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第3章~新たなる試練~
第10話(アクセル~フレイン視点)
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「……ねえアクセル。フレイン様って結構ヤキモチ焼きだったりする?」
「は? 兄上が? 何故?」
「いやね、にこにこしているようで目は全然笑ってなかったからさ」
「えっ……?」
「オレがアクセルに抱きついたから、嫉妬しちゃったのかな。意外と独占欲強いんだね、あの人」
「いや、そんなことは……」
兄上が嫉妬? 友達に抱きつかれたくらいで? とてもそんな風には見えない。
――というか、むしろヤキモチ焼きたいのは俺の方なんだが……。
アクセルがこっちに来てからは誰ともやっていない……なんて言っていたけれど、あの調子じゃいつまた男漁りに出掛けてしまうとも限らない。本当は常に見張っていたいくらいなのに、鍛錬や仕事が重なってしまったら一緒にいることはできない。そこがまた歯痒い。
兄に追いついたら追いついたで、心配の種は減らないのかも……と思いつつ、アクセルは仕事に向かった。
***
死合い会場の出入口で、フレインは軽く髪を掻き上げた。横目に、先程倒したばかりの対戦相手が運ばれているのが見えたが、何という名前だったかもう覚えていない。
今日の死合いは一瞬で終わってしまった。自分から動くのも面倒だったので、向かってきた相手にカウンターがてら抜刀したら、あっさりと首と胴体が離れてしまった。返り血も浴びず、ほとんど動くこともなくて、観戦している人もつまらなかったことだろう。
――やっぱり1000位程度じゃ相手にならないな……。
どうせ戦うなら、もっと楽しい死合いをしたいものだ。今のアクセルとならいい勝負になると思うのだが、こればかりは完全ランダムなので、当たることをお祈りするしかない。
「は? 兄上が? 何故?」
「いやね、にこにこしているようで目は全然笑ってなかったからさ」
「えっ……?」
「オレがアクセルに抱きついたから、嫉妬しちゃったのかな。意外と独占欲強いんだね、あの人」
「いや、そんなことは……」
兄上が嫉妬? 友達に抱きつかれたくらいで? とてもそんな風には見えない。
――というか、むしろヤキモチ焼きたいのは俺の方なんだが……。
アクセルがこっちに来てからは誰ともやっていない……なんて言っていたけれど、あの調子じゃいつまた男漁りに出掛けてしまうとも限らない。本当は常に見張っていたいくらいなのに、鍛錬や仕事が重なってしまったら一緒にいることはできない。そこがまた歯痒い。
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***
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今日の死合いは一瞬で終わってしまった。自分から動くのも面倒だったので、向かってきた相手にカウンターがてら抜刀したら、あっさりと首と胴体が離れてしまった。返り血も浴びず、ほとんど動くこともなくて、観戦している人もつまらなかったことだろう。
――やっぱり1000位程度じゃ相手にならないな……。
どうせ戦うなら、もっと楽しい死合いをしたいものだ。今のアクセルとならいい勝負になると思うのだが、こればかりは完全ランダムなので、当たることをお祈りするしかない。
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