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初めてのお稽古編
第6話
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(お茶って、お茶を点てるだけじゃないのか……)
炭をさすお稽古まであるなんて、さすがに初耳である。茶筅でお茶をシャカシャカするイメージしか持ってなかった。
「ちなみに、正月には『初釜』っていうイベントもあるからな。懐石料理が出てくるから、それもそのうち稽古つけてやるよ」
「えっ!? 懐石料理のお稽古もあるんですか!?」
「あるよ。茶道って意外と勉強することが多いんだ。掛け軸の稽古もあるし、もちろん床の間に飾る花の稽古もある。他にも勉強することはいっぱいあるんだよなぁ……。俺、勉強苦手だから結構大変なんだわ」
「…………」
「俺にも夏樹くらいの頭脳があればさー、焼き物の名前とか、すぐに覚えられるのにさー」
と、独り言のようにぼやき始める市川。
夏樹はつけ麺をすすりながら、内心で不安を覚えていた。
(俺、今からお茶始めてついて行けるのかな……)
聞けば聞くほど、奥の深い世界だ。実際にやり始めたら一生勉強になるのだろう。そんな、軽い興味本位でお稽古を始めたら申し訳ないような気がする。しかも、仮にも次期家元直々に稽古してもらうだなんて……。
「……先生。俺、迷惑じゃないですか?」
簡潔にそれだけ聞いたら、市川はさも不思議そうに首をひねった。
炭をさすお稽古まであるなんて、さすがに初耳である。茶筅でお茶をシャカシャカするイメージしか持ってなかった。
「ちなみに、正月には『初釜』っていうイベントもあるからな。懐石料理が出てくるから、それもそのうち稽古つけてやるよ」
「えっ!? 懐石料理のお稽古もあるんですか!?」
「あるよ。茶道って意外と勉強することが多いんだ。掛け軸の稽古もあるし、もちろん床の間に飾る花の稽古もある。他にも勉強することはいっぱいあるんだよなぁ……。俺、勉強苦手だから結構大変なんだわ」
「…………」
「俺にも夏樹くらいの頭脳があればさー、焼き物の名前とか、すぐに覚えられるのにさー」
と、独り言のようにぼやき始める市川。
夏樹はつけ麺をすすりながら、内心で不安を覚えていた。
(俺、今からお茶始めてついて行けるのかな……)
聞けば聞くほど、奥の深い世界だ。実際にやり始めたら一生勉強になるのだろう。そんな、軽い興味本位でお稽古を始めたら申し訳ないような気がする。しかも、仮にも次期家元直々に稽古してもらうだなんて……。
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