131 / 2,773
第3章~新たなる試練~
第8話
しおりを挟む
他愛のない話をしながら朝食をとり、片付けをした後二人で世界樹に向かった。ランキングが書かれている掲示板、今後の死合いスケジュール、見回り等の当番予定がズラッと張り出されている。
ケイジが言っていた通り、兄・フレインのランキングは七位に下がっており、代わりに四位のユーベルや五位のジークがそれぞれひとつずつ繰り上がっていた。
――確かに、上位七名は全くメンツが変わっていないな……。
七人の中でランキングを入れ替えているだけ、という印象だ。兄の言っていた通り、一位と二位はともかく、三位~七位の戦士は実力的にもほとんど差がないのかもしれない。
「ねえアクセル、見て」
兄が掲示板の更に下を示してくる。七位から下に視線を移動させ、三〇番代を見た時、自分の名前を発見した。
「三十五位……」
「ふふ、また上がったね。おめでとう」
パチパチと兄が軽い拍手を送ってくる。目標にはまだ遠いが、四〇番代から三〇番代に上がっていてホッとした。
「ア・ク・セ・ル!」
突然後ろから飛びつかれ、思わず前につんのめった。チェイニーが上機嫌に話しかけてきた。
「おはようアクセル! またランク上がってたね! 三十五位おめでとー!」
「あ、ありがとう……」
「あ、でもそんなにランク上がっちゃうと、もうタメ語で話せなくなっちゃうかな。『様』とかつけた方がいい?」
「いや、そのままでいいよ。『様』なんて柄じゃないし、今更かしこまられても調子が狂う」
「へへ、じゃあ遠慮なく。アクセルはランク上がっても全然威張らないから好き」
「そりゃあ、俺は俺だし……」
ケイジが言っていた通り、兄・フレインのランキングは七位に下がっており、代わりに四位のユーベルや五位のジークがそれぞれひとつずつ繰り上がっていた。
――確かに、上位七名は全くメンツが変わっていないな……。
七人の中でランキングを入れ替えているだけ、という印象だ。兄の言っていた通り、一位と二位はともかく、三位~七位の戦士は実力的にもほとんど差がないのかもしれない。
「ねえアクセル、見て」
兄が掲示板の更に下を示してくる。七位から下に視線を移動させ、三〇番代を見た時、自分の名前を発見した。
「三十五位……」
「ふふ、また上がったね。おめでとう」
パチパチと兄が軽い拍手を送ってくる。目標にはまだ遠いが、四〇番代から三〇番代に上がっていてホッとした。
「ア・ク・セ・ル!」
突然後ろから飛びつかれ、思わず前につんのめった。チェイニーが上機嫌に話しかけてきた。
「おはようアクセル! またランク上がってたね! 三十五位おめでとー!」
「あ、ありがとう……」
「あ、でもそんなにランク上がっちゃうと、もうタメ語で話せなくなっちゃうかな。『様』とかつけた方がいい?」
「いや、そのままでいいよ。『様』なんて柄じゃないし、今更かしこまられても調子が狂う」
「へへ、じゃあ遠慮なく。アクセルはランク上がっても全然威張らないから好き」
「そりゃあ、俺は俺だし……」
0
お気に入りに追加
844
あなたにおすすめの小説

弟のために悪役になる!~ヒロインに会うまで可愛がった結果~
荷居人(にいと)
BL
BL大賞20位。読者様ありがとうございました。
弟が生まれた日、足を滑らせ、階段から落ち、頭を打った俺は、前世の記憶を思い出す。
そして知る。今の自分は乙女ゲーム『王座の証』で平凡な顔、平凡な頭、平凡な運動能力、全てに置いて普通、全てに置いて完璧で優秀な弟はどんなに後に生まれようと次期王の継承権がいく、王にふさわしい赤の瞳と黒髪を持ち、親の愛さえ奪った弟に恨みを覚える悪役の兄であると。
でも今の俺はそんな弟の苦労を知っているし、生まれたばかりの弟は可愛い。
そんな可愛い弟が幸せになるためにはヒロインと結婚して王になることだろう。悪役になれば死ぬ。わかってはいるが、前世の後悔を繰り返さないため、将来処刑されるとわかっていたとしても、弟の幸せを願います!
・・・でもヒロインに会うまでは可愛がってもいいよね?
本編は完結。番外編が本編越えたのでタイトルも変えた。ある意味間違ってはいない。可愛がらなければ番外編もないのだから。
そしてまさかのモブの恋愛まで始まったようだ。
お気に入り1000突破は私の作品の中で初作品でございます!ありがとうございます!
2018/10/10より章の整理を致しました。ご迷惑おかけします。
2018/10/7.23時25分確認。BLランキング1位だと・・・?
2018/10/24.話がワンパターン化してきた気がするのでまた意欲が湧き、書きたいネタができるまでとりあえず完結といたします。
2018/11/3.久々の更新。BL小説大賞応募したので思い付きを更新してみました。

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた
マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。
主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。
しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。
平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。
タイトルを変えました。
前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。
急に変えてしまい、すみません。

ある日、人気俳優の弟になりました。
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。

言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる