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プロローグ
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白い白い白い白い白い。どこまでも眩い光で反射して何も見えない世界。
わたしは矮小な凡庸な魂 美しくもなんともない魂は恐怖に震えて栗鼠のように丸まった。
ここはどこだ?
わたしは?
『お前は死んだのだ。矮小な凡庸な魂よ。ここは死の世界の一つだ。』
わたしは声が聞こえたところを見上げる。そして呆然とする。奇怪な悍ましい幾つも目があり、蛇にもみえ、鳥にも
魚にも見え人にも見えるおかしなおかしな巨体なものがわたしを傲岸と見下げていた。
巨大な力を感じる。わたしは呆然と震えて俯いた。あまりにも高貴な者はみたら目が潰れると昔の人は言った。
だから土下座するのだと古代の人は言っていた。あれは真実だったのだろうか?
わたしは思わず土下座した。
「な、何故わたしをここへ?」
『お前を試そうと思ってここに連れてきた。』
老人のような子どものような説明のつかぬ声であった。
『お前はいつ消えてもおかしくない魂。だから試す。お前はこれから何万何億もの生と死を繰り返すのだ。』
『まるで栗鼠が車輪の中を永遠に走り回るようにな‥。』
「そ、そんなあんまりです。そんな恐ろしい・・。」
わたしは震えた。ずっとずっと同じことを繰り返すのか?
『ふふ。安心せよ。死んだときは忘却の河の神が記憶を消す。お前は何億もの生と死を繰り返しても気づかぬだろう。』
『しかし、どこかで不意に蘇ることもある。その時お前はどうするのか見ものだ。』
『どこかでお前は何憶年もの精神を宿しているだろう。心の奥深くにな。』
「神は・・永遠の命をもっているのですか?」
わたしは怖くてもどうしても聞きたいことがあった。
『ふふ。時などとうに超えたよ。時の流れのはるか上に我らは存在しているのだ。我らは退屈をしているのだ。
余りの永遠にな。お前は人間として本当に凡庸な魂を持っていた。哀れなぐらい矮小であった。だれもお前を愛さず
また、お前も誰も愛していなかった。』
『我はお前をモルモットとして試してやる。お前と言う凡庸な魂がどのような変化を示すのか?あるいは凡庸な魂のまま消滅するのか? それが見ものよ』
わたしは震えた。唯、うちひがれて、『神』の実験に家畜のように従った。
それがわたしの最初の記憶だ。
わたしは唯これからどうなるのかわからず恐怖に震えながら『神』の動向を見守った。
眩い光がわたしを包んだ。くるりくるりとわたしは回り続けた。 車輪の中に入れられた栗鼠のように回り続けた。
『神』のふふと面白げな人間みたいな表情が忘れられなかった。
わたしが何をした? 誰も愛さず唯生き続ける凡庸な魂をもっていたからか?
でもわたしだけじゃない。他にも凡庸な魂はあったはずだ。 そのほかの魂はどうなったのだろう?
凡庸は悪なのか?矮小な魂は悪なのか?
わたしには偉大な魂の思考がわからなかった。
わたしは長い長い生と死の輪廻をかけて全てを経験し、味わうしかない。そして凡庸な魂が消滅するのなら
わたしは余程運命の神とやらに嫌われていると見える。
わたしは長い時を駆けて、『神』への答えを出す。
「 」
それが私の最後の言葉だ。
わたしは光に包まれて、どこかの世界へ飛ばされた。
昏い暗い産道からかすかに見える光。母親の血と糞に塗れて、生まれてくる赤子。
嗚呼。この瞬間だけはいつもはっとさせられる。
赤子はいつも血塗れになって生まれてくるんだ・・。
母親とわたしの臍の緒が切られる。
わたしは母親と分離した。わたしはまた新しい生を受けたのだ。
あの『神』がいつも私の脳裏に離れなかった。
わたしは矮小な凡庸な魂 美しくもなんともない魂は恐怖に震えて栗鼠のように丸まった。
ここはどこだ?
わたしは?
『お前は死んだのだ。矮小な凡庸な魂よ。ここは死の世界の一つだ。』
わたしは声が聞こえたところを見上げる。そして呆然とする。奇怪な悍ましい幾つも目があり、蛇にもみえ、鳥にも
魚にも見え人にも見えるおかしなおかしな巨体なものがわたしを傲岸と見下げていた。
巨大な力を感じる。わたしは呆然と震えて俯いた。あまりにも高貴な者はみたら目が潰れると昔の人は言った。
だから土下座するのだと古代の人は言っていた。あれは真実だったのだろうか?
わたしは思わず土下座した。
「な、何故わたしをここへ?」
『お前を試そうと思ってここに連れてきた。』
老人のような子どものような説明のつかぬ声であった。
『お前はいつ消えてもおかしくない魂。だから試す。お前はこれから何万何億もの生と死を繰り返すのだ。』
『まるで栗鼠が車輪の中を永遠に走り回るようにな‥。』
「そ、そんなあんまりです。そんな恐ろしい・・。」
わたしは震えた。ずっとずっと同じことを繰り返すのか?
『ふふ。安心せよ。死んだときは忘却の河の神が記憶を消す。お前は何億もの生と死を繰り返しても気づかぬだろう。』
『しかし、どこかで不意に蘇ることもある。その時お前はどうするのか見ものだ。』
『どこかでお前は何憶年もの精神を宿しているだろう。心の奥深くにな。』
「神は・・永遠の命をもっているのですか?」
わたしは怖くてもどうしても聞きたいことがあった。
『ふふ。時などとうに超えたよ。時の流れのはるか上に我らは存在しているのだ。我らは退屈をしているのだ。
余りの永遠にな。お前は人間として本当に凡庸な魂を持っていた。哀れなぐらい矮小であった。だれもお前を愛さず
また、お前も誰も愛していなかった。』
『我はお前をモルモットとして試してやる。お前と言う凡庸な魂がどのような変化を示すのか?あるいは凡庸な魂のまま消滅するのか? それが見ものよ』
わたしは震えた。唯、うちひがれて、『神』の実験に家畜のように従った。
それがわたしの最初の記憶だ。
わたしは唯これからどうなるのかわからず恐怖に震えながら『神』の動向を見守った。
眩い光がわたしを包んだ。くるりくるりとわたしは回り続けた。 車輪の中に入れられた栗鼠のように回り続けた。
『神』のふふと面白げな人間みたいな表情が忘れられなかった。
わたしが何をした? 誰も愛さず唯生き続ける凡庸な魂をもっていたからか?
でもわたしだけじゃない。他にも凡庸な魂はあったはずだ。 そのほかの魂はどうなったのだろう?
凡庸は悪なのか?矮小な魂は悪なのか?
わたしには偉大な魂の思考がわからなかった。
わたしは長い長い生と死の輪廻をかけて全てを経験し、味わうしかない。そして凡庸な魂が消滅するのなら
わたしは余程運命の神とやらに嫌われていると見える。
わたしは長い時を駆けて、『神』への答えを出す。
「 」
それが私の最後の言葉だ。
わたしは光に包まれて、どこかの世界へ飛ばされた。
昏い暗い産道からかすかに見える光。母親の血と糞に塗れて、生まれてくる赤子。
嗚呼。この瞬間だけはいつもはっとさせられる。
赤子はいつも血塗れになって生まれてくるんだ・・。
母親とわたしの臍の緒が切られる。
わたしは母親と分離した。わたしはまた新しい生を受けたのだ。
あの『神』がいつも私の脳裏に離れなかった。
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