どうやら神様は死んでから褒美を与えるらしい

栗菓子

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どうやら神様は何かを企んでいるらしい。

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俺は、ハードな小学生生活を楽しんでいた。

うちは、まあ中流の家庭だが、この厳しさだ。いつ転落するかもしれない可能性は高い。

俺は、密かに株とか、お金に関する知識とか本を図書館で借りたり、お年玉で貯めていた。

お金に関する知識は必要だ。何も知らないよりましだ。


お金に執着する子どもと呼ばれようとかまわない。そのせいで死ぬ奴らもいるんだ。綺麗ごとは止めようや。

また、俺は将来のために、異国の言葉を何とかして覚えたかった。

今は、日本は移民や、色々混ざって、純粋な日本人は少しずつ消えている。これも悲しいが淘汰だろう。

どこにいっても働けるように、俺はお年玉で貯めたお金で、電子英会話辞典や、中国語などの本を買った。

テレビでは、英会話などのレッスンなど見ていた。

子どもの脳は、大人より吸収が早い。早期教育は大事だ。

他にも、ボロ家を修繕して、貸す副業など目ざとく、庶民でもなんとかやりくりできる仕事とか、色々本を見て学んだ。

算数や、数学や、歴史、国語には中心的に頑張って勉強した。


歴史は繰り返すというし・・。バブル高騰、泡のようにはじけた時期もあったらしい。その時、多くの自殺者もでたらしい。えげつない。夢から覚めたら死まっしぐらかよ。


いつ戦や、災害が起きるとも限らない。俺はこんな厳しい時代を切り抜けるため。体力と、健康には気を使った。


そして、俺は相変わらず、悪人の空気や、副音声が聞こえていた。だからあまり人がいっぱいいる都会にはいかない。騒音でうるさいからだ。

ヘドロみたいな匂いと声で気持ちが悪くなる。


俺は、将来お金を貯めて、早くリタイアして、のんびり田舎生活をするんだ。

もう夢もへったくれもない子どもですまんな。でもこれが夢なんだよ。

そんな折、テレビのニュースで、悪人たちがどんどん捕まったり、殺されたりしている事件が連続していると大事になってきた。

まさか・・俺は嫌な予感がした。テレビの画面には、その様子が拡大されていた。

 世直し! 復讐人!とこどものような落書きで殺された人の家の壁にスプレーで書かれている。

その中に神様のご褒美よ!と乱雑に書かれていた模様を見て、俺はあちゃああああ・・と叫びたかった。


やっぱり、あいつらか! 畜生!俺は平穏な生活を送りたいだけなのに! 子ども時代を楽しく過ごしたいだけなのに!

俺はなけなしの頭をフル回転させて、急に気づいた。神様のご褒美って、今までなかったんじゃないのか?

だって、そうじゃなきゃ、今まで悪人ははびこっていないよな。よく考えたら、色々と変だったな。

人間は人間がなんとかするしかないと・・。やだな。それってなんか最後通告みたい。

もしかして、悪人が増えすぎて、神様も思い切って、ご褒美を出血大サービスと与えまくったんじゃない。それって閉店セールに似ているよな。

もしかしたら、世界滅びる寸前かもな。恨みをもった悲惨な記憶をもった奴らが転生したら、当然そういう悪い奴らに復讐するだろう・・。

どうやら神様は何かを企んでいるらしい。

神さん。神さん。いっそあんたこの世界は一度滅んだ方が良いと思っているの?

困るよ。俺、もう転生したし、大事な優しい両親や、善良な友人は失いたくない。

俺だって、恨みもあるけど、張本人は見当たらないし、今は幸福な人生をおくっているもん。

もう忘れようかなという気持ちもあるのにな。なのに、忘れてない奴らが復讐をしているんだもん。

俺はどうしたらいいいだろう?

あいつらの気持ちもわかるし、できれば俺の大切な家族と、友人は巻き込まないてほしい。


それでも、どこかで俺は復讐をしているあいつらと会わなきゃいけないんだろうな。

それは俺の過去でもあるから・・。


俺は憂鬱になった。神様。あんた何か企んでいるらしいね。






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