練~
第174話
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「ほら、ピピ。ゴネてないで帰るぞ。こんな寝床でよければ持ってっていいから」
「ぴー!」
「いや、俺だってずっと飼っていたいけど、きみ、最終的にはカンガルーより大きくなっちゃうんだろ? そんなに大きくなっちゃったら、この家にいるには狭すぎるよ。ピピだって手足を伸ばせずにいるのは嫌だろ?」
「ぴー……」
再びしょぼーんと耳を垂らしてしまったピピを、アクセルは寝床ごと抱き上げた。そして優しく撫でながら言った。
「俺のランクがもっと上がって、もっと大きな家に住めるようになったら、広い庭付きの家を建てるよ。ピピが自由に飛び跳ねても大丈夫なくらい広い庭だ。そしたら一緒に住もう、な?」
「……ぴー」
「だから少しの間だけ我慢してくれ。俺、もっと鍛錬頑張るから。約束する」
「…………」
ピピがじっとこちらを見つめてきた。アクセルもピピを見下ろした。
垂れていた耳をぴんと伸ばし、一言こう鳴いてくる。
「アクセル、すき」
「ああ、俺も好きだよ」
「アクセル、すき」
「ありがとう、ピピ。きみがいてくれて本当によかった」
これはアクセルの本心だ。ピピがいてくれなかったら、昨日アクセルは兄に突き放されたまま、ずっと立ち直れずにいたと思う。ピピがいたから気が紛れたし、木彫りという趣味を見つけることもできたのだ。
そういう意味では、感謝してもしきれない。
「ぴー!」
「いや、俺だってずっと飼っていたいけど、きみ、最終的にはカンガルーより大きくなっちゃうんだろ? そんなに大きくなっちゃったら、この家にいるには狭すぎるよ。ピピだって手足を伸ばせずにいるのは嫌だろ?」
「ぴー……」
再びしょぼーんと耳を垂らしてしまったピピを、アクセルは寝床ごと抱き上げた。そして優しく撫でながら言った。
「俺のランクがもっと上がって、もっと大きな家に住めるようになったら、広い庭付きの家を建てるよ。ピピが自由に飛び跳ねても大丈夫なくらい広い庭だ。そしたら一緒に住もう、な?」
「……ぴー」
「だから少しの間だけ我慢してくれ。俺、もっと鍛錬頑張るから。約束する」
「…………」
ピピがじっとこちらを見つめてきた。アクセルもピピを見下ろした。
垂れていた耳をぴんと伸ばし、一言こう鳴いてくる。
「アクセル、すき」
「ああ、俺も好きだよ」
「アクセル、すき」
「ありがとう、ピピ。きみがいてくれて本当によかった」
これはアクセルの本心だ。ピピがいてくれなかったら、昨日アクセルは兄に突き放されたまま、ずっと立ち直れずにいたと思う。ピピがいたから気が紛れたし、木彫りという趣味を見つけることもできたのだ。
そういう意味では、感謝してもしきれない。
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