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第6章 民たちの怒り
最下層と最上層の申し子
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最上層の貴族社会で、最も皇帝の寵愛厚き麗しきイシュラエルは、そのまま貴族としての役目を果たしておけばよかったものを、なまじ自我をもって、老いと死への恐怖。その動機でこのような虐殺を起こし、狂った研究をした。
イシュラエルが生み出した怪物や、失敗作はほとんど廃棄や焼却された。
僅かに、生存しているモノもあるが、イシュラエルは放置した。
イシュラエルは、最下層社会の魔窟の同胞がいるアテイスの隠れ館にいた。
ヘドロのように瘴気や毒素が混じったような地であるが、貴族は免疫力がはるかに高く、守護力もあり、優雅に歩いた。天使や女神の様に神々しく映った。中身はどうしようもなく歪み切った怪物であってもだ。
アテイスはイシュラエルの神々しい姿を見て思わず溜息をついた。
本当に、外も中身も人外だな。貴族の中の貴族。エンデイミオンに匹敵する美貌。
「イシュラエル。これからどうするのだ。研究結果は出たのか?」
「友よ。アテイスよ。大丈夫だ。もう少しで遺伝子や因子の研究が終わる。不老不死の研究にもう一つ必要なものがある。」
アテイスは嫌な予感を抱きながらも薄々イシュラエルが何を求めているか気づきながらも、それは何だ?と尋ねた。
「皇帝の血と肉」
「正気か?イシュラエルそこまで狂ったか?皇帝の力には敵わないぞ。だから皇帝として君臨している。」
「正気かと言いたいのは僕だ。僕の力を見てみろ。」イシュラエルは、共食いにより莫大な力を持つようになった。
今まで封印していたが、今こそアテイスに見せる時だ。
誇らしげにイシュラエルは力を解放した。その莫大な力を感じ、アテイスはイシュラエルが禁忌を破って共食いをしたことを悟った。
「イシュラエル。そこまで堕落したか。」
「アテイス。力を持つためなら何でもやる。なぜ複製の皇帝に従わなければならない。それは皇帝のほうが力が強いからだ。なぜ禁忌と言われるのかわかる。皇帝以上の力を得ることを恐れたんだ。今は皇帝に匹敵する力を得た。」
あとは、皇帝を抹殺し、その肉と力を我が身に吸収しよう。
「所詮この世は弱肉強食だ。」「力を求めて何が悪い。」
アテイスの配下の様に控えていた漆黒の男はくつくつと笑った。
「最下層社会の掟と同じですねえ。アテイス様。面白い世の中です。」
「控えよ。シャイン。お前が言うことではない。」
シャインは肩をすくめて妖艶に笑った。黒社会で一角を占める統領である。それなりに力はある。
アテイス、イシュラエル。最上層の社会の申し子が大罪を起こして、ここ最下層社会まで隠れるとは運命は皮肉なものよと思った。
シャインは、赤い瞳と金の虹彩をもった瞳と艶やかな黒い髪を持っていた。優れた知能。妖艶な美貌。
奇跡の様に美しい肢体。神々がきまぐれに精巧に作った肢体。こんな男が最下層社会で育ったことが信じられないほど美しかった。シャインは何も知らない最下層の申し子だった。
友人によってシャインは覚醒し、友人の死によってシャインは黒社会で統領まで昇りつめた。
シャインにとって、イシュラエル アテイスは傲慢な力を持った子どもにしか見えなかった。
イシュラエルは少し驚いたように目を丸くした。この麗人が最下層社会で育ったと?
どう見ても貴族の様にしか見えない。奇妙な麗人。
最下層と最上層の申し子は、隠れ館で初めて会った。
シャインは、アテイスの配下として属した。最上層の社会。貴族階級に興味があったのだ。
これからどうなるのかシャインは血なまぐさい戦の匂いを感じて舌なめずりをした。
シャインは多くの人が阿鼻叫喚を上げる光景を見たかった。
そうすれば、この空洞の心も満たされる。シャインはこどもの様に笑った。無垢な美しい笑みだった。
イシュラエルは、僅かにシャインに興味を抱いた。
イシュラエルが生み出した怪物や、失敗作はほとんど廃棄や焼却された。
僅かに、生存しているモノもあるが、イシュラエルは放置した。
イシュラエルは、最下層社会の魔窟の同胞がいるアテイスの隠れ館にいた。
ヘドロのように瘴気や毒素が混じったような地であるが、貴族は免疫力がはるかに高く、守護力もあり、優雅に歩いた。天使や女神の様に神々しく映った。中身はどうしようもなく歪み切った怪物であってもだ。
アテイスはイシュラエルの神々しい姿を見て思わず溜息をついた。
本当に、外も中身も人外だな。貴族の中の貴族。エンデイミオンに匹敵する美貌。
「イシュラエル。これからどうするのだ。研究結果は出たのか?」
「友よ。アテイスよ。大丈夫だ。もう少しで遺伝子や因子の研究が終わる。不老不死の研究にもう一つ必要なものがある。」
アテイスは嫌な予感を抱きながらも薄々イシュラエルが何を求めているか気づきながらも、それは何だ?と尋ねた。
「皇帝の血と肉」
「正気か?イシュラエルそこまで狂ったか?皇帝の力には敵わないぞ。だから皇帝として君臨している。」
「正気かと言いたいのは僕だ。僕の力を見てみろ。」イシュラエルは、共食いにより莫大な力を持つようになった。
今まで封印していたが、今こそアテイスに見せる時だ。
誇らしげにイシュラエルは力を解放した。その莫大な力を感じ、アテイスはイシュラエルが禁忌を破って共食いをしたことを悟った。
「イシュラエル。そこまで堕落したか。」
「アテイス。力を持つためなら何でもやる。なぜ複製の皇帝に従わなければならない。それは皇帝のほうが力が強いからだ。なぜ禁忌と言われるのかわかる。皇帝以上の力を得ることを恐れたんだ。今は皇帝に匹敵する力を得た。」
あとは、皇帝を抹殺し、その肉と力を我が身に吸収しよう。
「所詮この世は弱肉強食だ。」「力を求めて何が悪い。」
アテイスの配下の様に控えていた漆黒の男はくつくつと笑った。
「最下層社会の掟と同じですねえ。アテイス様。面白い世の中です。」
「控えよ。シャイン。お前が言うことではない。」
シャインは肩をすくめて妖艶に笑った。黒社会で一角を占める統領である。それなりに力はある。
アテイス、イシュラエル。最上層の社会の申し子が大罪を起こして、ここ最下層社会まで隠れるとは運命は皮肉なものよと思った。
シャインは、赤い瞳と金の虹彩をもった瞳と艶やかな黒い髪を持っていた。優れた知能。妖艶な美貌。
奇跡の様に美しい肢体。神々がきまぐれに精巧に作った肢体。こんな男が最下層社会で育ったことが信じられないほど美しかった。シャインは何も知らない最下層の申し子だった。
友人によってシャインは覚醒し、友人の死によってシャインは黒社会で統領まで昇りつめた。
シャインにとって、イシュラエル アテイスは傲慢な力を持った子どもにしか見えなかった。
イシュラエルは少し驚いたように目を丸くした。この麗人が最下層社会で育ったと?
どう見ても貴族の様にしか見えない。奇妙な麗人。
最下層と最上層の申し子は、隠れ館で初めて会った。
シャインは、アテイスの配下として属した。最上層の社会。貴族階級に興味があったのだ。
これからどうなるのかシャインは血なまぐさい戦の匂いを感じて舌なめずりをした。
シャインは多くの人が阿鼻叫喚を上げる光景を見たかった。
そうすれば、この空洞の心も満たされる。シャインはこどもの様に笑った。無垢な美しい笑みだった。
イシュラエルは、僅かにシャインに興味を抱いた。
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