ゴミの金継ぎ師

栗菓子

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第3話 お姫様の新しい人生

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天の神様は、お姫様の悲惨な前世を哀れんでか、前世以上の裕福な豪商の第3女として生まれた。

長男は既に嫡子として、後継者の道を歩み、今世の父の背中をみながら、学んでいる。 年が10才離れているせいが、とても頼りになる人としか思えなかった。兄も、可愛い家族が生まれたとしか思えなかっただろう。


お姫様は、それなりに美しい容姿を与えられた。 母親は、さる名門の高貴な血を受けている庶子だったらしい。
とても美しい女で、豪商の男に溺愛されて、幸福そうだった。

長男、長女とは異母兄妹だが、それぞれに、美しく能力にも溢れ、病死した彼らの母も、父に寵愛された良い血をもつ女だったらしい。

今世の父は、ちゃんと母親になる女を寵愛し、子どもたちを愛して、良き家族を築ける立派な人だった。

父は、最高位の貴族でも懇意となる特別な商人で、平民にしては破格の待遇を受けて居る。

そんな恵まれた家族と環境で、兄や姉、妹の関係が悪くなるはずはない。

おっとりとしているが、知能は優れている長姉 安和子は、貴族の第一妾として政略結婚した。個人主義者だったので、ドライではあるが、それなりに幸福な生活を送っているようである。

安和子は、安寧と和みを与える子になってほしいと願いを込められて名付けられた。

その名の通り、安和子は、夫や、子どもたちに安寧と安らぎを与える母となっていった。

次女 満知子は、海のように満ちる知恵を持つ子に育ってほしいと願いを込めて名づけられた。

満知子も、望まれて幸福な結婚を築くだろう。満知子にはその才覚があった。


長男、一臣は、とても高貴な人の一番優秀な臣下になってほしいと願いを込められて名付けられた。

彼は、長じるに連れて、当主でしての器量をもち、交換留学など、異国の歴史や、知識を学んだ。
商人としての人脈を拡げる戦略を留学時代にした。
その時の人達との交流が、後に大きく花開いて、大きな商談を成し遂げて、国で有数を誇る企業を育て上げた。

このように、運と才覚に恵まれた人たちが、華々しく活躍する中、お姫様は、真理子として名づけられた。


真理子は、通常なら贅に溢れた生活で我儘に育つだろうと思っていたが、前世という厄介な記憶を持っていたため、
なかなか聡明な子として大人たちから言われた。

真理子は内心冷や冷やしていたが、今世では本当に恵まれた生活を送らせていただいたため、父や母、家族のために

可愛い妹として生きた。しかし、幼少の頃から、真理子はアクタたちが気になっていた。

彼らは今幸福だろうか?わたくしも幸福ですよ。
いつかまた再会できることをお姫様・・真理子は流れ星を見ながら祈った。


その願いは後にとんでもない事件で叶えられることになる。



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