どうやら神様は死んでから褒美を与えるらしい

栗菓子

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どうやらあたしの目論見通りになったらしい。

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あたしは、あたしが追放してしまった巨人の帰還を待ちわびている。
安心して。その間に悪魔や、大悪魔は潰してしまったわ。

ああそうねえ。大悪魔は、「良くもリリスをお・・・!?」と自分の妻の仇を討とうと懸命に力を振るったわ。

健気ねエ。リリスってあの悪辣な女神かしら。趣味悪い~と思うけど、旦那さん選びは正しかったみたいねエ。

あたしはその事は羨ましいわね。

でもね。あたしはあたしを傷つけるものをどうしてもユルセナイの。もう何回も死んでいるからね。

あたしはあたしが一番大事なの。心を鬼にして潰したわ。

役に立たない天使どもは、巨人が帰って来るのを待てばいいのよ。神様と共にね。


元善人の知り合いの天使は、言ったわ。
「お、おい・・。巨人を倒すのに力を貸してくれるんだろ・・!?」と
情けなさそうに懇願したわ。

でもあたしは無視した。一回は倒したわ。 でももう善人も悪人もないのよ。あたしの心は既に死んでしまったから

皆等しく平等に、公平に見たの。 


あたしは既に鬼神レベルに達してしまった。これは試練だわ。

巨人は、神様と、その兵士、天使や、他の生き残っている神々に任せましょう。

あたしは戦線離脱をすることするわ。

遥かな高みで見物をすることにする。悪魔たちを殲滅しただけでも十分でしょう。

裏切り者と呼ばれてもかまわないわ。さようなら。役に立たない愚図どもよ。

あたしは、先に避難している天猫のところまで飛んだわ。

がしっとあたしは四つ目の天猫を掴んだわ。ミギャーと四つ目が極限に恐怖に開いたわ。


まあ。割と可愛いモンスターね。 四つも目があって苦労しないかしら?あたしったら余計なお節介を考えるわね。

いけない。いけない。こんなことではおばちゃんになるのもあっという間だわ。

あたしは優しく、天猫を撫でたわ。愛らしいところもあるわ。この猫を撫でて、あたしは高みの見物をしましょう。

もう結界の術は覚えたわ。あたしったらいつの間にこんな力をもつようになったのかしら。


さあ・・。そろぞろ、主役の巨人が戻ってくるごろだわ。嗚呼・・遥か先から、ここへ飛んでくる様子が見える。

良かったわねえ。神様。あんた。本気で戦う時が来たのよ。

あら、神様が冷や汗を垂らして、蒼白になっているわ。あたしたちをいきなり消滅させようとしたその傲慢さはどこへ行ったの?

どうやらあたしの目論見通りになったらしい。


いい気味ねえ。今まで散々消滅させてきたんでしょ。虫けらのようにね。今回は、神様の番よ。
あまりにも頂点に座していたから、忘れていたのね。

こういうの因果応報ってやつかしら。うーん。仏教の教えだから、少し違うかも・・。


あたしはガタガタ震えている天猫をよしよしと撫でながら、このショーの結末を見届けるわ。

安心してね。みんな頑張ってね。あたしも頑張ったから。

精々、時間を引き延ばしてね。期待しないから、見ているわよん。


あたしは遥かな高みから笑みを浮かべて彼らの奮闘を見たわ。

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