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第1章~あなたを目指して~
第30話
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「まあいい。ついて来たいヤツは勝手にしろ。俺は一人で行くぞ」
「……!?」
はあ? と思い、ランゴバルトを見上げる。一人で行くとか、どれだけ自信があるんだ……と呆れたが、彼を見たら一瞬にしてその理由が理解できた。
まず目に付いたのは、兜(かぶと)についている巨大な羽根飾り。真っ赤に染められた羽根が動く度に揺れ、相手を威圧するのに一役買っている。全身は黒々とした甲冑で覆われており、二メートル以上もありそうな身体をがっちり守っていた。眼光も鋭く、愛想笑いも皆無で、雰囲気だけで人を殺せそうだ。
これがランキング二位の戦士・ランゴバルトの風貌だった。
――これは……確かに「如何にも」という感じだな……。
強そうだった。いや、実際強いのだろう。チェイニー情報だが「俺が最強」と豪語しているような人物である。自分の強さに絶対の自信を持っているに違いない。
それだけに、誰かに追い抜かされるのはプライドが許さないのだろう。「ランゴバルト様の前に行くな」というのは、そういうことなんだな……とアクセルは思った。兄が面倒なポイント操作をしてまで三位に留まっている理由も、なんとなく理解できた。確かに、こんな大男に目をつけられるのはアクセルだって嫌だ。
「ふん」
再び鼻を鳴らし、ランゴバルトは歩いていってしまった。
あまり張り切らないように気をつけよう……と思いつつ、アクセルも彼の後に続いた。
「……!?」
はあ? と思い、ランゴバルトを見上げる。一人で行くとか、どれだけ自信があるんだ……と呆れたが、彼を見たら一瞬にしてその理由が理解できた。
まず目に付いたのは、兜(かぶと)についている巨大な羽根飾り。真っ赤に染められた羽根が動く度に揺れ、相手を威圧するのに一役買っている。全身は黒々とした甲冑で覆われており、二メートル以上もありそうな身体をがっちり守っていた。眼光も鋭く、愛想笑いも皆無で、雰囲気だけで人を殺せそうだ。
これがランキング二位の戦士・ランゴバルトの風貌だった。
――これは……確かに「如何にも」という感じだな……。
強そうだった。いや、実際強いのだろう。チェイニー情報だが「俺が最強」と豪語しているような人物である。自分の強さに絶対の自信を持っているに違いない。
それだけに、誰かに追い抜かされるのはプライドが許さないのだろう。「ランゴバルト様の前に行くな」というのは、そういうことなんだな……とアクセルは思った。兄が面倒なポイント操作をしてまで三位に留まっている理由も、なんとなく理解できた。確かに、こんな大男に目をつけられるのはアクセルだって嫌だ。
「ふん」
再び鼻を鳴らし、ランゴバルトは歩いていってしまった。
あまり張り切らないように気をつけよう……と思いつつ、アクセルも彼の後に続いた。
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