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文化祭編
第7話
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「お前、いろいろ疑ってるだろ」
「だって全然イメージ湧かないんですもん。今までそんな素振り、一度も見せたことないし」
「なるほど、確かにな。じゃあ、仕事終わったら抹茶ごちそうしてやるよ」
「えっ……?」
「お前、ここの手伝い一時までだろ? 終わったらそのまま茶室に来いよ。待ってるから」
「……? この学校に茶室なんてありましたっけ?」
「あるだろー? 校舎裏の離れに、こぢんまりとさー」
……そんなところに茶室があるなんて、茶道部以外は知らないと思うのだが。
「今日の茶道部は、教室で立礼式の茶会を開いてるらしいから茶室は誰も使ってないんだ。本格的な茶席は今からじゃ無理だけど、雰囲気くらいは楽しめるようにしとくから。な?」
「はあ、そうですか。じゃあ……」
茶道のことは全然知らないが、市川が茶を点ててくれるならちょっと見てみたい。この変態教師の文化的才能を、しっかり目に焼き付けてやろうではないか。
「えっ? 市川先生、お茶点てられるんですか?」
すると、それを聞きつけた翔太が話に割り込んできた。
「いいなー! 僕も見てみたい! せっかくだから僕も行っていいですか?」
「ああ、いいよ。来たいヤツは遠慮せずに来ていいぞ。ただし、そんな大人数は入れないからせいぜい六人までな」
嫌な顔ひとつせず、歓迎の意思を示す市川。
(あ、二人きりじゃないのか……)
茶室で二人きりになったら絶対アレな展開に持ち込まれると思っていたが、翔太がいるならそういうことにはならないだろう。少しホッとした。
「だって全然イメージ湧かないんですもん。今までそんな素振り、一度も見せたことないし」
「なるほど、確かにな。じゃあ、仕事終わったら抹茶ごちそうしてやるよ」
「えっ……?」
「お前、ここの手伝い一時までだろ? 終わったらそのまま茶室に来いよ。待ってるから」
「……? この学校に茶室なんてありましたっけ?」
「あるだろー? 校舎裏の離れに、こぢんまりとさー」
……そんなところに茶室があるなんて、茶道部以外は知らないと思うのだが。
「今日の茶道部は、教室で立礼式の茶会を開いてるらしいから茶室は誰も使ってないんだ。本格的な茶席は今からじゃ無理だけど、雰囲気くらいは楽しめるようにしとくから。な?」
「はあ、そうですか。じゃあ……」
茶道のことは全然知らないが、市川が茶を点ててくれるならちょっと見てみたい。この変態教師の文化的才能を、しっかり目に焼き付けてやろうではないか。
「えっ? 市川先生、お茶点てられるんですか?」
すると、それを聞きつけた翔太が話に割り込んできた。
「いいなー! 僕も見てみたい! せっかくだから僕も行っていいですか?」
「ああ、いいよ。来たいヤツは遠慮せずに来ていいぞ。ただし、そんな大人数は入れないからせいぜい六人までな」
嫌な顔ひとつせず、歓迎の意思を示す市川。
(あ、二人きりじゃないのか……)
茶室で二人きりになったら絶対アレな展開に持ち込まれると思っていたが、翔太がいるならそういうことにはならないだろう。少しホッとした。
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