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第四十二話*
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「……九尾」
弱いところを刺激して快感を与えつつ、晴斗は耳元で囁き続けた。
「大丈夫だ……お前は何も悪くない。悲しい時は思いっきり泣いていいから……我慢する必要ないから……な?」
「うう……あ……っ」
誰が悪いというのではない。ただ、ままならない想いが強すぎるだけだ。自分にはどうすることもできない想いが、未だ根強く残っているだけ。
そうだろ? 九尾……。
「……もう……忘れたい……」
じわりと九尾の目に涙が溜まっていき、再びボロボロこぼれ落ちた。溺れかかった者のように晴斗にしがみつくと、彼は悲痛に泣き叫んだ。
「忘れさせてくれ、あなたのこと全部……っ!」
「九尾……」
「晴明、晴明ーっ!」
九尾の泣き声は、彼が気を失うまで続いた。晴斗は九尾に求められるまま、ただ快感を与え続けた。激しくしてくれと言うので、あまり手加減はしなかった。
「ああ、あっ……せい、め……ああぁっ!」
我を忘れ、幾度となく極める九尾。下肢は既に熱でどろどろで、シーツにも大量のシミが飛び散っていた。
気づいた時には体力・精力共に使い果て、死んだように眠っている九尾が横にいた。
「九尾……」
晴斗は涙で汚れた彼の顔を撫でた。これで多少は気が紛れただろうか。少しは慰めになっただろうか。明日からは、もう少し明るい顔を見せてくれるだろうか……。
――俺が晴明さんだったらよかったのかもな……。
これもまた、ままならない想いだった。
弱いところを刺激して快感を与えつつ、晴斗は耳元で囁き続けた。
「大丈夫だ……お前は何も悪くない。悲しい時は思いっきり泣いていいから……我慢する必要ないから……な?」
「うう……あ……っ」
誰が悪いというのではない。ただ、ままならない想いが強すぎるだけだ。自分にはどうすることもできない想いが、未だ根強く残っているだけ。
そうだろ? 九尾……。
「……もう……忘れたい……」
じわりと九尾の目に涙が溜まっていき、再びボロボロこぼれ落ちた。溺れかかった者のように晴斗にしがみつくと、彼は悲痛に泣き叫んだ。
「忘れさせてくれ、あなたのこと全部……っ!」
「九尾……」
「晴明、晴明ーっ!」
九尾の泣き声は、彼が気を失うまで続いた。晴斗は九尾に求められるまま、ただ快感を与え続けた。激しくしてくれと言うので、あまり手加減はしなかった。
「ああ、あっ……せい、め……ああぁっ!」
我を忘れ、幾度となく極める九尾。下肢は既に熱でどろどろで、シーツにも大量のシミが飛び散っていた。
気づいた時には体力・精力共に使い果て、死んだように眠っている九尾が横にいた。
「九尾……」
晴斗は涙で汚れた彼の顔を撫でた。これで多少は気が紛れただろうか。少しは慰めになっただろうか。明日からは、もう少し明るい顔を見せてくれるだろうか……。
――俺が晴明さんだったらよかったのかもな……。
これもまた、ままならない想いだった。
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