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運命⑦ 傾城 夫の真実
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愛らしい愚妻は、今日も、何かを演じている。嗚呼此度は、驕慢な女か・・?
逃亡していた時、妻に出会って、かつてない快楽と愛の海に浸った。柔らかく温かく、どこかひやりとした深海へ沈んた感覚だった。
それは死への感覚でもあり、再生の感覚だった。
俺は、その未知の感覚に溺れた。魅了された。 妻は、空っぽだったが、才能があった。
相手にとって理想的な女を演じる事だ。
妻といると、此度はどんな女を相手にするのかと飽きなかった。勿論 素の妻も愛しているが・・。
はじめは、ユルセナイと思っていても、報復までは考えていなかった。
俺にもなにか落ち度があったかと考えていた。しかし、あそこまで裏切るとは思わなかった。妻に裏切りの二人をいうと、妙に怒り狂った。
激昂し紅潮した顔を歪めて
ユルセナイ。あんたをそんなに苦しめて・・。
あんたは愛していたのに・・。そんなやつらを気に掛けることはない。容赦ない断罪の言葉を妻は吐いた。
俺は、私は、断罪の女神を見ているような気分だった。
嗚呼そうだ。何の思い煩うことがあろうか?私に落ち度があっても手酷い裏切りを受けたのだ。それは報復は必要だ。
私は正しい道を見出した。 妻に導かれたのだ。私の運命の女神だった。
この瞬間、私は妻を妻として見たのだ。この女は私のものだ。
私は、もう唯の敗残者ではなかった。失ったもの以上に奪い返す報復者となった。
妻は私に従い、私の忠実な女であり続けた。
妻の愛は私だけではなく、壮絶な痛みを抱えて孕ませた子らにも与えられ私はこの世で最も幸福な男でいられた。
私は幸福だ。庭には、裏切者の死体が焼却され、灰としてまかれている。
なぜか、幸運にも土とあっていたらしく、そこには美しい花や植物が繁栄した。
濃密な楽園が創られ、私は度々妻とそこで愛しあった。
裏切り者たちが私を見ているが、かまわなかった。
私はすっかり妻の虜となっていたのだ。
琥珀の瞳と、碧玉の瞳は加工して、コレクションとして宝石を入れる箱の中に仕舞っている。
いつか我が子に裏切り者の瞳だと教えてやりたい。
逃亡していた時、妻に出会って、かつてない快楽と愛の海に浸った。柔らかく温かく、どこかひやりとした深海へ沈んた感覚だった。
それは死への感覚でもあり、再生の感覚だった。
俺は、その未知の感覚に溺れた。魅了された。 妻は、空っぽだったが、才能があった。
相手にとって理想的な女を演じる事だ。
妻といると、此度はどんな女を相手にするのかと飽きなかった。勿論 素の妻も愛しているが・・。
はじめは、ユルセナイと思っていても、報復までは考えていなかった。
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激昂し紅潮した顔を歪めて
ユルセナイ。あんたをそんなに苦しめて・・。
あんたは愛していたのに・・。そんなやつらを気に掛けることはない。容赦ない断罪の言葉を妻は吐いた。
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嗚呼そうだ。何の思い煩うことがあろうか?私に落ち度があっても手酷い裏切りを受けたのだ。それは報復は必要だ。
私は正しい道を見出した。 妻に導かれたのだ。私の運命の女神だった。
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妻は私に従い、私の忠実な女であり続けた。
妻の愛は私だけではなく、壮絶な痛みを抱えて孕ませた子らにも与えられ私はこの世で最も幸福な男でいられた。
私は幸福だ。庭には、裏切者の死体が焼却され、灰としてまかれている。
なぜか、幸運にも土とあっていたらしく、そこには美しい花や植物が繁栄した。
濃密な楽園が創られ、私は度々妻とそこで愛しあった。
裏切り者たちが私を見ているが、かまわなかった。
私はすっかり妻の虜となっていたのだ。
琥珀の瞳と、碧玉の瞳は加工して、コレクションとして宝石を入れる箱の中に仕舞っている。
いつか我が子に裏切り者の瞳だと教えてやりたい。
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