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文化祭編
第13話
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夏樹は早速お茶碗に口をつけた。口元に持ってきた途端、濃厚なお茶の香りがふわっと広がった。
(うわ、何これ……!)
泡モコモコの抹茶はお店で飲んだことがあるけれど、それとは香り方が全然違う。
水面が剥き出しになっているせいか、お茶の香りがダイレクトに伝わってくるのだ。こんな美味しいお茶、初めて飲んだかもしれない。思わず感激してしまった。
「な? ちゃんと点てた抹茶は美味いだろ?」
と言いつつ、市川は二椀目の薄茶を点て始める。再びサッサッと茶筅を動かし、水面を半月状に残したまま翔太に出した。
(体育の授業してる先生もいいけど、お茶やってる先生もかっこいいかも……)
意外と多才なんだな、と思う。スポーツはもちろん、料理もできるしお茶も点てられるし、浴衣も縫えて着付けもできる。ちょっと抜けているところはあるが、それくらいの方が完璧すぎるより親しみが湧くというものだ。
俺も先生に飽きられないように、努力しなくちゃ……。
翔太が完全に抹茶を飲み切ったところで、市川が言った。
「ちゃんと味わったか? もう一服いる?」
「いえ、もう十分です。ごちそうさまでした」
ぺこり、と三つ指ついてお辞儀をする。美味しい抹茶とお饅頭を味わえて、今日のところは満足だ。次はキチンと作法を勉強したいところだが。
「そうか。じゃあ俺はここを片付けていくから、お前らは先に帰ってな」
「はい。どうもありがとうございました」
早速立ち上がろうと、夏樹は片膝を立てた。
ところが……。
「おわっ!」
脚に力が入らず、その場で豪快に転んでしまった。
(うわ、何これ……!)
泡モコモコの抹茶はお店で飲んだことがあるけれど、それとは香り方が全然違う。
水面が剥き出しになっているせいか、お茶の香りがダイレクトに伝わってくるのだ。こんな美味しいお茶、初めて飲んだかもしれない。思わず感激してしまった。
「な? ちゃんと点てた抹茶は美味いだろ?」
と言いつつ、市川は二椀目の薄茶を点て始める。再びサッサッと茶筅を動かし、水面を半月状に残したまま翔太に出した。
(体育の授業してる先生もいいけど、お茶やってる先生もかっこいいかも……)
意外と多才なんだな、と思う。スポーツはもちろん、料理もできるしお茶も点てられるし、浴衣も縫えて着付けもできる。ちょっと抜けているところはあるが、それくらいの方が完璧すぎるより親しみが湧くというものだ。
俺も先生に飽きられないように、努力しなくちゃ……。
翔太が完全に抹茶を飲み切ったところで、市川が言った。
「ちゃんと味わったか? もう一服いる?」
「いえ、もう十分です。ごちそうさまでした」
ぺこり、と三つ指ついてお辞儀をする。美味しい抹茶とお饅頭を味わえて、今日のところは満足だ。次はキチンと作法を勉強したいところだが。
「そうか。じゃあ俺はここを片付けていくから、お前らは先に帰ってな」
「はい。どうもありがとうございました」
早速立ち上がろうと、夏樹は片膝を立てた。
ところが……。
「おわっ!」
脚に力が入らず、その場で豪快に転んでしまった。
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