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第3章~新たなる試練~
第7話
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「……ごめんよ、私が悪かった。今月は真面目に戦う。三位に戻れるよう頑張るから」
「本当か?」
「本当だって。これ以上弟をがっかりさせたくないしね」
首をひねって振り返ったら、宥めるように軽くキスされた。
にっこり笑って兄が言う。
「ご飯食べたら一緒に掲示板見に行こう。お前は何位まで上がったんだろうね。楽しみだな」
「……まったく、呑気な兄上だ」
これ以上怒ることもできなくなり、アクセルは苦笑しながら朝食を作った。食材をいろいろ買い込んでおいたので、昨日の夕食よりはいいものが作れそうだ。
「簡単なものでいいよ。なんなら、シリアルにミルクでもいいし」
「それじゃ死合いで戦えないだろう」
「大丈夫だって。私が本気で戦う相手とは滅多に当たらないからさ」
「……そうやって油断してると、足元すくわれるぞ」
兄の意見は無視して、アクセルは目玉焼きやサラダ、スープ、トースト等を一通り作った。朝食はしっかりとるのがアクセルの習慣だ。食事と睡眠をしっかりとるだけで、十分身体は丈夫になる。厳しい鍛錬に丈夫な身体は欠かせない。
「わあ……こんなちゃんとした朝食、何年ぶりだろ」
その発言を聞いて、一刻も早く兄と同棲しなければならないなと思った。この兄は、放っておいたらどこまでもだらしない生活をしそうで恐ろしい。
「それで、兄上と一緒に暮らすには具体的に何位になればいいんだ?」
「ええと……何位だったかな? その辺のことはもうちょっと詳しい人に聞いた方がいいと思うけど」
「……まあそうか。ジーク様にでも聞けばわかるか」
「本当か?」
「本当だって。これ以上弟をがっかりさせたくないしね」
首をひねって振り返ったら、宥めるように軽くキスされた。
にっこり笑って兄が言う。
「ご飯食べたら一緒に掲示板見に行こう。お前は何位まで上がったんだろうね。楽しみだな」
「……まったく、呑気な兄上だ」
これ以上怒ることもできなくなり、アクセルは苦笑しながら朝食を作った。食材をいろいろ買い込んでおいたので、昨日の夕食よりはいいものが作れそうだ。
「簡単なものでいいよ。なんなら、シリアルにミルクでもいいし」
「それじゃ死合いで戦えないだろう」
「大丈夫だって。私が本気で戦う相手とは滅多に当たらないからさ」
「……そうやって油断してると、足元すくわれるぞ」
兄の意見は無視して、アクセルは目玉焼きやサラダ、スープ、トースト等を一通り作った。朝食はしっかりとるのがアクセルの習慣だ。食事と睡眠をしっかりとるだけで、十分身体は丈夫になる。厳しい鍛錬に丈夫な身体は欠かせない。
「わあ……こんなちゃんとした朝食、何年ぶりだろ」
その発言を聞いて、一刻も早く兄と同棲しなければならないなと思った。この兄は、放っておいたらどこまでもだらしない生活をしそうで恐ろしい。
「それで、兄上と一緒に暮らすには具体的に何位になればいいんだ?」
「ええと……何位だったかな? その辺のことはもうちょっと詳しい人に聞いた方がいいと思うけど」
「……まあそうか。ジーク様にでも聞けばわかるか」
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