転生したらいろんな意味で兄に可愛がられています~ヴァルハラで死合いましょう~

夢咲まゆ

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第3章~新たなる試練~

第69話※

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 兄はその全てを太刀で防ぎ、一瞬の隙を突いて胴を横に薙ぎ払った。ランゴバルトの鎧が割れ、腹部から血しぶきが飛んだ。

 だが狂戦士モードで痛みを感じないランドバルトは、その程度では怯まない。長戟を突き出すのと同時にガラ空きの足元を狙って蹴り上げた。

 兄はとっさに距離をとったが、ランゴバルトの間合いから抜け出した瞬間、両肩から鮮血が噴き出した。

「おお……さすがだね……」
「ふん……穂先を防いだ程度で俺の攻撃が防げると思うな」

 長戟をふるう度にその周りの空気も刃となり、相手を切り裂く。そんな芸当ができるなんて、さすがにランキング二位の実力は本物のようだ。

 死合いにおいて――特にどちらも狂戦士モードに入ってしまった場合は、攻撃を防ぐことはあまり意味がないのかもしれない。痛みに怯まない限り身体の動きが鈍くなることもなく、そうであるならば、如何に相手を戦闘不能にさせるかが全てとなる。

 戦闘不能とみなされるのは、四肢が吹き飛んでしまった場合や、首が刎ねられた場合である。痛みは感じなくても首を刎ねてしまえば相手は死ぬ。だからランゴバルトも、兄の喉を執拗に狙ってくるわけだ。

 ――さあ、どうする……兄上?

 ランゴバルトの首も分厚い鎧で覆われている。となれば四肢を切断するしかないのだが、あのランゴバルトがそこまでの隙を見せるとも思えない。

 だから余計に、兄がどうやって相手を攻めてくれるのか、楽しみで仕方がない。
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