どうやら神様は死んでから褒美を与えるらしい

栗菓子

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どうやら飼い主は己のいい加減で滅びるらしい。

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一番天界の高いところまで登って、避難していた天猫だけは、そのおそるべき四ツ目で遥か遠くまで見ることもできた。

ああ・・飼い主の天使の間抜けな顔が良く見える。 だからあのゴミ箱には注意しろといったのに・・。

やっぱり頭を抱えて、どうしたらいいか悩んでいる。

あの時、ボクの注意を聞かなかった報いだよ。飼い主さん。気の毒だけと、飼い主さんにはお世話になったけどボクも命が惜しい。

ここで見届けてあげるよ。薄情にも天猫は、飼い主の天使を見限った。

天使のくせに、大丈夫大丈夫と驕りを見せるからいけないのだ。もっと愛猫は信じればよかったのに・・。


天使は、ぎりりと歯ぎしりして、このごみめえ!あのままごみ箱で大人しくしときゃよかったのにい!

巨人を罵って、力を振るわず、そこらへんにある下界の石や、武器を瞬間移動させて、多くの石を投石した。

これが意外にも効いた。 天の力も通用しない。
ならば下界の物質ならどうか?と天使は不意に閃いて、下界の石や武器を使った。銃だ。

ダダダダダダと音を鳴らしながら、ずっと天使は銃を放った。


巨人の身体に穴がボコボコと開いた。 不思議な原理だが、地上の武器などは効果があるらしい。


何故だ?元下界の魂だったから下界のほうが効くのだろうか? 研究者は頭を抱えたが、とりあえず効き目がありそうなことは分かった。


今度はこっちの反撃だ。悪魔も、神様も、神々と天使も、下界の武器を召喚して、もうなんでもありの戦いになってしまった。


戦いはカオスを極めた。 巨人はだんだん弱っていったが、それでもまだ倒れない。今まで喰らった神や天使の力を宿しているからだ。

糞ったれ! 飼い主の天使は、はしたない言葉を連発して、銃をずっと放っていた。

だんだん巨人は飼い主が目障りになってきたらしい。
蠅や蚊を見るような空洞の目で見下して、ぱあんと巨人の手が飼い主を潰した。
 蚊を叩くように潰した。Gを叩くように潰した。

びくびくとまだ動いていたが、致命傷を負ったらしい。少しでも動いたらまた巨人は更に叩いた。

ギャと呆気なく悲鳴を上げて、飼い主だった天使は息絶えた。

その死体は、巨人が口に入れた。まずそうに食べている。 そんなにまずいなら食べなければいいのに・・。

ああ勿体ないからかな。下界の人はある者は勿体ないを信条にしていたなあ。


どうやら飼い主は己のいい加減で滅びるらしい。

天猫は四つの目を閉じて黙祷した。

さよなら。飼い主さん。あんたはまあなかなかいい飼い主だったよ・・。


天猫は唯、見届けるのみに徹した。 天猫は何もできない。己の無力さを知り、身の程を知っている。

唯、生き延びるだけだ。

ああ飼い主の力があの巨人に宿ったな。残念だが、これが天の理なんだ。 食べたものの力は勝者に宿る。


完全にごみ扱いして捨てた奴らに食べられるなんて皮肉な結末だね。飼い主さん・・。

天猫は皮肉気な笑みをした。


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