転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第3章~新たなる試練~

第154話

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「そんな風に……目障りだなんて、思ってたら……わざわざヴァルハラに来たりしない……。兄上のことが好きだから……また兄上に会いたかったから……あなたがいなくなってからも、ずっと一人で、努力してきたのに……」
「…………」
「本当にすまない……俺が全部悪かった……。でも俺は……兄上のこと、昔からずっと大好きだ……それだけは、神に誓って本当だ……」

 言っているうちに、どんどん胸が苦しくなってきた。こらえきれず、ぽろりと涙がこぼれた。

 ――こんなことになるなら、ハチミツなんて採りに行かなければよかった……。

 意地を張らないで素直に留守番しておけばよかった。普通の狩りにしておけばよかった。狩りじゃなくて、買い物や鍛錬にしておけばよかった。そうすれば、いつも通り仲良く二人で過ごせていたのに……。

 様々な後悔の念に苛まれていると、兄が苛立たしげに前髪を掻き上げた。

「……うんざりなんだよね、そういうの」
「えっ……?」
「十一歳も年下の弟に泣いて謝られたら、私は許すしかないじゃない。例え内心では許したくなくても、お兄ちゃんだったら『いいよ』って言うしかないじゃない。そういうの、卑怯だと思わない?」
「そっ……」
「残念だけど、今の私はとっても傷ついている。とてもじゃないけど、泣き落としで許してあげられるような気分じゃないんだ。……だから、しばらく距離をとろう」
「……えっ? それはどういう……?」
「しばらくお前とは会わない。会話もしない。お互い冷静になって、それでも以前みたいに仲良くしたいと思ったら、その時に仲直りしよう」
「は……?」
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