糟糠の妻

第3章 新たな糟糠の妻

第3話 メリスの相棒

メリスが商人の道を歩み始めたごろ、ちょっとしたトラブルで裏社会の狭間までメリスは踏み込むことになった。

大抵の奴らは金で動く薄汚い奴らばかりだったが、本当にイカレテイル奴らのところまではいかなかった。

唯、純粋に殺したいから殺し屋になったり、趣味や性癖のため後ろ暗い道を歩む羽目になった異形の精神の者たちが住む界隈には、メリスは特有の勘で回避した。


そんな綱渡りのような道を歩む中、メリスは運命の出会いを果たした。

裏社会でも名を馳せるようになったクレアスで灰色の髪をした冴えない男である。大衆の中に埋没してそのままわからない平凡な男であった。唯その眼光が裏切っていた。地獄の底を見据えたような目で底光りしていた。

不思議とクレアスはメリスと話が弾んだ。まるで昔ながらの友人のように欠けていたものがぴったりとあわさったようで色々商談や、とるに足らない雑談を交わした後、彼らは思った。

こいつとはまた長く付き合う仲間になるかもしれない・・。

クレアスは裏社会で名を馳せただけはあってかなり暴力的だが、己を自制する術も学んでいた。
彼は泥棒の長とも親しみ、詐欺師や犯罪者の組織とも詳しく関りがあった。

その力は旨く利用すれば莫大な利益が出る力でもあった。


メリスが表社会で成功した者であるならクレアスは裏社会で成功した者であった。

二人は奇しくも同じことを考えていた。表と裏両方掌握したい・・！

その欲がメリスとクレアスを結び付けた。


後世に彼らは商業の神としても謳われるほどの偉業を果たした。
唯・・2人の名前ではなくメリクレアと複合的な名前で歴史に刻まれた。