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性活指導編
第4話
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(先生……)
そんな顔を見ていたら、急に胸が痛くなってしまった。
「……先生、あの……」
「おっと、もう時間だ」
二の腕を引かれ、市川の胸に収まったかと思ったら軽くキスされた。触れるだけの短いもので、すぐにパッと解放された。
「じゃあ夏樹、また後でな」
「……っ……」
どうしようもなく胸が痛み、夏樹は顔を俯けた。何故か泣きそうになった。
なんでこういうことするんだよ。別れようとした決意が鈍っちゃうじゃないか。これ以上俺を惑わせないでよ。俺はもう、あんたに絆されたくないんだよ……。
唇を噛んで、ぐちゃぐちゃした感情を無理矢理抑え込む。本当は市川を叩きながら思いっきり感情をぶつけてやりたかったけど、彼は既に職員会議に行ってしまっていた。
(先生のバカヤロー!)
お決まりの空き教室に入り、乱暴にドアを閉める。机のひとつに腰かけ、頭を抱えながら溜息をついた。
「どうしよう……」
……なんだか、全く別れられる気がしない。
市川はあの通り、別れ話をされるだなんて毛ほども考えていないし、これからも夏樹とイチャイチャできると思っている。夏樹が話を切り出したところで冗談だと笑い飛ばす可能性は高いし、まともに取り合ってくれるとは思えなかった。
そしてこれは付き合い始めてわかったことだが、市川は意外と一途なタイプだった。
爽やか系イケメンだから遊び人に違いない……と思っていたのに、浮気は一切しないし、連絡もマメだし、金銭面でも太っ腹である。二人で帰った時はよく夕食を奢ってくれるし、なんだかんだで体育の成績も上がった。心情はどうあれ、世話になっている部分は確かに多かった。そんな相手を、すげなく振ってしまうのも気が引ける。
更に言えば、市川と別れるのを躊躇うのにはもっと別の理由もあった。
そんな顔を見ていたら、急に胸が痛くなってしまった。
「……先生、あの……」
「おっと、もう時間だ」
二の腕を引かれ、市川の胸に収まったかと思ったら軽くキスされた。触れるだけの短いもので、すぐにパッと解放された。
「じゃあ夏樹、また後でな」
「……っ……」
どうしようもなく胸が痛み、夏樹は顔を俯けた。何故か泣きそうになった。
なんでこういうことするんだよ。別れようとした決意が鈍っちゃうじゃないか。これ以上俺を惑わせないでよ。俺はもう、あんたに絆されたくないんだよ……。
唇を噛んで、ぐちゃぐちゃした感情を無理矢理抑え込む。本当は市川を叩きながら思いっきり感情をぶつけてやりたかったけど、彼は既に職員会議に行ってしまっていた。
(先生のバカヤロー!)
お決まりの空き教室に入り、乱暴にドアを閉める。机のひとつに腰かけ、頭を抱えながら溜息をついた。
「どうしよう……」
……なんだか、全く別れられる気がしない。
市川はあの通り、別れ話をされるだなんて毛ほども考えていないし、これからも夏樹とイチャイチャできると思っている。夏樹が話を切り出したところで冗談だと笑い飛ばす可能性は高いし、まともに取り合ってくれるとは思えなかった。
そしてこれは付き合い始めてわかったことだが、市川は意外と一途なタイプだった。
爽やか系イケメンだから遊び人に違いない……と思っていたのに、浮気は一切しないし、連絡もマメだし、金銭面でも太っ腹である。二人で帰った時はよく夕食を奢ってくれるし、なんだかんだで体育の成績も上がった。心情はどうあれ、世話になっている部分は確かに多かった。そんな相手を、すげなく振ってしまうのも気が引ける。
更に言えば、市川と別れるのを躊躇うのにはもっと別の理由もあった。
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