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第8話 アクタの犬と猫助け
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旅は、おかしな素敵な仲間のお陰で、いつも上機嫌で楽しく過ごせた。
ある時、荷台の目の鼻の先に何かが倒れていた。
嗚呼‥いやなものを見ちゃったな。 猫と犬がボロボロになって死んでいた。
アクタは思わず目を反らしそうになったが、おかっぱの幼女神が語った。
『まだ生きているぞ。助けてやれ。アクタ。』
「ええ!?」
アクタは急いで、ボロボロになった猫と犬を見た。どう考えても生きているとは見えないが・・
いや。かすかにミヤアとかワンとか鳴き声がした。
アクタは急いで荷台へ猫と犬を運んだ。綺麗な水を浸した布を猫と犬の口元に近寄らせた。
すると勢いよく、その布を猫と犬は水を飲みたくて噛みついた。
アクタは慌てて、犬と猫に水と柔らかな食べ物をやった。
瀕死の状態にあった犬と猫は、がつがつとアクタの与えた水と食べ物を喰らった。
そしていきなりバタンと倒れた。
『 気が緩んでやっと眠れるようになったのだ。しばらくそっとしておけ。 体が汚いから水を濡らした布で清めよ。丁寧にやるのだぞ。しかし何故 あんなところに猫と犬が生き倒れになっていたのか・・?』
お姫様が犬と猫をしげしげと見て、幼女神とアクタに語った。
『 この猫と犬の種類は見覚えがあります。
確か親戚が希少価値がある犬と猫だと、とても高価だったと自慢していた覚えがあります。ちょっとした立派な家が建つぐらいの価値がある種類ですよ。 』
「えええええええ」
アクタは叫んだ。こんなボロボロの犬と猫が高価な貴重なものだったと?
アクタには到底信じられなかった。しかしお姫様の言うことだ。半信半疑でアクタは猫と犬を丁寧に清めて介抱した。幸いにも動物にも効く軟膏などを親切な人から頂いていた。
この軟膏はよく効くらしい。 数週間アクタは、必死で、犬と猫の介抱をした。
奇跡的に犬と猫は回復した。 瀕死状態のボロボロの犬と猫はもういなくなり、見違えるように美しくなっていた。
黒と黄色と茶色の交じり合った美しい猫。 どこか丸くて野性的だ。
白と灰色かがった毛並みをした犬も美しい。 間違いない。 どこか良い血を感じさせる血統を持っている。
『やはりそうとう高価な犬と猫ですよ。でも何故あんなところに・・?』
お姫様は首を傾げた。
『まあ、まて。あたしが聞いてみる。こうみえてもあたしは神様。犬や猫の言葉はわかるわ。』
おかっぱの幼女神はまかせろと自分の胸を叩いて犬と猫に語りかけた。
しばらく神様と猫と犬の話が続いた。 良い話ではないようだ。だんだん幼女神の顔が険しくなり、怒りの表情をみせるようになったからだ。
しばらくしてうんざりした表情で、『わかった。しばらく安心して休め。この人間は悪い人間ではない。』
と宥めて犬と猫を寝かせた。
くるりと嫌そうな顔をして、お姫様とアクタを交互に見て言った。
『 胸糞悪い話だ。 悪趣味な貴族の野郎が、金にあかして大切にしていた元飼い主から借金のカタに犬と猫をもらったらしい。しかしその貴族は嗜虐的で、高価な価値があるモノほど壊したいという変態的な性癖を持っていて、何か月も犬と猫は虐待されて、馬車からポイっと捨てられたらしい。
元飼い主の場所はもうわからないようだ。惨い事をする人も多いな。』
『そんな・・あんなに美しい猫と犬なのに・・』
お姫様は呆然と呟いたが、幼女神は皮肉気に呟いた。
『そなたがそれをいうのか?姫よ。忘れたわけではあるまいな。己の非業の死を。』
はっと姫は動揺した。忘れていた。今までアクタ様と神様との旅があまりにも楽しくてそんな酷いことができる人が居たことを忘れていた。嗚呼・・わたくしも猫と犬と同じだわ。
「嫌な奴、気持ちが悪い奴、残酷な惨いことができる奴は多いんだな。俺も追放されて分かったよ。お姫様といい、
猫と犬といい、そういう奴らもいる事も分かった。
嫌だなあ。そんなやつら。早く捕まったり死んじまえばいいのにな。」
『そういうどうしようもない奴らはどこにでもいるもんじゃよ。アクタよ。気を付けろ。悪い心を持ったヤツらはお前の能力を狙って金儲けしようとするかもしれん。』
『お前の職人の腕は見事なものじゃよ。それに嫉妬する奴もいれば、利用する奴らもいる。気を付けよ。お前は十分に価値のある人間なんじゃよ。』
「えええ・・」
アクタには信じられないことばかりだが、神様の言うことは真実ばかりいう。
『この猫と犬はお前の連れとせよ。お前が助けたのだから命には責任を持て。』
思わぬ言葉にアクタは目を見開いたが、確かにアクタが救ったのだからアクタには犬と猫の命に責任がある。
アクタは荷台でこのまま犬と猫を連れて行こうと決心した。
思わぬ命を拾ってしまった。
しかし、酷い目にあった俺の周りにはやはり酷い目にあった命がくるんじゃないのか?
アクタにはそんな気がした。
まあいい。俺にはおかっぱの幼女神とお姫様が憑いている。
何かあろうと負けるものか!
かかってこい!アクタは元気を出した。
ある時、荷台の目の鼻の先に何かが倒れていた。
嗚呼‥いやなものを見ちゃったな。 猫と犬がボロボロになって死んでいた。
アクタは思わず目を反らしそうになったが、おかっぱの幼女神が語った。
『まだ生きているぞ。助けてやれ。アクタ。』
「ええ!?」
アクタは急いで、ボロボロになった猫と犬を見た。どう考えても生きているとは見えないが・・
いや。かすかにミヤアとかワンとか鳴き声がした。
アクタは急いで荷台へ猫と犬を運んだ。綺麗な水を浸した布を猫と犬の口元に近寄らせた。
すると勢いよく、その布を猫と犬は水を飲みたくて噛みついた。
アクタは慌てて、犬と猫に水と柔らかな食べ物をやった。
瀕死の状態にあった犬と猫は、がつがつとアクタの与えた水と食べ物を喰らった。
そしていきなりバタンと倒れた。
『 気が緩んでやっと眠れるようになったのだ。しばらくそっとしておけ。 体が汚いから水を濡らした布で清めよ。丁寧にやるのだぞ。しかし何故 あんなところに猫と犬が生き倒れになっていたのか・・?』
お姫様が犬と猫をしげしげと見て、幼女神とアクタに語った。
『 この猫と犬の種類は見覚えがあります。
確か親戚が希少価値がある犬と猫だと、とても高価だったと自慢していた覚えがあります。ちょっとした立派な家が建つぐらいの価値がある種類ですよ。 』
「えええええええ」
アクタは叫んだ。こんなボロボロの犬と猫が高価な貴重なものだったと?
アクタには到底信じられなかった。しかしお姫様の言うことだ。半信半疑でアクタは猫と犬を丁寧に清めて介抱した。幸いにも動物にも効く軟膏などを親切な人から頂いていた。
この軟膏はよく効くらしい。 数週間アクタは、必死で、犬と猫の介抱をした。
奇跡的に犬と猫は回復した。 瀕死状態のボロボロの犬と猫はもういなくなり、見違えるように美しくなっていた。
黒と黄色と茶色の交じり合った美しい猫。 どこか丸くて野性的だ。
白と灰色かがった毛並みをした犬も美しい。 間違いない。 どこか良い血を感じさせる血統を持っている。
『やはりそうとう高価な犬と猫ですよ。でも何故あんなところに・・?』
お姫様は首を傾げた。
『まあ、まて。あたしが聞いてみる。こうみえてもあたしは神様。犬や猫の言葉はわかるわ。』
おかっぱの幼女神はまかせろと自分の胸を叩いて犬と猫に語りかけた。
しばらく神様と猫と犬の話が続いた。 良い話ではないようだ。だんだん幼女神の顔が険しくなり、怒りの表情をみせるようになったからだ。
しばらくしてうんざりした表情で、『わかった。しばらく安心して休め。この人間は悪い人間ではない。』
と宥めて犬と猫を寝かせた。
くるりと嫌そうな顔をして、お姫様とアクタを交互に見て言った。
『 胸糞悪い話だ。 悪趣味な貴族の野郎が、金にあかして大切にしていた元飼い主から借金のカタに犬と猫をもらったらしい。しかしその貴族は嗜虐的で、高価な価値があるモノほど壊したいという変態的な性癖を持っていて、何か月も犬と猫は虐待されて、馬車からポイっと捨てられたらしい。
元飼い主の場所はもうわからないようだ。惨い事をする人も多いな。』
『そんな・・あんなに美しい猫と犬なのに・・』
お姫様は呆然と呟いたが、幼女神は皮肉気に呟いた。
『そなたがそれをいうのか?姫よ。忘れたわけではあるまいな。己の非業の死を。』
はっと姫は動揺した。忘れていた。今までアクタ様と神様との旅があまりにも楽しくてそんな酷いことができる人が居たことを忘れていた。嗚呼・・わたくしも猫と犬と同じだわ。
「嫌な奴、気持ちが悪い奴、残酷な惨いことができる奴は多いんだな。俺も追放されて分かったよ。お姫様といい、
猫と犬といい、そういう奴らもいる事も分かった。
嫌だなあ。そんなやつら。早く捕まったり死んじまえばいいのにな。」
『そういうどうしようもない奴らはどこにでもいるもんじゃよ。アクタよ。気を付けろ。悪い心を持ったヤツらはお前の能力を狙って金儲けしようとするかもしれん。』
『お前の職人の腕は見事なものじゃよ。それに嫉妬する奴もいれば、利用する奴らもいる。気を付けよ。お前は十分に価値のある人間なんじゃよ。』
「えええ・・」
アクタには信じられないことばかりだが、神様の言うことは真実ばかりいう。
『この猫と犬はお前の連れとせよ。お前が助けたのだから命には責任を持て。』
思わぬ言葉にアクタは目を見開いたが、確かにアクタが救ったのだからアクタには犬と猫の命に責任がある。
アクタは荷台でこのまま犬と猫を連れて行こうと決心した。
思わぬ命を拾ってしまった。
しかし、酷い目にあった俺の周りにはやはり酷い目にあった命がくるんじゃないのか?
アクタにはそんな気がした。
まあいい。俺にはおかっぱの幼女神とお姫様が憑いている。
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