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第百十二話
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「例え生まれ変わりだとしても、彼は私自身ではない。彼はあくまで『安倍晴斗』という一人の人間だ。陰陽師・安倍晴明は、千年ほど前に死んでいる。死んだ者が蘇ることは絶対にないんだよ。どんなに願ったとしても……ね」
「…………」
「……だからこそ玉藻前も、結果的にあんな風になってしまったわけだ」
「それに関しては、晴明さんにも非があると思いますよ」
と、晴斗は言った。
「玉藻前から九尾に乗り換えるなら、その前に玉藻前との関係をキチンと清算すべきだったんじゃないですか? 九尾に惚れるのは仕方ないにしても、元カノを同じ屋敷に置いたまま今カノとイチャイチャしてたら、そりゃあ誰だって怒りますよ。晴明さんは、その辺のことを考えなさすぎです」
「はは……なかなか痛いところを突いてくれるね。確かに、千年経った今振り返ってみれば、あの時の私の対応はよくなかったと思う。だが、当時は一夫多妻制が当たり前だったからな。今でこそ一人の相手に愛情を注ぐのがよしとされているが、平安時代においては、大勢の愛人と関係を持つのは普通のことだったんだ」
「……言い訳にしか聞こえないんですけど」
「現代人には理解できない価値観かもしれないね。だが事実として、当時はそういう時代だったんだよ。だから私も、玉藻前への配慮が足りないことに気付けなかった。そこは反省すべき点だったな」
「……今更反省しても遅いんですけどね。俺たち、もう死んじゃったし。死んだ者が蘇ることは絶対にないんですもんね?」
ちょっと嫌味っぽく言ってやったら、晴明は優雅な微笑みを浮かべてこう言った。
「さて、それはどうかな。きみたちはまだ三途の川を渡っていないよ」
「……えっ?」
「…………」
「……だからこそ玉藻前も、結果的にあんな風になってしまったわけだ」
「それに関しては、晴明さんにも非があると思いますよ」
と、晴斗は言った。
「玉藻前から九尾に乗り換えるなら、その前に玉藻前との関係をキチンと清算すべきだったんじゃないですか? 九尾に惚れるのは仕方ないにしても、元カノを同じ屋敷に置いたまま今カノとイチャイチャしてたら、そりゃあ誰だって怒りますよ。晴明さんは、その辺のことを考えなさすぎです」
「はは……なかなか痛いところを突いてくれるね。確かに、千年経った今振り返ってみれば、あの時の私の対応はよくなかったと思う。だが、当時は一夫多妻制が当たり前だったからな。今でこそ一人の相手に愛情を注ぐのがよしとされているが、平安時代においては、大勢の愛人と関係を持つのは普通のことだったんだ」
「……言い訳にしか聞こえないんですけど」
「現代人には理解できない価値観かもしれないね。だが事実として、当時はそういう時代だったんだよ。だから私も、玉藻前への配慮が足りないことに気付けなかった。そこは反省すべき点だったな」
「……今更反省しても遅いんですけどね。俺たち、もう死んじゃったし。死んだ者が蘇ることは絶対にないんですもんね?」
ちょっと嫌味っぽく言ってやったら、晴明は優雅な微笑みを浮かべてこう言った。
「さて、それはどうかな。きみたちはまだ三途の川を渡っていないよ」
「……えっ?」
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