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第3話 可愛い娘

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汚らしい孤児は、逃げようと裸で、きょろきょろと出口をさがしまわっていた。
水浸しの子ども。痩せたあばらが浮いたからだ。わずかに胸が膨らんでいた。女だ。陰毛がない割れ目や尻が見えた。それほど均整がとれた貴族のような美しい身体ではないが、かえって情欲のそそる肢体だった。
若々しい身体。凡庸な顔をしているが、瞳だけがガラス玉の様に美しかった。
はっと見惚れるような美しさ。黒曜石と光を集めたような眼球。思わず宝石のように抉り出していつまでもコレクションとして保管しておきたかった。

あの幼女のような女は生意気にも、俺が欲情したことを悟って、自分で割れ目を手で開いて俺に見せつけた。
怯えながらも媚びを売って交渉しようとした。
「わ、わたしを仲間のところへ帰らせて・・。」
仲間。仲間か。孤児仲間がそんなに大切なのだろうか?なんだか面白くなかった。

白い肌に隠れたピンクの肉が見えて、思わず久しく動かなかった男根がもたげるのを感じた。
俺の性器がこの貧相な女に反応している。

この淫売が。俺はその場で押し倒して乱暴に犯したかった。
じっと女は俺の瞳を見た。なんだかいつまでも見ていたかった。

女は侍女にもう一度洗われて綺麗にされた。服装も貴族の使用人の様な格好をさせられた。
彼女は下女になった。時折、リーナ夫人の娘としてお姫様のような豪華な服装を着せらえた。
リーナ夫人は子どもが欲しかったのか?

その時だけは、淫売は、本物のお姫様のように見えた。それなりに大人しくしてれば、上品で人形の様だった。
でもあの女は、いつ終わるのかと当惑しながら生きていた。

良い食事を与えられて身なりを整えられて、お行儀も侍女に厳しく教えられ、彼女はみるみると野良猫から、美しい猫になっていった。

でも彼女は昔の仲間が気になっている。

彼女を見るとあの時の裸が脳裏に焼き付いて忘れられない。あの柔肌や肉の感触はどんなものか。

レイルははじめて男の情欲と言うものを知った。愛と情欲は別物なのか?

畜生。あの女のせいだ。俺の男根はあの裸を見るだけで高ぶっている。

あの女の腰に押し当てたい。まだ処女だろう。他の奴にやられる前に、やりつくしたい。


あの女はきまぐれにリーナ夫人や、旦那様に可愛がられている。でもそれは不安定だ。
それに嫉妬する醜い下男や下女もいる。あの女は嫌がらせを受けている時もあった。
俺は黙ってあの女がどうするか見ていた。

あの女は、やめてくださいと言って嫌がらせに対して抵抗していた。

非力な身で懸命に抵抗するさまは愛らしかった。可愛い娘。

俺の男根と胸は高鳴った。こんな熱情ははじめてだ。

俺は執拗にあの女の様子を見ていた。 あの女は憔悴していった。なるべく適応しようと頑張っていた。

どこか真っ白な部分がある売女。

彼女は庇護欲と支配欲を掻き立てる女だった。

彼女は名前は無かった。唯、娘とか可愛い娘と戯れに言われるだけだった。


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