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虎百合の章
第3話 虎の逃亡
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虎の人生は正に波乱万丈だった。
白痴状態の猫から、親友を失った代償にみるみる聡明になって、人食い虎になって、放浪しながら気に入らない人を屠っていった。
虎にとってはそれが真理であった。
ほとんどの犠牲者は、弱い女が面白がって殺されても囃し立てる奴ら、低俗な奴らであった。
虎にとっては死んでもいい存在であった。虎の容姿に騙されて搾取しようとするやつら、色気を使うやつらを屠っていった。彼らは自業自得なのだ。
そんな虎にも報復する奴らが現われた。
下らない女が抗った結果が下らないやつらの報復を生み出した。
虎は心底あきれ果てた。虎と下劣な奴らとの戦いは一夜続いた。
虎は重傷を負って、辛うじて敵を仕留めた。虎は既に生き延びるために潜在能力が高まって異様な力をもつ女になっていた。
人影が居ない山奥に虎は逃げ込んだ。洞窟で彼女は竹藪の中で隠れた。
傷口は自分で雨が降っては、葉に水滴がたまっているものを飲んでは、布に浸し薬草を食べながら揉み、傷口にすりこんだ。虎は無意識にこれは炎症や傷に効く薬草をしっていた。
潜在能力であろうが、虎は自分に必要な物を捉える能力があった。
彼女は何度も死を覚悟しながら一人で孤独に耐えた。それでも虎は生き続ける事を諦めなかった。
やがて、虎の元に死神が訪れた。禍々しい気配を纏った男。虎は嗚呼死ぬのだと目を閉ざした。
目を覚ましたら、虎は、美しいところに横たわっていた。
なんだここは?
虎はさすがに理解できなかった。
「ここは海の中よ。船の中よ。」涼やかな雅な声。美しい女の声。
真っ赤な女だ。傍らには禍々しい男がいる。
虎は警戒した。助けられたからと言って油断はできない。
くすりと女は妖艶に笑った。ねえ貴女。下劣な男を幾度も屠ってきたんですって。あだ名は虎というそうね。
素敵だわ。私虎が好きなの。唯、花の名前だけどね。
ねえ貴女。私たちと復讐者の道を歩まない?
それが彼らと虎の初めての出会いであった。
白痴状態の猫から、親友を失った代償にみるみる聡明になって、人食い虎になって、放浪しながら気に入らない人を屠っていった。
虎にとってはそれが真理であった。
ほとんどの犠牲者は、弱い女が面白がって殺されても囃し立てる奴ら、低俗な奴らであった。
虎にとっては死んでもいい存在であった。虎の容姿に騙されて搾取しようとするやつら、色気を使うやつらを屠っていった。彼らは自業自得なのだ。
そんな虎にも報復する奴らが現われた。
下らない女が抗った結果が下らないやつらの報復を生み出した。
虎は心底あきれ果てた。虎と下劣な奴らとの戦いは一夜続いた。
虎は重傷を負って、辛うじて敵を仕留めた。虎は既に生き延びるために潜在能力が高まって異様な力をもつ女になっていた。
人影が居ない山奥に虎は逃げ込んだ。洞窟で彼女は竹藪の中で隠れた。
傷口は自分で雨が降っては、葉に水滴がたまっているものを飲んでは、布に浸し薬草を食べながら揉み、傷口にすりこんだ。虎は無意識にこれは炎症や傷に効く薬草をしっていた。
潜在能力であろうが、虎は自分に必要な物を捉える能力があった。
彼女は何度も死を覚悟しながら一人で孤独に耐えた。それでも虎は生き続ける事を諦めなかった。
やがて、虎の元に死神が訪れた。禍々しい気配を纏った男。虎は嗚呼死ぬのだと目を閉ざした。
目を覚ましたら、虎は、美しいところに横たわっていた。
なんだここは?
虎はさすがに理解できなかった。
「ここは海の中よ。船の中よ。」涼やかな雅な声。美しい女の声。
真っ赤な女だ。傍らには禍々しい男がいる。
虎は警戒した。助けられたからと言って油断はできない。
くすりと女は妖艶に笑った。ねえ貴女。下劣な男を幾度も屠ってきたんですって。あだ名は虎というそうね。
素敵だわ。私虎が好きなの。唯、花の名前だけどね。
ねえ貴女。私たちと復讐者の道を歩まない?
それが彼らと虎の初めての出会いであった。
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