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第4章 戦乱の民
第1話 アーマン国家
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メリスとクレアスの暮らす国家は、古代のローマに似せて、多くの奴隷階級とほんの僅かな貴族と支配者層と階層社会だった。
そのほうが、奴隷も劣悪な環境から逃れようと足掻くし、懸命に働くからだ。
この国家は実力主義者のみが豊かな地位と権力を得られやすい世界だ。
反面、弱者にとってはあまりにも過酷な世界である。
しかしそのほうが自然淘汰の理にも合って、淘汰されるべき命が早く淘汰されるからだ。
この国家の名前はアーマンという。ありとあらゆる享楽と贅を尽くした国家であり、その下層では、奴隷たちが円形競技場で力と技量を競い合って、勝利者のみが生き延びる。
その奴隷同士で戦い殺しあう世界で、生き延びた実力者は、奴隷と言う身分から外れて平民以上の貴族階級へ入れる。将軍や、軍を率いる者として居場所を与えられる。
一方敗北者は、貴族の寵愛する大型の獣の餌となった。
貴族には、獣を自由に使役する能力がある存在もあった。陸の獣や、水の獣などを手懐けて、容赦なく惨めな敗北者を糧とした。
アーマン国家には複数の大きな敵対している国家があった。
北に凍てついた氷の世界で技術を蓄えた海賊と古代人の血を引いた蛮族国家。
シリウス国家だ。
その頭のオテイルは、卓越した頭脳で各世界中の叡智や神秘的な知識を吸収し、武器の名人ドルンに命じて、常に新たな改良した武器製造を命令している。
その武器は、各国にも流通している。 国の金の元でもある。
オテイルは薄い金の髪を伸ばして、奇妙な魔除けの紋様を手の甲に刻んでいる。これは唯の紋様ではない。呪者という力ある者が、王のために護符のような役目を果たし、敵を寄せ付けないようになっている。
呪者は下手したら、力ある者がゆえに危険視され、魔女として狩られる運命もあった。
生き延びるには、権力をもった王や貴族に仕えるしかない・・。さもなくばひっそりとどこかへ隠遁するかだ。
呪者は、少数民族で、多数の無知で粗野な民に、狩られたら終わりだった。
力ある者は、その代償として、短命や、寿命をすり減らす。そして子供もうまれにくい。よくここまで呪者の血が続いたのは奇跡に近かった。
呪者は、現在、聡明な王オテイルの庇護の元、その力を存分に行使している。
でなければ死の運命を辿るしかない。
その中で、呪者の娘フィリアは、仕える女奴隷の身ながらもオテイルを慕い、興味を抱いたオテイルによって情を交わし、オテイルの子を孕んだ。
王と呪者の子だ。 危険性もある。禍の種とならぬかと一時は殺めようともしたが、興味もあった。
この不確定要素の未知の子をどう育てれば、我が国家に良き人材とならぬだろうか?と王としての目論見もあった。
この異端の王子はカイと呼ばれた。王と呪者の監視の下で育成された。
後にシリウス王家の中興の祖と呼ばれる偉大な王の名前と歴史に刻まれる。
今はまだ誰も知る余地もない。
東の国家 キキキという奇妙な名をした国家は、獣と人を人工的に掛け合わせたキメラを生み出すなど、天才だが人の道に外れた外道悪鬼どもが、己の探求心と欲望を満たすため、膨大な奴隷を使って、奇妙な実験を繰り返して、超人を生みだしていた。
狂気と正気の狭間に居る国家・・。いつ瓦解するかもわからない危険な国家だが、奇妙なほどに数百年ほど存続していた。
皇帝と呼ばれる長が全てを治めているらしい。側近も奇妙な異形の形をしている。獣人の姿だ。
獣の能力と人の能力を最大限に高めた超人達が国を治めるようになったのだ。
ここには普通の人はいない。凶暴な獰猛な性をもった獣人国家だ。
皇帝はセイと呼ばれていた。真名は長いので獣神のみに伝えている。
この国では獣神と呼ばれるほど偉大で強大な獣がいた。とても賢く力溢れる獣で、皇帝と幾度も戦った後、きまぐれに獣は皇帝を加護する者としてキキキに棲む神獣となった。
醜悪でどこか謎めいた国家で、アーマン国家は注目し、常に監視を怠らなかった。
東の国家には、皇帝に寵愛されている数多くの名花と呼ばれる娼妓たちが仕えていた。
勿論貴族並みの教養をもった実力者ばかりであった。
ここでは血筋は関係ない。人体改造をしている国家であり、より強い者が高みへ立つ国家であった。
他にもアーマンが危険視する国家はあったが後に明かされる時が来る。
そのほうが、奴隷も劣悪な環境から逃れようと足掻くし、懸命に働くからだ。
この国家は実力主義者のみが豊かな地位と権力を得られやすい世界だ。
反面、弱者にとってはあまりにも過酷な世界である。
しかしそのほうが自然淘汰の理にも合って、淘汰されるべき命が早く淘汰されるからだ。
この国家の名前はアーマンという。ありとあらゆる享楽と贅を尽くした国家であり、その下層では、奴隷たちが円形競技場で力と技量を競い合って、勝利者のみが生き延びる。
その奴隷同士で戦い殺しあう世界で、生き延びた実力者は、奴隷と言う身分から外れて平民以上の貴族階級へ入れる。将軍や、軍を率いる者として居場所を与えられる。
一方敗北者は、貴族の寵愛する大型の獣の餌となった。
貴族には、獣を自由に使役する能力がある存在もあった。陸の獣や、水の獣などを手懐けて、容赦なく惨めな敗北者を糧とした。
アーマン国家には複数の大きな敵対している国家があった。
北に凍てついた氷の世界で技術を蓄えた海賊と古代人の血を引いた蛮族国家。
シリウス国家だ。
その頭のオテイルは、卓越した頭脳で各世界中の叡智や神秘的な知識を吸収し、武器の名人ドルンに命じて、常に新たな改良した武器製造を命令している。
その武器は、各国にも流通している。 国の金の元でもある。
オテイルは薄い金の髪を伸ばして、奇妙な魔除けの紋様を手の甲に刻んでいる。これは唯の紋様ではない。呪者という力ある者が、王のために護符のような役目を果たし、敵を寄せ付けないようになっている。
呪者は下手したら、力ある者がゆえに危険視され、魔女として狩られる運命もあった。
生き延びるには、権力をもった王や貴族に仕えるしかない・・。さもなくばひっそりとどこかへ隠遁するかだ。
呪者は、少数民族で、多数の無知で粗野な民に、狩られたら終わりだった。
力ある者は、その代償として、短命や、寿命をすり減らす。そして子供もうまれにくい。よくここまで呪者の血が続いたのは奇跡に近かった。
呪者は、現在、聡明な王オテイルの庇護の元、その力を存分に行使している。
でなければ死の運命を辿るしかない。
その中で、呪者の娘フィリアは、仕える女奴隷の身ながらもオテイルを慕い、興味を抱いたオテイルによって情を交わし、オテイルの子を孕んだ。
王と呪者の子だ。 危険性もある。禍の種とならぬかと一時は殺めようともしたが、興味もあった。
この不確定要素の未知の子をどう育てれば、我が国家に良き人材とならぬだろうか?と王としての目論見もあった。
この異端の王子はカイと呼ばれた。王と呪者の監視の下で育成された。
後にシリウス王家の中興の祖と呼ばれる偉大な王の名前と歴史に刻まれる。
今はまだ誰も知る余地もない。
東の国家 キキキという奇妙な名をした国家は、獣と人を人工的に掛け合わせたキメラを生み出すなど、天才だが人の道に外れた外道悪鬼どもが、己の探求心と欲望を満たすため、膨大な奴隷を使って、奇妙な実験を繰り返して、超人を生みだしていた。
狂気と正気の狭間に居る国家・・。いつ瓦解するかもわからない危険な国家だが、奇妙なほどに数百年ほど存続していた。
皇帝と呼ばれる長が全てを治めているらしい。側近も奇妙な異形の形をしている。獣人の姿だ。
獣の能力と人の能力を最大限に高めた超人達が国を治めるようになったのだ。
ここには普通の人はいない。凶暴な獰猛な性をもった獣人国家だ。
皇帝はセイと呼ばれていた。真名は長いので獣神のみに伝えている。
この国では獣神と呼ばれるほど偉大で強大な獣がいた。とても賢く力溢れる獣で、皇帝と幾度も戦った後、きまぐれに獣は皇帝を加護する者としてキキキに棲む神獣となった。
醜悪でどこか謎めいた国家で、アーマン国家は注目し、常に監視を怠らなかった。
東の国家には、皇帝に寵愛されている数多くの名花と呼ばれる娼妓たちが仕えていた。
勿論貴族並みの教養をもった実力者ばかりであった。
ここでは血筋は関係ない。人体改造をしている国家であり、より強い者が高みへ立つ国家であった。
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