ゴミの金継ぎ師

栗菓子

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第4話 アクタのゴミ集め

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アクタは、もう覚悟を決めてゆっくりと放浪することにした。

時折、きらりと反射する綺麗な小石や、青い瓶の欠片などを集めては、深夜作業をした。


アクタが持ってきたのは仕事道具だ。これだけは譲れない。アクタが選別して、アクタ自身も改良した大切な道具だ。
これさえあれば、どんな欠片もとるに足らないモノでも美しく仕上げることができる。

集めた欠片を丸く研ぐのだ。そうすれば痛くならない。

丸くした小石や欠片はキラキラと反射して宝石のようだ。

アクタは、これを土器にはめ込んでもっと美しくしたいなと思った。

しかし、ここら辺には器を作る工房らしきものはない。しばらく我慢しようとアクタは材料となるモノを採集した。

勿論、食べ物も忘れない。

木の陰にある小動物や、蛇などを捕えて火をくべて焼く。 意外と身は肥えていてアクタにとって丁度良かった。

水は雨が降る時、容器を置いて、雨水がたまるのを待った。

大雨の場合、アクタは天然の洗い場だと思い、全身浴びた。何でも洗おう。


アクタは汚れた衣服を洗った。雨を避けるための空き家があった。

アクタはしばらくそこで大雨がやむまでそこで暮らすことにした。


囲炉裏がある。 アクタは木など枝を集めて火をくべた。そして濡れた体を温めた。

服は絞って、火の近くに置いた。 そうすれば乾くのが早い。


アクタは俺も順応するのが早いなと我ながら驚いていた。

火を見ると安心する。

しばらくアクタはそれを見ながらうとうとと眠りについた。

アクタはどうしても気になることがあった。 あの貴族の息子は何故殺された?

何かあの後、仲間割れや、喧嘩でもあったのか?

他にも仲間が居たのか?


いつかわかるかもしれない。アクタはこの運命をもたらした犯人を想像しながら深い眠りについた。


夢の中で、今度は白い服を着たおかっぱの髪をした幼女が現われた。

「あたしはここにいた屋敷の神よ。あんた土地神チンメイ様の加護を受けているわね。
あたしは、ここを守っていたけど屋敷の人はどこかへ行ってしまったわ。
あんた。あたしを連れて行ってくれない?代わりに加護をやるわ。」

「お前の加護ってなんだ。屋敷の神の加護ってなんだかなあ・・。」

「失礼ね。こう見えてもあたしは古い神なんだよ。あんたについていけば、あたしは新しい屋敷へ移れる。

加護は、旅の間になにか幸運があることよ。」

「ふうん。幸運かあ。それならいいぜ。」

アクタはいいぜと軽はずみに頷いた。


目が覚めたら、あの幼女は居なかった。でもアクタは確かに会ったという確信があった。


その証拠に、旅の間に、アクタは親切な村人に水と食料とか分けてもらった。

他にも、綺麗な水の池とか、果物が豊富に実っている木を偶々見つけたとが幸運が続いた。



アクタはやっぱりと思って、あの幼女は俺に憑いてきているなと感じた。

まあいいや。アクタは楽天的でいつもこの厳しい世の中を渡ってきた。

そういうこともあるのだろうとアクタは受け入れるしかなかった。


アクタはこの幸運に満ちた旅を続けることにした。


廃材が空き家にあったのでアクタはそれを使って、荷車みたいなものを創った。

車輪も木だ。アクタは職人だからほかの職人が創っているところや、荷台などなんでも見て見様見真似でやってきた。

アクタは初めて作ったにしては上出来だ。おかっぱの神の加護もあるのかなと能天気に考えた。

アクタ自身の稀有な才能で、仕事に関連する事では記憶能力もすばぬけていて、それを再現することができることは
常人にはとても難しいことだとアクタにはわからなかった。


かすかに声が聞こえた。
「だから、あんたは嫉妬されるのよ・・。」
呆れたような幼女の声だった。

歩いていたら、布団も、不要な布団を処分したいと言っているかなり田舎の金持ちが言っていた。

思い切ってアクタは「あのオ・・その要らない布団は頂けないでしょうか?路銀ならわずかにありますが・・」
とその金持ちに言った。

金持ちはほっとしたように、「ああ。ずっとこの布団を処分したかったのだよ。いいのかい。それは何かいわくつくといわれてね。気のせいだと買ったのだが、眠れないのだよ。何故か。」

いわくつきと言われて、アクタは怯んだが、おかっぱの幸運の加護があると知っていたから、
「ありがとうごさいます」とアクタは笑っていただいた。

お金は無くていいと言われてアクタは嬉しかった。
例えいわくつきと言われようとも・・。





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