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ロベリアの章
第4話 復讐の花
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或る下らない女が死んだ。
それ以来、ロベリアはシスターと時折死体を埋めるようになった。ほとんどが奴隷だった妻である。
ろくでなし達は懲りずに悪行を繰り返している。それをよく知ってるのは、下賤な村人たちである。だが、村人も己の家族や己を守るのに精一杯で見ないふりで放置し続けた。
結局、最後のしりぬぐいは、シスターや牧師ぐらいである。牧師もはじめは手伝っていたが、無惨な遺体を見る度に
酒の量が増えていった。寡黙な性質がだんだん無言になっていった。
暗部を背負うのには牧師にはきついのである。
シスターは冷淡な目でそれを見やった。何を今更というようであった。
世界は無常である。
しかし人間の心には限界がある。
ある日、ロベリアの何かがはじけた。もう嫌だああ。ロベリアはこれ以上女の死体を埋めたくなかった。
その死体をこしらえる元凶をロベリアは殺したかった。
「シスター。どうして。死んでほしい奴は早く死んでくれないのかしら。私はあのろくでなしとろくでなしを庇う奴らも死んでほしい。」
ついにロベリアはシスターに告解した。怒られてもかまわなかった。
「ロベリア・・無理だよ。そういうやつに限って長生きするんだよ。どうしてかね。」
「神様がいないなら私が殺すわ。もう嫌なの。限界なの。」
「ロベリア!駄目だよ。殺されるよ。」シスターはロベリアを抱擁した。
でもシスター。もう限界なんです。私は、あの女を最初に埋めた時ずっと殺したかった。
「ねえ。シスターなら、殺してくれる人や、何か知っているんじゃない?」
シスターは俯いた。シスターは何か闇の商売をやっている人と関りがあるとロベリアは長年の間に分かっていた。
「シスターは、悔しいとは思わないの。何故私たちはこんなどうしようもないものを見なければいいけないの。
間違っているわ。」
ロベリアはどうしても納得いかなかった。世の中の不条理に怒りさえ感じた。
「ロベリア・・」
シスターは途方に暮れた子どものような顔をした。
「わかったよ。ロベリア。しばらく時間をおくれ・・。」
シスターはとあるところに手紙を出した。
1か月後、不意に待ち人は訪れた。目は鋭く地味な服装をしているがどこか禍々しい感じがした人だった。
男は呪力者だった。何か得体のしれない力を持っていた。
「殺された奴隷たちの墓場へ連れていけ」
男はシスターに言った。シスターは迷わず墓場へと誘った。
「無惨に殺された人の墓場には怨嗟が渦巻いている。俺はその墓場にある種を埋める。そして俺の血肉を与えて育てる。そうすれば、呪いの花は生まれる。復讐する者が分かるだろう。その花は自分を殺したやつらを知っている。」
ロベリアは半信半疑で、男の呪術を見守った。
男は妙な詠唱を唱え続け、未知の種を墓場へ植えた。そして男はナイフで自分の手を切った。ほっそりと長い手だった。血と肉片が飛び散った。ぼとりと墓場に落ちた。
呆然とそれを見やると、種はみるみると育ち、血と肉片を吸い込んだ。
あっという間に根を生やし、緑の茎が生え、色鮮やかな花が咲いた。蕾がみるみると花開くのは夢のようだった。
だが、花弁の奥に僅かに牙が見えた。ギザギザに鋭くはえた牙。
絵本で見た食虫花でもない。これは・・・人間と動物を混ぜたような歯の生えた花。
奇妙な醜悪な花。憎悪と悪意が詰まった花。
男は花に囁いた。
「花よ。哀れな犠牲者に咲いた花よ。お前に復讐の機会を与えよう。お前を殺したその者を殺せ。」
花はかすかに頷いた。
「この花は、対象者に贈り物として献上する。」と、呪力者は言って、花を手折り、そっと袋の中に入れた。
しばらく待て。呪力者はシスターにそう言ってあっという間に去っていった。
ロベリアはあの花は何だったのかとシスターに言うと、復讐の花だよ。ロベリア。怨嗟を糧に復讐する花を作れるんだよ。あの呪力者は。
数日後、ろくでなしの奴らが首を動物が嚙み切った状態で亡くなったのが発見された。発見した奴らは何の動物だろうと怖がっていた。
ロベリアは嗚呼、あの花だわ。呪力者はあいつらにあの花を献上したんだ。どうしようもないろくでなしに捧げたんだ。
今回は、女ではなく、嚙み切られたろくでなし達の遺体を埋めることができてロベリアは嬉しかった。
これでわずかだが生き残った奴隷の女は教会で引き取ることができた。
中には主人が死んで泣いている女も居た。そこまで奴隷根性が根付いているとは。ロベリアは恐ろしかった。
これからはシスターの言うことを聞くようにとロベリアは言った。
それにしても呪力者への代償は何だったのだろう。シスターに尋ねた。代償は何?お金?
シスターは首を振った。何もロベリア。ゼロだよ。ロベリア。
あいつはね。奴隷女を母親に持ったんだよ。父親は強力な呪力者だが、心がなかった。無理矢理孕ませてどの位母体が持つか色々悪趣味な検証をしていたんだよ。その男の実験で生まれたのがあいつさ。
1年ぐらい母親は生きていたんだよ。ロベリア。あいつが生まれたからようすみになって、地下室へ放置されたんだ。母親はまだ生きていた。戯れに食べ物を差し出され、1年生き永らえたんだ。
あいつが少年になった時、父親は面白がって、母親がいる地下室を教えたんだ。
あいつは地下室に飛び込んだ。中には、腐臭が漂っている白骨死体だけだったよ。
その瞬間、あいつの何かがきれたんだろうね。あいつは呪力で母親の死体を苗床にして花を咲かしたんだよ。
その花をあいつは父親に献上した。
呪力をもった父親でさえも殺せる牙を持った花をね。よほど怨嗟が激しかったんだろうよ。
あいつは言った。俺の力じゃ父親を倒せない。多分母親の執念だ。
それ以来、あいつは復讐の花を咲かす呪力者として闇の世界に知られたんだよ。
でもなぜかお金はもらわなかった。復讐は最も尊い行為だと。あいつはそういう価値観を持っていた。
ロベリア。あたしも闇の世界で育った花なんだよ。あたしの主人も数知れず人を殺していた。それが仕事だからね。でも時々何故、見知らぬ人を殺さなければいけないのかと思う時もあった。
でも闇の世界では真っ当な心を持ったヤツはほとんどいないんだよ。いたとしたらソレこそ奇跡だよ。
ほとんどが人格破綻者で、壊れていった。
あたしも壊れていくんだなと思っていたら、気まぐれに主人はあたしをこの教会に置いた。これからお前は神様に仕えて、遺体を埋めるんだとね。あたしは何を言っているのかよくわからなかった。
時々、あたしのかつての主人の手伝いに行くこともあった。
でも徐々に主人は離れていった。嗚呼あいつも寿命だと思った。主人は消えたよ。猫のようにね。獣は死ぬ時を見せたくないらしい。
主人の縁は続いた。あたしは時折闇の世界の住人と関わっている。主に人殺しだね。
でも、あたしはなるべく人殺しはもうしたくなかった。一応神様に仕える者になったからね。
どうしても許せないと思う者だけを殺すことにした。
悔しいのは、ろくでなしを庇った領主や、奴隷女をろくでなしに差し出した貴族だね。そいつらが元凶だよ。
復讐の花は殺した奴にしか向けられないんだよ。
権力者を何とかして殺したいけどね。そういう奴らに限って直接殺さないんだよ。
ロベリア。これが復讐の花の弱点さ。
そんな元凶は殺されないの。 ロベリアは嬉しかったのが一気にしぼんた。
そうだね。悔しいけど元凶は生き延びる。世の中そんなものだよ。
そんなあ。ロベリアは何だか残念だった。早く死んでほしいのに。
ロベリアは不謹慎にも神様に祈った。元凶が早く死んでくれますように。ずっと祈り続けた。
それしかロベリアにできることはなかった。
それ以来、ロベリアはシスターと時折死体を埋めるようになった。ほとんどが奴隷だった妻である。
ろくでなし達は懲りずに悪行を繰り返している。それをよく知ってるのは、下賤な村人たちである。だが、村人も己の家族や己を守るのに精一杯で見ないふりで放置し続けた。
結局、最後のしりぬぐいは、シスターや牧師ぐらいである。牧師もはじめは手伝っていたが、無惨な遺体を見る度に
酒の量が増えていった。寡黙な性質がだんだん無言になっていった。
暗部を背負うのには牧師にはきついのである。
シスターは冷淡な目でそれを見やった。何を今更というようであった。
世界は無常である。
しかし人間の心には限界がある。
ある日、ロベリアの何かがはじけた。もう嫌だああ。ロベリアはこれ以上女の死体を埋めたくなかった。
その死体をこしらえる元凶をロベリアは殺したかった。
「シスター。どうして。死んでほしい奴は早く死んでくれないのかしら。私はあのろくでなしとろくでなしを庇う奴らも死んでほしい。」
ついにロベリアはシスターに告解した。怒られてもかまわなかった。
「ロベリア・・無理だよ。そういうやつに限って長生きするんだよ。どうしてかね。」
「神様がいないなら私が殺すわ。もう嫌なの。限界なの。」
「ロベリア!駄目だよ。殺されるよ。」シスターはロベリアを抱擁した。
でもシスター。もう限界なんです。私は、あの女を最初に埋めた時ずっと殺したかった。
「ねえ。シスターなら、殺してくれる人や、何か知っているんじゃない?」
シスターは俯いた。シスターは何か闇の商売をやっている人と関りがあるとロベリアは長年の間に分かっていた。
「シスターは、悔しいとは思わないの。何故私たちはこんなどうしようもないものを見なければいいけないの。
間違っているわ。」
ロベリアはどうしても納得いかなかった。世の中の不条理に怒りさえ感じた。
「ロベリア・・」
シスターは途方に暮れた子どものような顔をした。
「わかったよ。ロベリア。しばらく時間をおくれ・・。」
シスターはとあるところに手紙を出した。
1か月後、不意に待ち人は訪れた。目は鋭く地味な服装をしているがどこか禍々しい感じがした人だった。
男は呪力者だった。何か得体のしれない力を持っていた。
「殺された奴隷たちの墓場へ連れていけ」
男はシスターに言った。シスターは迷わず墓場へと誘った。
「無惨に殺された人の墓場には怨嗟が渦巻いている。俺はその墓場にある種を埋める。そして俺の血肉を与えて育てる。そうすれば、呪いの花は生まれる。復讐する者が分かるだろう。その花は自分を殺したやつらを知っている。」
ロベリアは半信半疑で、男の呪術を見守った。
男は妙な詠唱を唱え続け、未知の種を墓場へ植えた。そして男はナイフで自分の手を切った。ほっそりと長い手だった。血と肉片が飛び散った。ぼとりと墓場に落ちた。
呆然とそれを見やると、種はみるみると育ち、血と肉片を吸い込んだ。
あっという間に根を生やし、緑の茎が生え、色鮮やかな花が咲いた。蕾がみるみると花開くのは夢のようだった。
だが、花弁の奥に僅かに牙が見えた。ギザギザに鋭くはえた牙。
絵本で見た食虫花でもない。これは・・・人間と動物を混ぜたような歯の生えた花。
奇妙な醜悪な花。憎悪と悪意が詰まった花。
男は花に囁いた。
「花よ。哀れな犠牲者に咲いた花よ。お前に復讐の機会を与えよう。お前を殺したその者を殺せ。」
花はかすかに頷いた。
「この花は、対象者に贈り物として献上する。」と、呪力者は言って、花を手折り、そっと袋の中に入れた。
しばらく待て。呪力者はシスターにそう言ってあっという間に去っていった。
ロベリアはあの花は何だったのかとシスターに言うと、復讐の花だよ。ロベリア。怨嗟を糧に復讐する花を作れるんだよ。あの呪力者は。
数日後、ろくでなしの奴らが首を動物が嚙み切った状態で亡くなったのが発見された。発見した奴らは何の動物だろうと怖がっていた。
ロベリアは嗚呼、あの花だわ。呪力者はあいつらにあの花を献上したんだ。どうしようもないろくでなしに捧げたんだ。
今回は、女ではなく、嚙み切られたろくでなし達の遺体を埋めることができてロベリアは嬉しかった。
これでわずかだが生き残った奴隷の女は教会で引き取ることができた。
中には主人が死んで泣いている女も居た。そこまで奴隷根性が根付いているとは。ロベリアは恐ろしかった。
これからはシスターの言うことを聞くようにとロベリアは言った。
それにしても呪力者への代償は何だったのだろう。シスターに尋ねた。代償は何?お金?
シスターは首を振った。何もロベリア。ゼロだよ。ロベリア。
あいつはね。奴隷女を母親に持ったんだよ。父親は強力な呪力者だが、心がなかった。無理矢理孕ませてどの位母体が持つか色々悪趣味な検証をしていたんだよ。その男の実験で生まれたのがあいつさ。
1年ぐらい母親は生きていたんだよ。ロベリア。あいつが生まれたからようすみになって、地下室へ放置されたんだ。母親はまだ生きていた。戯れに食べ物を差し出され、1年生き永らえたんだ。
あいつが少年になった時、父親は面白がって、母親がいる地下室を教えたんだ。
あいつは地下室に飛び込んだ。中には、腐臭が漂っている白骨死体だけだったよ。
その瞬間、あいつの何かがきれたんだろうね。あいつは呪力で母親の死体を苗床にして花を咲かしたんだよ。
その花をあいつは父親に献上した。
呪力をもった父親でさえも殺せる牙を持った花をね。よほど怨嗟が激しかったんだろうよ。
あいつは言った。俺の力じゃ父親を倒せない。多分母親の執念だ。
それ以来、あいつは復讐の花を咲かす呪力者として闇の世界に知られたんだよ。
でもなぜかお金はもらわなかった。復讐は最も尊い行為だと。あいつはそういう価値観を持っていた。
ロベリア。あたしも闇の世界で育った花なんだよ。あたしの主人も数知れず人を殺していた。それが仕事だからね。でも時々何故、見知らぬ人を殺さなければいけないのかと思う時もあった。
でも闇の世界では真っ当な心を持ったヤツはほとんどいないんだよ。いたとしたらソレこそ奇跡だよ。
ほとんどが人格破綻者で、壊れていった。
あたしも壊れていくんだなと思っていたら、気まぐれに主人はあたしをこの教会に置いた。これからお前は神様に仕えて、遺体を埋めるんだとね。あたしは何を言っているのかよくわからなかった。
時々、あたしのかつての主人の手伝いに行くこともあった。
でも徐々に主人は離れていった。嗚呼あいつも寿命だと思った。主人は消えたよ。猫のようにね。獣は死ぬ時を見せたくないらしい。
主人の縁は続いた。あたしは時折闇の世界の住人と関わっている。主に人殺しだね。
でも、あたしはなるべく人殺しはもうしたくなかった。一応神様に仕える者になったからね。
どうしても許せないと思う者だけを殺すことにした。
悔しいのは、ろくでなしを庇った領主や、奴隷女をろくでなしに差し出した貴族だね。そいつらが元凶だよ。
復讐の花は殺した奴にしか向けられないんだよ。
権力者を何とかして殺したいけどね。そういう奴らに限って直接殺さないんだよ。
ロベリア。これが復讐の花の弱点さ。
そんな元凶は殺されないの。 ロベリアは嬉しかったのが一気にしぼんた。
そうだね。悔しいけど元凶は生き延びる。世の中そんなものだよ。
そんなあ。ロベリアは何だか残念だった。早く死んでほしいのに。
ロベリアは不謹慎にも神様に祈った。元凶が早く死んでくれますように。ずっと祈り続けた。
それしかロベリアにできることはなかった。
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