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第4章 子どもたちの戦記
第11話 決着
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エンデイミオンの寄越した部隊は屈強で優秀だった。
たちまち、リコリス部隊や、医療部隊と素早く連携プレーをとって、敵へ果敢に武器を放った。
援護部隊が来た喜びに、リコリス部隊は喝采を上げた。
傷を負っているかも関わらずに、安堵の笑みを浮かんだ女もいた。
しかし、ダリアだけが凛々しく最後まで、気を抜かずに、敵の在処を探し、首脳部の部隊たちを殲滅した。
生き残りや降伏した人は捕虜としてとらえた。
「ロサ・アルバはどこ?」
「彼女は研究施設に連れていかれた。もう生きてはいまい。」
ある兵士が真実を告げた。そうかとダリアは呟くと、持っていた銃で兵士を撃った。
兵士は絶命した。
母親であるミモザもそれを聞き泣いた。
それでも一縷の望みをかけて彼女らは研修施設へと駆け寄った。
白い病棟にも似た研究施設は、血に汚れていた。
研修者たちは、欲望のために、彼女らを実験動物として切り裂いたのだ。
既に肉片になっているモノはシャーレという培養液が入った小さな瓶に入れられた。
ほとんどの実験動物となった被験者は、赤く醜く爛れたり、膨れあがったり、細胞が崩れたりして無惨な化け物ばかりだった。
ミモザは気が狂いそうになりながらも、娘を最高の娘を探した。
そしてようやく奥の研究室を探し当てた。なぜかドアを開けるのが怖かった。
勇気を奮って、内部をミモザは探した。
嗚呼・・そこには・・かつての美しい娘の原型を僅かに留めた肉塊が瀕死の状態で動いていた。
これは何? あの子?
彼女はミモザは唯、泣き続けた。
目だけが美しかった。あの子の瞳だ。 ミモザは震えながら毛布を掛けて娘を抱擁した。
オカアサン・・彼女はそう呟いてミモザの腕の中で息絶えた。
ミモザはまだ信じられなかった。あの最高の力を得た娘がこうも呆気なく死ぬのか?これが死なのか?
彼女は唯、無意識に娘の髪を切って胸の中に入れた。
何故かはわからない。唯、シズナ女神の蘇生のことを聞いていたからだろうか・・?
ダリアはミモザを慰めながらも最後まで戦わなければと𠮟咤した。
ミモザはかすかに頷いて娘の亡骸を最後に見て、走り去った。
敵を一人でも多く滅ぼすために生き続けてコロシテヤルと誓った。
彼女はダリアやリコリス部隊と共に、ひたすらに殺し続けた。長い長い無限のような時があったとミモザには感じられた。
まるで悪夢を見ているようだった。
最後の娘を殺した敵を殺した後、ミモザは気を失った。ああ真っ白などこまでも真っ白な世界だわ。
シズナ様の世界みたい・・。
彼女は笑って、わたしをシズナ様の世界へ連れて行ってと願った。祈った。
時空が歪んた。空間に亀裂が走った。
ダリアはミモザの腕をつかんだ。共に連れて行こうとミモザは、ダリアをシズナ様の世界へと連れて行った。
後には、負傷したリコリス部隊と、エンデイミオンの援護した部隊が勝利して、敵を捕えているさなか、
かき消えたダリアと、ミモザを探しているナナミが居た。
ナナミはもしやと思いながらも探し続けた。
たちまち、リコリス部隊や、医療部隊と素早く連携プレーをとって、敵へ果敢に武器を放った。
援護部隊が来た喜びに、リコリス部隊は喝采を上げた。
傷を負っているかも関わらずに、安堵の笑みを浮かんだ女もいた。
しかし、ダリアだけが凛々しく最後まで、気を抜かずに、敵の在処を探し、首脳部の部隊たちを殲滅した。
生き残りや降伏した人は捕虜としてとらえた。
「ロサ・アルバはどこ?」
「彼女は研究施設に連れていかれた。もう生きてはいまい。」
ある兵士が真実を告げた。そうかとダリアは呟くと、持っていた銃で兵士を撃った。
兵士は絶命した。
母親であるミモザもそれを聞き泣いた。
それでも一縷の望みをかけて彼女らは研修施設へと駆け寄った。
白い病棟にも似た研究施設は、血に汚れていた。
研修者たちは、欲望のために、彼女らを実験動物として切り裂いたのだ。
既に肉片になっているモノはシャーレという培養液が入った小さな瓶に入れられた。
ほとんどの実験動物となった被験者は、赤く醜く爛れたり、膨れあがったり、細胞が崩れたりして無惨な化け物ばかりだった。
ミモザは気が狂いそうになりながらも、娘を最高の娘を探した。
そしてようやく奥の研究室を探し当てた。なぜかドアを開けるのが怖かった。
勇気を奮って、内部をミモザは探した。
嗚呼・・そこには・・かつての美しい娘の原型を僅かに留めた肉塊が瀕死の状態で動いていた。
これは何? あの子?
彼女はミモザは唯、泣き続けた。
目だけが美しかった。あの子の瞳だ。 ミモザは震えながら毛布を掛けて娘を抱擁した。
オカアサン・・彼女はそう呟いてミモザの腕の中で息絶えた。
ミモザはまだ信じられなかった。あの最高の力を得た娘がこうも呆気なく死ぬのか?これが死なのか?
彼女は唯、無意識に娘の髪を切って胸の中に入れた。
何故かはわからない。唯、シズナ女神の蘇生のことを聞いていたからだろうか・・?
ダリアはミモザを慰めながらも最後まで戦わなければと𠮟咤した。
ミモザはかすかに頷いて娘の亡骸を最後に見て、走り去った。
敵を一人でも多く滅ぼすために生き続けてコロシテヤルと誓った。
彼女はダリアやリコリス部隊と共に、ひたすらに殺し続けた。長い長い無限のような時があったとミモザには感じられた。
まるで悪夢を見ているようだった。
最後の娘を殺した敵を殺した後、ミモザは気を失った。ああ真っ白などこまでも真っ白な世界だわ。
シズナ様の世界みたい・・。
彼女は笑って、わたしをシズナ様の世界へ連れて行ってと願った。祈った。
時空が歪んた。空間に亀裂が走った。
ダリアはミモザの腕をつかんだ。共に連れて行こうとミモザは、ダリアをシズナ様の世界へと連れて行った。
後には、負傷したリコリス部隊と、エンデイミオンの援護した部隊が勝利して、敵を捕えているさなか、
かき消えたダリアと、ミモザを探しているナナミが居た。
ナナミはもしやと思いながらも探し続けた。
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