どうやら神様は死んでから褒美を与えるらしい

栗菓子

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どうやら世界は神様の意向で滅ぶらしい。

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天才児で予見者のアルと言う少年は、世界が血の海で死体だけが大量に、地球を覆い、腐り落ちた肉塊は、今まで痛めつけられた地球と言う星の滋養になった幻影を見た。

肉と骨、全ては大自然の美しい摂理によって、動物や植物などの糧になって、糞となり、養分となった。

その醜悪も美しい世界を予見したアルは、覚悟を決めて目を閉じた。

どうやら神様は、一度世界を滅ぼすことを選択したらしい。

彼は無駄で無意味と悟りながらも、この予見を多くの人に知らせた。

馬鹿にする者、興味がある者。好奇心がある者。不安を抱く者。 様々な反応を見せる人々がいた。

その中で本当に信じるのは極わずかだろう。アルは知っていた。

それでも、一応、備蓄や食料や、自給自足をしようとしている人が増えていた。

その事にアルは安堵する。


この異常気象もどんどんひどくなっているし、頭がおかしくなった人がだんだん家族や仲間にも敵意を持ち始めて殺し合いが始まった。

世界の腐った膿を浄化するために、神様は何か善良なひとたちに力を与えたらしい。

権力や、なにかに屈して何も言えないが良心の呵責もあって悩み苦しんでいる人たちは、一度悲惨な目にあって死んだ。

罪悪感で人を操ったり洗脳で人をコントロールすることで、自分だけ旨味を味わっている悪人や権力者はいきなりバレてリンチ状態になったり、悪事がどんどん暴露された。

「「「このインチキ、詐欺師、悪党 よくもよくも今まで騙していたな。」」」

洗脳からどんどん脱却して、まっとうな心をもつようになった人は反動で、怒りで暴動を起こした。


そのせいで、不透明なワースト国家がどんどん消滅した。首脳部は火あぶりや処刑された。彼らがやったように同じことをやり返した。


善良な素朴な心を持った人達ほど、怒りと悲しみをもった憎悪は途方もなく大きく、どうしようもない国家をどんどん潰していった。

「「「いらない。不要だ。こんなのは。」」」


彼らは、力を使い切ったあと、敵に殺された。しかし満足な死に顔をしていた。まあ、彼らは一度は悲惨な死をおくったから、もう死を恐れないだろう。そんなことより復讐をなしたことに満足しているようだ。

「「「何もそこまで・・。」」」

躊躇いや、迷う人たちもいたが、もう限界だったのだろう。神様も、善良な人間もみんな限界を超えたのだ。

あとは、徹底的に壊滅させ、世界を美しく蘇らせるのみだともう彼らは悟っていた。

なんという羨ましい生き方か。過激にみえるが、人間の業の今までの積み重ねが一気にはじけたのだ。

これは歴史の必然であった。

神は子どもたちをどんどん地獄に突き落とす。仕方がない。今まで、私利私欲で綺麗な星を汚くしたのだから早く死んでほしいと不良な子どもたちに願うのもまた親心だ。


本来神はとても怖いのだ。 アルは深い信仰をもって、世界の行く末を見守った。


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