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餓鬼の世界のこども
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一日一善
死にたくなったら、一日に一回だけ善行をする。
空き缶拾い、ゴミ回収、1円募金、落とし物を教会に届ける。
善行ポイントを貯めているみたいだ。
ふらふらと浮遊しているこどもたちは、日払いで労働しながら消える。
教会の炊き出しで寒さに震えながら並んでいたら、豚のように太った女と骸骨のように痩せた女が配給される古着をあさっていた。 サイズが合うのがないのだろう。時間がかかっていた。
ぶつぶつと俯いて独り言を言い続けるおばさん。 大事なことを話し合っているのにうまくかみ合わない人たち。
おなかだけは異様に膨れているおばあさん。 変な湿疹が顔中にできて痒がっている男。 背中が痛い痛いと言っている人たち。
とても偉いひとたちがまた変な実験をしたようだ。変な薬を飲まされた人たちは、病気になったり消えたりする。
無人のお寺の中の絵を思い出した。
餓鬼の絵 ききん? 飢饉の時代の情景だ。 骨と皮だけの人は腹だけが異様に膨れていた。
口元には赤い染料がついていた。
飢饉の時代にずっといるようだ。
「あんなひとじゃなかったのに」 ううんううんわかってたよ。子どもたちはとうの昔に気づいていた。
もしかしたらこの世界はとうに見放された世界じゃないか はりぼての世界じゃないかと 薄々きづいていた。
奇声をあげて神様を探す。 薄着で山に登ったり海に潜ったり でもいない。
果てまで生きるしかない。
いつから男は女を無造作に殺すようになったのだろう。仕方がないというようになったのだろう。
男は何のために生きているの?
女はそれでも生きていくの?
大人たちは慣れすぎた。失うのに奪われるのに慣れすぎた。
こどもたちは慣れ過ぎてはいけない
ごめんなさいごめんなさいと誰かか涙交じりに言う。 なんだか虚ろに聞こえる。
見放されたのを 美花といおう ごみを 護美といおう
だれもしらないところにいって信じられないぐらい美しい世界の肥やしになりたい。
とてもとても美しいものだけ生まれるといいのに。
失敗作品の人間ばかり。
馬鹿とバカと屑とダメ人間だけが生き延びる。 つらいけど僕も屑だから。
はっとさせるものがみたい。
この世界はもう失敗して終わっているんだ。
汚くしてしまったから 神様と天使に頼んで とてもとても美しくしてくれるように祈ろう。
人間がいなくなるように。
もっとすばらしいものが生まれるように。
失敗作品を生かさないでほしい。
ぼくがきえたらみんなもこれ以上汚くするよりは消えてほしい。
その時まで生きよう。
はいおしまい。
死にたくなったら、一日に一回だけ善行をする。
空き缶拾い、ゴミ回収、1円募金、落とし物を教会に届ける。
善行ポイントを貯めているみたいだ。
ふらふらと浮遊しているこどもたちは、日払いで労働しながら消える。
教会の炊き出しで寒さに震えながら並んでいたら、豚のように太った女と骸骨のように痩せた女が配給される古着をあさっていた。 サイズが合うのがないのだろう。時間がかかっていた。
ぶつぶつと俯いて独り言を言い続けるおばさん。 大事なことを話し合っているのにうまくかみ合わない人たち。
おなかだけは異様に膨れているおばあさん。 変な湿疹が顔中にできて痒がっている男。 背中が痛い痛いと言っている人たち。
とても偉いひとたちがまた変な実験をしたようだ。変な薬を飲まされた人たちは、病気になったり消えたりする。
無人のお寺の中の絵を思い出した。
餓鬼の絵 ききん? 飢饉の時代の情景だ。 骨と皮だけの人は腹だけが異様に膨れていた。
口元には赤い染料がついていた。
飢饉の時代にずっといるようだ。
「あんなひとじゃなかったのに」 ううんううんわかってたよ。子どもたちはとうの昔に気づいていた。
もしかしたらこの世界はとうに見放された世界じゃないか はりぼての世界じゃないかと 薄々きづいていた。
奇声をあげて神様を探す。 薄着で山に登ったり海に潜ったり でもいない。
果てまで生きるしかない。
いつから男は女を無造作に殺すようになったのだろう。仕方がないというようになったのだろう。
男は何のために生きているの?
女はそれでも生きていくの?
大人たちは慣れすぎた。失うのに奪われるのに慣れすぎた。
こどもたちは慣れ過ぎてはいけない
ごめんなさいごめんなさいと誰かか涙交じりに言う。 なんだか虚ろに聞こえる。
見放されたのを 美花といおう ごみを 護美といおう
だれもしらないところにいって信じられないぐらい美しい世界の肥やしになりたい。
とてもとても美しいものだけ生まれるといいのに。
失敗作品の人間ばかり。
馬鹿とバカと屑とダメ人間だけが生き延びる。 つらいけど僕も屑だから。
はっとさせるものがみたい。
この世界はもう失敗して終わっているんだ。
汚くしてしまったから 神様と天使に頼んで とてもとても美しくしてくれるように祈ろう。
人間がいなくなるように。
もっとすばらしいものが生まれるように。
失敗作品を生かさないでほしい。
ぼくがきえたらみんなもこれ以上汚くするよりは消えてほしい。
その時まで生きよう。
はいおしまい。
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