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第2章~溢れる想い~
第5話※
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――本当に大丈夫なのかな、この子……。
いざとなったら俺が守ってやらないと……と思いつつ、アクセルは小太刀の柄を握り締めた。これでいつでも抜刀できる。
「皆々様! 今宵はわたくしユーベルの剣の舞をとくとご覧あれ!」
芝居がかったお辞儀をし、ユーベルが銀色のリボンのようなものを取り出した。海外の踊り子が小道具として使うようなリボンである。
――なんだ、あの武器……?
あれじゃ何も斬れなさそうだが……と思っていると、宴の空気に緊張が走った。その場にいた戦士たちが全員身構え、雑談の声も聞こえなくなる。
ユーベルが動いた。リボンを持った腕を振り上げ、軽くステップを踏みながら振り下ろす。同時にリボンも華麗に舞い、周りのテーブルや食器に触れていく。
「っ……!?」
リボンが触れた食器が真っ二つに割れた。テーブルにも切り傷がつき、床にも刃物を叩きつけたような傷がついた。
――違う、これは……!
踊り子のリボンではなかった。リボンのように薄く鍛鉄(たんてつ)した剣だった。鞭みたいにしなやかに動き、少し手首を返すだけで剣の軌道が一変する。その軌道上にいた戦士たちは、ことごとく斬られて血飛沫を上げていた。
ユーベルの舞が始まった途端、穏やかな宴が血みどろの惨劇へとすり替わった。
「さあ、まだまだ行きますよ!」
ユーベルが嬉々としてこちらに迫ってくる。煌びやかな衣装を纏いながら、剣の鞭を振り回してくる。周囲に血が飛び散っても、その姿には一切の汚れがなかった。
こんなに優雅に美しく周りを斬っていくのは、兄以外では初めてかもしれない。
いざとなったら俺が守ってやらないと……と思いつつ、アクセルは小太刀の柄を握り締めた。これでいつでも抜刀できる。
「皆々様! 今宵はわたくしユーベルの剣の舞をとくとご覧あれ!」
芝居がかったお辞儀をし、ユーベルが銀色のリボンのようなものを取り出した。海外の踊り子が小道具として使うようなリボンである。
――なんだ、あの武器……?
あれじゃ何も斬れなさそうだが……と思っていると、宴の空気に緊張が走った。その場にいた戦士たちが全員身構え、雑談の声も聞こえなくなる。
ユーベルが動いた。リボンを持った腕を振り上げ、軽くステップを踏みながら振り下ろす。同時にリボンも華麗に舞い、周りのテーブルや食器に触れていく。
「っ……!?」
リボンが触れた食器が真っ二つに割れた。テーブルにも切り傷がつき、床にも刃物を叩きつけたような傷がついた。
――違う、これは……!
踊り子のリボンではなかった。リボンのように薄く鍛鉄(たんてつ)した剣だった。鞭みたいにしなやかに動き、少し手首を返すだけで剣の軌道が一変する。その軌道上にいた戦士たちは、ことごとく斬られて血飛沫を上げていた。
ユーベルの舞が始まった途端、穏やかな宴が血みどろの惨劇へとすり替わった。
「さあ、まだまだ行きますよ!」
ユーベルが嬉々としてこちらに迫ってくる。煌びやかな衣装を纏いながら、剣の鞭を振り回してくる。周囲に血が飛び散っても、その姿には一切の汚れがなかった。
こんなに優雅に美しく周りを斬っていくのは、兄以外では初めてかもしれない。
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