どうやら神様は死んでから褒美を与えるらしい

栗菓子

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どうやら黒いゴミ箱でビックバンが起きたらしい。

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どんな凡庸な魂でも一欠けらの光は或る。
無数の凡庸な魂は、復讐のためにほんのひと欠片の光を集合して、その力を膨大に底知れぬ復讐とイキタイという純粋な思いを糧にして、どんどん風船のように膨らみ、ゴミ箱を破裂するように、光り続けた。


天使と悪魔の大戦争を余所に、天猫だけがじっと半眼でゴミ箱の行方を見ていた。

ある日、ある時唐突に突然に、漆黒の空間は、バアンっと神の目をも焼き付くような大爆発が起きた。

どうやら黒いゴミ箱で、漆黒の亜空間でビックバンが起きたらしい。

ごみ箱の中で新しい宇宙が誕生したのだ。

その宇宙の中で、彼らの魂は漆黒の亜空間を糧に進化し続けた。

それはいわば、蟲のようなおぞましい形態だが、イキタイという彼らの意志は尤もである。全ての生命は生きたいという意志があるのだから。

それと、なまじ知能と感情が或る人間だったため、かれらの思いは一気に神々と天使、悪魔でさえも凌駕するほどの
悪意に満ちて、
ギイイイイイイギイイイイイイイイイイイ

凄まじい咆哮と、世界に対する憤怒をもって、蟲のような体をもった彼らは、天使や、悪魔や、神々に飛びついた。

無数の蟲の様な悍ましいナニカにたかられて力の弱い天使や悪魔程、ギャアと断末魔の悲鳴を上げ続けた。

不老不死のはずの身体が、夥しい蟲の様な何かにたかられ喰われているのだ。あまりにも悍ましい末路だった。


弱い天使や悪魔は戦線離脱をしようとしたが、無理だった。

既に、蟲の様なナニカに包囲されて、跡形も無く彼らは喰われた。途方もない痛みと苦痛と屈辱を味わいながら
元人間のヨクモ・・ザマアミロ・・高位生命メ。悪意に満ちた怨念を糞のように喰らった。

無事なのは、大悪魔の妻となった悪辣な女神リリスと力が強い天使や悪魔や神々だけだった。

彼らは、己に結界を張り、身を守る防御術を持っている。


天猫は、一足早く、誰よりもはるか高みへ逃げていた。天猫だけが分かっていた。ヤバイということを・・。
天猫は、天の大樹の頂点まで登り、天の大樹ごと結界を張った。

これで悍ましいナイカに喰われることはない。天猫は命がけの高みの見物をしていた。

冷や汗を垂らしながら、飼い主は力が強いから大丈夫だろうと思っていた。

その飼い主は、あんぐりと口を開けながら、必死で結界を張りながら、
「まさか! あんな凡庸な芥の如き魂が、ビックバンを起こし宇宙を創ったのか!?
そして蟲の様な進化をして報復にきたなんて・・!?あんなカスどもかあああ!」

天使は、汚い言葉を吐きながら、悍ましいものたちめ消滅してやる。駆除しなければと天敵を見るように睨み据えた。


天使は、Gという蟲を駆除するような蟲に効果が或る特別の猛毒の噴射器みたいなのを具現化して、大量に、ファック!といいながら、かつては人間だったナニカを駆除しにかかった。

気持ちが悪い!!悍ましい!と叫びながら、力の強い天使たちは、猛毒を撒き散らしながら、死ね!消えうせろ!と
雄々しく吠えたてた。

彼らは、もはや、悪魔よりこの蟲の様な悍ましいナニカを駆除することに躍起になっていた。
血走って、悪魔より悪鬼の様な形相であった。

力の強い女神や、神々は呆然とこの突発的な事態を見ていた。

「「「な、なんじゃ・・凡庸な魂どもがあのゴミ箱で進化したのか・・?まさか打ち捨てられた人形やゴミがあんなことをしでかすとは・・こんなの前代未聞の出来事じゃ!」」」

彼らはすっかり捨てた芥のような魂を忘れていた。 かれらにとって価値のないものだったから・・。

しかし、奇跡は凡庸な打ち捨てられた彼らに味方したようである。

人間にとっては途方もない力と時間をかけて、神にとってはほんの一時にすぎない時間で進化し続けたのである。

そしてとんでもない意志を持って、報復に出たのである。

奇跡はまだ続いていた。 その駆除されかかった元人間ノナニカは、猛毒は効かず、敵を殲滅するまで死なないという深い強い意志をもって神々たちに報復したのである。

皮肉なことに、真の悪魔が生まれたのだ。

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