65 / 393
誕生日編
第3話
しおりを挟む
(うう……なんかすごく負けた気がする……)
筋肉馬鹿の変態教師のくせに。
普段いかがわしいことばかり考えているエロ教師のくせに、料理をする能力があるなんて反則だ。悔しい。
「わかりました。ケーキ作ってきます」
気づいたら、そんなことを口にしていた。
市川に料理ができて自分にできないわけがない。この変態教師がびっくりするくらいのすごいケーキを作って、見返してやろう。
「おっ、マジで? サンキュー! 楽しみにしてるからな!」
市川は嬉しそうにお手製のプリンを口に入れた。
――ということがあったのだが……。
(なんか、また変態教師に乗せられてるよな、俺……)
さり気なく挑発されて、それに乗って失敗する……というパターン、これまで何回も経験しているはずなのに。年齢の差なのだろうか、どうも市川の掌で転がされているような気がしてならない。
とはいえ、そうやっていいように転がされている自分も決して嫌いではなかった。変態教師に開発されてしまったのはシャクだが、きっとそういう運命だったのだろうと今は諦めている。
(……でもこれ、どうしよう)
失敗してしまった大量のケーキ。さすがにこれをデコレーションして持っていくわけにはいかない。市川に笑われてしまう。
改めてキッチンに目をやったら、ますますテンションが下がってきた。こんな汚れた場所を自分一人で掃除しなくちゃならないなんて、それだけで気が滅入る。先生のためにチャレンジしたことなんだから、先生も片付けを手伝ってくれ!
しょうもないことを考えつつ、のろのろと腰を上げる。
「……はあ」
当日のケーキ、どうしようかな……と悩みながら、夏樹はキッチンタオルを取った。
筋肉馬鹿の変態教師のくせに。
普段いかがわしいことばかり考えているエロ教師のくせに、料理をする能力があるなんて反則だ。悔しい。
「わかりました。ケーキ作ってきます」
気づいたら、そんなことを口にしていた。
市川に料理ができて自分にできないわけがない。この変態教師がびっくりするくらいのすごいケーキを作って、見返してやろう。
「おっ、マジで? サンキュー! 楽しみにしてるからな!」
市川は嬉しそうにお手製のプリンを口に入れた。
――ということがあったのだが……。
(なんか、また変態教師に乗せられてるよな、俺……)
さり気なく挑発されて、それに乗って失敗する……というパターン、これまで何回も経験しているはずなのに。年齢の差なのだろうか、どうも市川の掌で転がされているような気がしてならない。
とはいえ、そうやっていいように転がされている自分も決して嫌いではなかった。変態教師に開発されてしまったのはシャクだが、きっとそういう運命だったのだろうと今は諦めている。
(……でもこれ、どうしよう)
失敗してしまった大量のケーキ。さすがにこれをデコレーションして持っていくわけにはいかない。市川に笑われてしまう。
改めてキッチンに目をやったら、ますますテンションが下がってきた。こんな汚れた場所を自分一人で掃除しなくちゃならないなんて、それだけで気が滅入る。先生のためにチャレンジしたことなんだから、先生も片付けを手伝ってくれ!
しょうもないことを考えつつ、のろのろと腰を上げる。
「……はあ」
当日のケーキ、どうしようかな……と悩みながら、夏樹はキッチンタオルを取った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
603
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる