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神様ってどうやら腹に一物あるらしい。
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俺は、前は人間だったと思う。嗚呼・・ろくでもない人生だったと思う。というのもなんか覚えてないんだよな。
ものすげえ痛みで意識が真っ白になった。気が付いたら、ほらテンプレ通りの光る爺だよ。なんだよ。あの世界もゲームみたいな世界だったのかな。もう驚かないぞ。俺は変な決心をした。
光る翁いが大変だったのおと労いを言ったが、俺にはどうでもよかった。もうなんだか心が擦り切れしまって。話すのもうんざりだった。
神様のご褒美?そんなことより、もう人間には生まれ変わりたくない。動物で良いから、あんな愚かな人間になりたくない・・。そのほうがいい。俺は人間には向いていない。社会不適応者だったんだ。
そんな外れ者が、疎まれるのは無理はない。俺は外れだったんだ。
神様。もう疲れたから休ませてくれ。と俺は泣き言を言った。 神様はぽつりと哀れじゃのお。と言って、俺に光を吸い込ませた。なんだか落ちていく感覚があった。
神様。神様。またなんかやったの?
俺は目が覚めたら、変な真っ黒な羽が見えた。なにこれ?喋ろうとしたら、カアーと鳴き声が出た。ええ?
俺は、水溜まりや、顔が見えるところを探した。すると商店のガラスに、俺の姿がぼんやりと浮かんで見えた。
丸々と太ったカラスだった。真っ黒なカラスだ。
神様。願いを叶えてくれたんだ。へえ・・そうなんだ。
これが俺の新しい姿かあ。ジロジロと見ていると、嫌そうな顔をした女性が居た。どうやら商店に入りたいが、俺が邪魔なようで、一歩下がっている。
「ああ!待ってください。お客さん!すぐに出て行かせますから!」
商店の店員が気づいたらしく、慌てて俺を追い出そうとした。
手をシッシッと犬を払いのけるように、俺を追い出そうとした。無謀な男だ。俺には嘴がある。黒い嘴につつかれるとは思わなかったのかな。
俺は失礼なと思いながらも慌てて初めての飛行をした。
結構気持ちがいい。いいもんだ。空中飛行もこんなこと初めてだ。高揚しながら俺はずっと飛行した。そして気づいた。食べ物を食べていない。空腹だ。このままじゃ疲れ切って墜落するかもしれない。まずいな。
俺は思い切って、人間の出した生ごみ袋へ近寄った。普通は嫌な匂いで逃げるが、鳥になった俺はご馳走の匂いにしか感じられなかった。ああ、チキンの残りや、パンのかけらなどがある。贅沢な奴らだ。まだたべられるのに。寿司の残りもある。俺はガツガツと嘴で啄んだ。美味しい。美味しい。お腹いっぱいになるまで食べてしまった。
お腹ふっくらしてるな。まあいいや。後には、生ごみが散乱している破れたごみ袋と残骸だけだった。
だれかが、怒って綺麗にするだろうな。ご愁傷様。
あれ?鳥の意識と人間の意識が混濁してらあ。試しに女が服を着替えている様子を木の上で見てみた。
いつもの俺なら興奮するはずだが、鳥の意識も混じって、雌とは完全に思えていない。
じゃあ、カラスの雌を見たら?
俺はいつか見た時試してみることにした。
せっかく動物それもカラスに転生したんだ。なんでも見れるだろう。なんだか盗撮をしているみたいだ。
俺はこの転生を楽しむことにした。 不倫や、賄賂や大人の汚い醜聞や、スキャンダルを見るのは楽しい。
だって俺下品だもん。でもそんな俺でも見なきゃよかったと後悔したことがある。
まだ幼い女の子たちが、徒党を組んで、一人の女の子によってたかってリンチしたんだ。酷い酷過ぎる。
流石の俺もここまで女の子が荒むのかと思う位だった。悪鬼みたいだった。
俺は慌てて、リンチされている女の子を助けようとして、他の女の子に糞や尿や、嘴で頭を力強くつついた。血が出たけど構わねえだろ。
だって、リンチされた少女が悪い事をしたとしても、大勢でなぶり殺しは良くねえよ。胸糞悪い。
「な、なんだよ。このからすは! 畜生!。」
リーダー格の女の子がわめき散らして、ナイフで俺を刺そうとした。おおっと危ない女だ。
女って怖えな。俺は素早くかわして、上へ飛んで、糞をその女の子の顔に出した。
悲鳴を上げて、女の子は逃げた。可愛いもんだな。女の顔は大事だもんな。洗い流したいんだろうな。
他の女の子たちもリンチをしていた女の子を置いて逃げた。
俺は愉快でクワクワと変な声で鳴いた。
「あ、あんた・・なんなの?」
リンチされていた少女が、血まみれの手で震えながら「あ、あたしを助けた?まさか・・。」
腰が抜けたようで動けないながらも、指を俺に差した。
その通りだよ。感謝しな。クワっと俺は鳴いて、飛びあがった。
女の子は呆然と空中を見ていた。愉快だ。いい気持だ。やはり良い事をするのは良い気持ちだ。
あれ?なんだか力がみなぎっている感じだ。もしかして良い事をしたからレベルアップした?
まさかね。ゲームじゃあるまいし。
俺はまさかまさかと、虐められている酷い目に合っている人や、動物を試しにどんどん助けた。
すると、どんどん力がみなぎる。やはりレベルアップしている・・。
おれは冷や汗が出たよ。神様。神様。俺にどうしたいんだ。聖人ならぬ、聖鳥にしたいのか?
俺はこれからどうなるんだろう。
死んでから悩むなんて思わなかったぞ。動物も楽じゃないってことかい。
神様ってどうやら腹に一物あるらしい。俗っぽいけど、なんだか親しみやすいなあ。
神様。まあ楽しむことにしますかね。
ものすげえ痛みで意識が真っ白になった。気が付いたら、ほらテンプレ通りの光る爺だよ。なんだよ。あの世界もゲームみたいな世界だったのかな。もう驚かないぞ。俺は変な決心をした。
光る翁いが大変だったのおと労いを言ったが、俺にはどうでもよかった。もうなんだか心が擦り切れしまって。話すのもうんざりだった。
神様のご褒美?そんなことより、もう人間には生まれ変わりたくない。動物で良いから、あんな愚かな人間になりたくない・・。そのほうがいい。俺は人間には向いていない。社会不適応者だったんだ。
そんな外れ者が、疎まれるのは無理はない。俺は外れだったんだ。
神様。もう疲れたから休ませてくれ。と俺は泣き言を言った。 神様はぽつりと哀れじゃのお。と言って、俺に光を吸い込ませた。なんだか落ちていく感覚があった。
神様。神様。またなんかやったの?
俺は目が覚めたら、変な真っ黒な羽が見えた。なにこれ?喋ろうとしたら、カアーと鳴き声が出た。ええ?
俺は、水溜まりや、顔が見えるところを探した。すると商店のガラスに、俺の姿がぼんやりと浮かんで見えた。
丸々と太ったカラスだった。真っ黒なカラスだ。
神様。願いを叶えてくれたんだ。へえ・・そうなんだ。
これが俺の新しい姿かあ。ジロジロと見ていると、嫌そうな顔をした女性が居た。どうやら商店に入りたいが、俺が邪魔なようで、一歩下がっている。
「ああ!待ってください。お客さん!すぐに出て行かせますから!」
商店の店員が気づいたらしく、慌てて俺を追い出そうとした。
手をシッシッと犬を払いのけるように、俺を追い出そうとした。無謀な男だ。俺には嘴がある。黒い嘴につつかれるとは思わなかったのかな。
俺は失礼なと思いながらも慌てて初めての飛行をした。
結構気持ちがいい。いいもんだ。空中飛行もこんなこと初めてだ。高揚しながら俺はずっと飛行した。そして気づいた。食べ物を食べていない。空腹だ。このままじゃ疲れ切って墜落するかもしれない。まずいな。
俺は思い切って、人間の出した生ごみ袋へ近寄った。普通は嫌な匂いで逃げるが、鳥になった俺はご馳走の匂いにしか感じられなかった。ああ、チキンの残りや、パンのかけらなどがある。贅沢な奴らだ。まだたべられるのに。寿司の残りもある。俺はガツガツと嘴で啄んだ。美味しい。美味しい。お腹いっぱいになるまで食べてしまった。
お腹ふっくらしてるな。まあいいや。後には、生ごみが散乱している破れたごみ袋と残骸だけだった。
だれかが、怒って綺麗にするだろうな。ご愁傷様。
あれ?鳥の意識と人間の意識が混濁してらあ。試しに女が服を着替えている様子を木の上で見てみた。
いつもの俺なら興奮するはずだが、鳥の意識も混じって、雌とは完全に思えていない。
じゃあ、カラスの雌を見たら?
俺はいつか見た時試してみることにした。
せっかく動物それもカラスに転生したんだ。なんでも見れるだろう。なんだか盗撮をしているみたいだ。
俺はこの転生を楽しむことにした。 不倫や、賄賂や大人の汚い醜聞や、スキャンダルを見るのは楽しい。
だって俺下品だもん。でもそんな俺でも見なきゃよかったと後悔したことがある。
まだ幼い女の子たちが、徒党を組んで、一人の女の子によってたかってリンチしたんだ。酷い酷過ぎる。
流石の俺もここまで女の子が荒むのかと思う位だった。悪鬼みたいだった。
俺は慌てて、リンチされている女の子を助けようとして、他の女の子に糞や尿や、嘴で頭を力強くつついた。血が出たけど構わねえだろ。
だって、リンチされた少女が悪い事をしたとしても、大勢でなぶり殺しは良くねえよ。胸糞悪い。
「な、なんだよ。このからすは! 畜生!。」
リーダー格の女の子がわめき散らして、ナイフで俺を刺そうとした。おおっと危ない女だ。
女って怖えな。俺は素早くかわして、上へ飛んで、糞をその女の子の顔に出した。
悲鳴を上げて、女の子は逃げた。可愛いもんだな。女の顔は大事だもんな。洗い流したいんだろうな。
他の女の子たちもリンチをしていた女の子を置いて逃げた。
俺は愉快でクワクワと変な声で鳴いた。
「あ、あんた・・なんなの?」
リンチされていた少女が、血まみれの手で震えながら「あ、あたしを助けた?まさか・・。」
腰が抜けたようで動けないながらも、指を俺に差した。
その通りだよ。感謝しな。クワっと俺は鳴いて、飛びあがった。
女の子は呆然と空中を見ていた。愉快だ。いい気持だ。やはり良い事をするのは良い気持ちだ。
あれ?なんだか力がみなぎっている感じだ。もしかして良い事をしたからレベルアップした?
まさかね。ゲームじゃあるまいし。
俺はまさかまさかと、虐められている酷い目に合っている人や、動物を試しにどんどん助けた。
すると、どんどん力がみなぎる。やはりレベルアップしている・・。
おれは冷や汗が出たよ。神様。神様。俺にどうしたいんだ。聖人ならぬ、聖鳥にしたいのか?
俺はこれからどうなるんだろう。
死んでから悩むなんて思わなかったぞ。動物も楽じゃないってことかい。
神様ってどうやら腹に一物あるらしい。俗っぽいけど、なんだか親しみやすいなあ。
神様。まあ楽しむことにしますかね。
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