192 / 2,774
第3章~新たなる試練~
第69話※
しおりを挟む
兄はその全てを太刀で防ぎ、一瞬の隙を突いて胴を横に薙ぎ払った。ランゴバルトの鎧が割れ、腹部から血しぶきが飛んだ。
だが狂戦士モードで痛みを感じないランドバルトは、その程度では怯まない。長戟を突き出すのと同時にガラ空きの足元を狙って蹴り上げた。
兄はとっさに距離をとったが、ランゴバルトの間合いから抜け出した瞬間、両肩から鮮血が噴き出した。
「おお……さすがだね……」
「ふん……穂先を防いだ程度で俺の攻撃が防げると思うな」
長戟をふるう度にその周りの空気も刃となり、相手を切り裂く。そんな芸当ができるなんて、さすがにランキング二位の実力は本物のようだ。
死合いにおいて――特にどちらも狂戦士モードに入ってしまった場合は、攻撃を防ぐことはあまり意味がないのかもしれない。痛みに怯まない限り身体の動きが鈍くなることもなく、そうであるならば、如何に相手を戦闘不能にさせるかが全てとなる。
戦闘不能とみなされるのは、四肢が吹き飛んでしまった場合や、首が刎ねられた場合である。痛みは感じなくても首を刎ねてしまえば相手は死ぬ。だからランゴバルトも、兄の喉を執拗に狙ってくるわけだ。
――さあ、どうする……兄上?
ランゴバルトの首も分厚い鎧で覆われている。となれば四肢を切断するしかないのだが、あのランゴバルトがそこまでの隙を見せるとも思えない。
だから余計に、兄がどうやって相手を攻めてくれるのか、楽しみで仕方がない。
だが狂戦士モードで痛みを感じないランドバルトは、その程度では怯まない。長戟を突き出すのと同時にガラ空きの足元を狙って蹴り上げた。
兄はとっさに距離をとったが、ランゴバルトの間合いから抜け出した瞬間、両肩から鮮血が噴き出した。
「おお……さすがだね……」
「ふん……穂先を防いだ程度で俺の攻撃が防げると思うな」
長戟をふるう度にその周りの空気も刃となり、相手を切り裂く。そんな芸当ができるなんて、さすがにランキング二位の実力は本物のようだ。
死合いにおいて――特にどちらも狂戦士モードに入ってしまった場合は、攻撃を防ぐことはあまり意味がないのかもしれない。痛みに怯まない限り身体の動きが鈍くなることもなく、そうであるならば、如何に相手を戦闘不能にさせるかが全てとなる。
戦闘不能とみなされるのは、四肢が吹き飛んでしまった場合や、首が刎ねられた場合である。痛みは感じなくても首を刎ねてしまえば相手は死ぬ。だからランゴバルトも、兄の喉を執拗に狙ってくるわけだ。
――さあ、どうする……兄上?
ランゴバルトの首も分厚い鎧で覆われている。となれば四肢を切断するしかないのだが、あのランゴバルトがそこまでの隙を見せるとも思えない。
だから余計に、兄がどうやって相手を攻めてくれるのか、楽しみで仕方がない。
0
お気に入りに追加
843
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた
マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。
主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。
しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。
平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。
タイトルを変えました。
前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。
急に変えてしまい、すみません。

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。

転生したら弟がブラコン重傷者でした!!!
Lynne
BL
俺の名前は佐々木塁、元高校生だ。俺は、ある日学校に行く途中、トラックに轢かれて死んでしまった...。
pixivの方でも、作品投稿始めました!
名前やアイコンは変わりません
主にアルファポリスで投稿するため、更新はアルファポリスのほうが早いと思います!
ド平凡な俺が全員美形な四兄弟からなぜか愛され…執着されているらしい
パイ生地製作委員会
BL
それぞれ別ベクトルの執着攻め4人×平凡受け
★一言でも感想・質問嬉しいです:https://marshmallow-qa.com/8wk9xo87onpix02?t=dlOeZc&utm_medium=url_text&utm_source=promotion
更新報告用のX(Twitter)をフォローすると作品更新に早く気づけて便利です
X(旧Twitter): https://twitter.com/piedough_bl
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる