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どうやら神様は本気でまずいと思ったらしい。
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千里眼を持つ天猫と、或る神は、すかさず統領である聖書の神様の無表情な顔に汗がだらだらと流れていることを見逃さなかった!!
どうやら神様は本気でまずいと思ったらしい。
遅えんだよ。天猫と、或る神は侮蔑しそうになったが、思い直した。
神様は、時の流れはあまりにもゆっくりで、怠慢ともとれる生き方をしている。仕方がない。
不老不死なのだから寿命が短命で一瞬のように流れ去る人間の命とは違うのだ。
世界を創っただけでも立派だが、その被造物に反旗を翻されるなんで・・しかもごみのような虫けらのような凡庸な人間たちに復讐されてどんな気分?ねえどんな気分?
天猫は思わず、邪悪な好奇心で神様に尋ねて見たかった。おおっといけない。どうも天界は時に悪魔より悪辣な思考をする神も居るのだ。仕方がない。不老不死の種族に、まともな性格をした奴は少ない。大抵が、ぶっとんだ考えをする人格破綻した性格が多い。そうでなければ神ではないのだ。
だって神は究極の我を貫き通した子どものように幼稚で傲慢で可愛いところもある良いところも汚いところも嫌なところも人間より遥かにスケールのでかい心をもった種族だから!!!
元人間はまたまともな性格をしているが、果てして裏の性格はどうなんだが・・。
大抵の神は二面性がある。破壊と創造など司る神のように。
元人間だった神は、弛まぬ魂の修練でここまで上り詰めた。 その神がゴミのように捨てられた魂たちが逆襲をしている様を見ている。
どんな気持ちだろうか?
或る神は、思わず心を読んでしまった。
『哀れな、見捨てられた魂達か‥天界を荒らすとはな。仕方がない。神は何もかも斬り捨てる故・・いつかは跳ね返って来るかなとも思ったが・・まさか予想が当たるとはな・・。』
元人間の戦いを司る神は、人間だったから決して人間を侮っていなかった。脆弱なのに、時にはとんでもない力を見せる時がある不可解な人間をずっと見届けてきた。同じ人間なのに理解できない怪物の心理構造をもったひともいれば、素晴らしい心を持った神より光り輝く人間も見てきた。
人間この不可解な怪物。
『ずっと見届けていたが、この世界の終末にこのような巨人になり果てるとはな・・。それも運命だな。
元人間同士、戦いあおうじゃないか。これが俺の運命だな。』
自嘲しながら、戦神と呼ばれた男は、悪鬼の形相をして、巨人に槍で立ち向かった。
躊躇わずに、冷酷非情に、古い木の槍は、聖なる木から創り出した特殊な魔法で半永久的に稼働している武器だ。
この槍は、必ず、敵と定めたものを殲滅する威力を持っている。
後には、クレーターのような穴が開いたぐらいだ。
悲哀と共に、戦神は、巨人を聖なる槍で貫いた。これには流石に巨人にも効いたようだ。
当然だ。元人間が、人間のために創った聖なる槍なのだから、元人間だった巨人には絶対な効果がある。
「さらばだ。哀れな元人間の魂たちよ・・。」
壮絶な痛みに悶える巨人は、憎悪の目で戦神を見た。なんとしても滅ぼすという憤怒に満ちた意志があった。
悪魔より灼熱の怒りがあった。
元人間だと気づいたためだろうが、余計許せなくなったらしい。同じ人間であるながら、ゴミと捨てられた魂達と神と呼ばれた魂。
なんだこのとほうもない格差は・・。純粋な神ならわかるが、元人間とは・・。
巨人はかつてなくユルセナイ気持ちだった。
「ユルセナイ。許せない。ゆるせない。 こんなの理不尽だああああああ!」
巨人は子どものように恐ろしく喚いて、必死で修復して、体勢を立て直した。
『お前だけはユルセナイ。ドウシテモ・・元人間として。』
どうやら巨人は、聖書の神様よりも元人間の戦神が赦せなかったらしい。
全く人間てやつは・・。ふうと天猫は天頂で溜息をついた。
それより聖書の神様のほうがラスボスだと思うけどなあ・・。何?純粋な神だからあまり憎めないの?
人間て変なの。変な心もっているねえ。
天猫は思わず首を傾げた。
聖書の神様は、戦神が巨人の相手をしているのを見て、助かったとほっと安堵の息をついた。
こらこらこらこら。神様。僕たちは見ているよ。
ラスボスのあんたがそんな腰抜けでどうするの。情けないよ。可哀相だよ。殺された奴らも気の毒に・・。嗚呼ボクも危ないな。ボクって可哀そうだなあ。
天猫は思わず、己の行く末を思い、涙を流した。
どうやら神様は本気でまずいと思ったらしい。
遅えんだよ。天猫と、或る神は侮蔑しそうになったが、思い直した。
神様は、時の流れはあまりにもゆっくりで、怠慢ともとれる生き方をしている。仕方がない。
不老不死なのだから寿命が短命で一瞬のように流れ去る人間の命とは違うのだ。
世界を創っただけでも立派だが、その被造物に反旗を翻されるなんで・・しかもごみのような虫けらのような凡庸な人間たちに復讐されてどんな気分?ねえどんな気分?
天猫は思わず、邪悪な好奇心で神様に尋ねて見たかった。おおっといけない。どうも天界は時に悪魔より悪辣な思考をする神も居るのだ。仕方がない。不老不死の種族に、まともな性格をした奴は少ない。大抵が、ぶっとんだ考えをする人格破綻した性格が多い。そうでなければ神ではないのだ。
だって神は究極の我を貫き通した子どものように幼稚で傲慢で可愛いところもある良いところも汚いところも嫌なところも人間より遥かにスケールのでかい心をもった種族だから!!!
元人間はまたまともな性格をしているが、果てして裏の性格はどうなんだが・・。
大抵の神は二面性がある。破壊と創造など司る神のように。
元人間だった神は、弛まぬ魂の修練でここまで上り詰めた。 その神がゴミのように捨てられた魂たちが逆襲をしている様を見ている。
どんな気持ちだろうか?
或る神は、思わず心を読んでしまった。
『哀れな、見捨てられた魂達か‥天界を荒らすとはな。仕方がない。神は何もかも斬り捨てる故・・いつかは跳ね返って来るかなとも思ったが・・まさか予想が当たるとはな・・。』
元人間の戦いを司る神は、人間だったから決して人間を侮っていなかった。脆弱なのに、時にはとんでもない力を見せる時がある不可解な人間をずっと見届けてきた。同じ人間なのに理解できない怪物の心理構造をもったひともいれば、素晴らしい心を持った神より光り輝く人間も見てきた。
人間この不可解な怪物。
『ずっと見届けていたが、この世界の終末にこのような巨人になり果てるとはな・・。それも運命だな。
元人間同士、戦いあおうじゃないか。これが俺の運命だな。』
自嘲しながら、戦神と呼ばれた男は、悪鬼の形相をして、巨人に槍で立ち向かった。
躊躇わずに、冷酷非情に、古い木の槍は、聖なる木から創り出した特殊な魔法で半永久的に稼働している武器だ。
この槍は、必ず、敵と定めたものを殲滅する威力を持っている。
後には、クレーターのような穴が開いたぐらいだ。
悲哀と共に、戦神は、巨人を聖なる槍で貫いた。これには流石に巨人にも効いたようだ。
当然だ。元人間が、人間のために創った聖なる槍なのだから、元人間だった巨人には絶対な効果がある。
「さらばだ。哀れな元人間の魂たちよ・・。」
壮絶な痛みに悶える巨人は、憎悪の目で戦神を見た。なんとしても滅ぼすという憤怒に満ちた意志があった。
悪魔より灼熱の怒りがあった。
元人間だと気づいたためだろうが、余計許せなくなったらしい。同じ人間であるながら、ゴミと捨てられた魂達と神と呼ばれた魂。
なんだこのとほうもない格差は・・。純粋な神ならわかるが、元人間とは・・。
巨人はかつてなくユルセナイ気持ちだった。
「ユルセナイ。許せない。ゆるせない。 こんなの理不尽だああああああ!」
巨人は子どものように恐ろしく喚いて、必死で修復して、体勢を立て直した。
『お前だけはユルセナイ。ドウシテモ・・元人間として。』
どうやら巨人は、聖書の神様よりも元人間の戦神が赦せなかったらしい。
全く人間てやつは・・。ふうと天猫は天頂で溜息をついた。
それより聖書の神様のほうがラスボスだと思うけどなあ・・。何?純粋な神だからあまり憎めないの?
人間て変なの。変な心もっているねえ。
天猫は思わず首を傾げた。
聖書の神様は、戦神が巨人の相手をしているのを見て、助かったとほっと安堵の息をついた。
こらこらこらこら。神様。僕たちは見ているよ。
ラスボスのあんたがそんな腰抜けでどうするの。情けないよ。可哀相だよ。殺された奴らも気の毒に・・。嗚呼ボクも危ないな。ボクって可哀そうだなあ。
天猫は思わず、己の行く末を思い、涙を流した。
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